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注文したのに取りに来ない「1万円分の弁当」、代金請求に応じないならどうすれば?
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注文したのに取りに来ない「1万円分の弁当」、代金請求に応じないならどうすれば?

お店を営業している人にとって、無断キャンセルは頭痛の種です。弁護士ドットコムの法律相談コーナーには、1万円相当のお弁当を無断でキャンセルされたとして、弁当店に勤める人から相談が寄せられました。

相談者は、1万円分の弁当を用意して待っていましたが、誰も弁当を取りに来なかったそうです。注文者の名前と電話番号は分かっているそうです。このような場合、注文者に弁当代1万円を請求することはできるのでしょうか。中島宏樹弁護士に聞きました。

●契約は成立したのか?

「相談者は、注文を受けてお弁当を製造して販売することを業としていると思われます。その場合、お弁当の販売は、『製造販売契約』に該当することとなります。『製造販売契約』は、当事者双方の意思表示が合致(合意)した時点で成立する『諾成(だくせい)契約』です。書面での契約締結も不要で、口頭で成立します。

今回のケースでも、1万円相当のお弁当の注文が入り、相談者がそれに応じた時点で、契約は成立しています。そして、相談者は成立した契約にもとづき、1万円相当のお弁当を製造し、注文者の来店を待っている以上、注文者に対する代金1万円の請求権を取得しています。

したがって、相談者は、注文者に対して、代金を請求することができることとなります。代金の請求には、特段の様式は求められていません。注文者の名前と電話番号が分かっていることから、電話にて代金の請求を行えば良いでしょう。

もし注文者が支払いに応じない場合には、注文者の住所が分かるようであれば、内容証明郵便による督促も有効です。それでも応じなければ、裁判所を利用して、支払督促の申し立て、少額訴訟という手続きもあります」

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

中島 宏樹
中島 宏樹(なかじま ひろき)弁護士 中島宏樹法律事務所
京都弁護士会所属。弁護士法人大江橋法律事務所、法テラス広島法律事務所、弁護士法人京阪藤和法律事務所京都事務所を経て、平成30年7月、中島宏樹法律事務所を開設。民暴・非弁取締委員会(委員長)、弁護士法23条照会審査室、日本弁護士連合会「貧困問題対策本部」委員。

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