確定申告には締め切りが設定されているが、人によっては、事情があって間に合わなかったり、うっかり提出し忘れてしまった場合もあるかもしれない。実は、確定申告は締め切りを過ぎた後でも行うことができる。それが「期限後申告」と呼ばれる手続きだ。ただし、正規の締め切りを守らなかったことについて、ペナルティも課されるようだ。
「期限後申告」とはあまり聞きなれないが、どのような手続きなのか。また、どのようなペナルティが課されるのか。内山瑛税理士に聞いた。
●期限後申告をすると「無申告加算税」が課される
「『期限後申告』とは、確定申告の締め切りを過ぎてから確定申告書を提出することです。期限後申告をせずに放置していると、税務署の調査が入り、その後、税務署から税額の計算・通知を受けることになります。これを、『決定』といいます。
期限後申告をしたり、所得金額の決定を受けたりすると、申告等によって納める税金のほかに『無申告加算税』が課されます。いわゆるペナルティです」
無申告加算税とは、どのようなものなのか。
「無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額です。ただし、税務署からの調査通知を受ける前に、自主的に期限後申告をした場合には、この無申告加算税が5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。
また、『納付すべき税額』がない場合は無申告加算税は課されません。還付申告の場合は、期限に遅れても特にペナルティはありません」
期限後申告であっても、無申告加算税が課されない場合もあるという。
「具体的には、次の要件を全て満たす場合には無申告加算税は課されません。
(1)その期限後申告が、申告期限から1月以内に自主的に行われていること。(2)期限内申告をする意思があったと認められる『一定の場合』に該当すること。
『一定の場合』とは、次の(一)及び(二)のいずれにも該当する場合をいいます。
(一)その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。(二)その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。
期限後申告によって納める税金は、申告書を提出した日が納める期限となりますので、その日のうちに納めてください。また、納付が遅れたことによる延滞税も併せて納める必要があります。無申告加算税や延滞税については、確定申告書を提出し、本来の税金を納付したのち、税務署より通知されます」
【取材協力税理士】内山 瑛 (うちやま・あきら)税理士
「お客様の成長のよきパートナーとなる」ことをモットーに、記帳代行・税務申告にとどまらず、お客様を総合的にサポートしています。 「親身に、誠実に、迅速に対応すること」が会計事務所の責務だという信念のもと、お客様の利益のため、精一杯貢献いたします。
事務所名 :内山瑛公認会計士・税理士・行政書士事務所
事務所URL:http://www.uchi-zeirishi.com