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「私たちの日常は男女の夫婦と何一つ変わりありません」  同性婚訴訟で第一回口頭弁論
東京地方裁判所に向かう原告団と弁護団

「私たちの日常は男女の夫婦と何一つ変わりありません」 同性婚訴訟で第一回口頭弁論

同性婚が認められていないのは婚姻の自由を保障する憲法に違反するなどとして、同性カップル13組26人が国を相手取り、全国4つの地裁で同時提訴した裁判で、東京地裁の第1回口頭弁論が4月15日、開かれた。国は請求の棄却を求め、争う姿勢を示した。次回期日はまだ決まっていない。

裁判には多くの支援者が駆けつけ、傍聴券が配布されるほど、注目を集めた。同日、東京・霞が関の弁護士会館で開かれた報告集会で、支援者からの応援に対し、原告の1人である小野春さんは、「この裁判は、みんなのためのものだと思っています。この問題について悩んで困ったりしている、みんなの裁判です」と語った。

●「全国にも原告になりたいけどできないという人はたくさんいる」

この日、法廷では2人の原告が意見陳述を行った。女性パートナーとともに原告となった小野さんも意見陳述に立った。意見陳述書によると、小野さんとパートナーは14年にわたり、小野さんの連れ子である3人の子どもを育ててきた。しかし、同性カップルは現在、婚姻が認められず、共同親権を持つこともできない。「3年前、私にがんが見つかり、手術をしました。死を近くに感じても、パートナーに相続権はなく、私の子どもに対する権利や義務はありません。そのような状況で、パートナーに子どもを託していくのかと思うと、死んでも死に切れない思いです」と訴えた。

同じく、共に原告となっている男性パートナーと15年間、一緒に生活している佐藤郁夫さんは、「私たちの日常は、男女の夫婦と何一つ変わりありません」とする一方、自分がゲイであることに気づいた中学生の時から、誰にも言えずに自身に否定的な気持ちを持ってきたという。その上で、「同性婚が認められることは、私が若い頃に持っていた、自分自身に対する否定的な気持ちを、これからの世代の人たちが感じなくてもよい社会にすることです」と訴えた。

その後の報告集会でも、佐藤さんは、「60年間の大部分、自分のセクシャリティを隠して生きてきました。もしも、同性婚が認められていたら、違った歩み方をしたのではないかと思います」と思いを打ち明けた。

「原告になった人は、たまたま環境が許されているだけで、全国にも原告になりたいけどできないという人はたくさんいると思います。僕のパートナーも顔出ししないで原告になっています。そういう人たちがそっと応援してくれたら、それが大きな力になって、同性婚が認められる日本になれるのでは」と話した。

この日は札幌地裁でも、第1回口頭弁論が開かれたほか、名古屋地裁(4月19日)、大阪地裁(4月26日)でも順次、開かれる。

(弁護士ドットコムニュース)

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