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歌舞伎町ホストクラブ、売掛金問題受けて「業界団体」立ち上げへ
キャプション:左から北条雄一氏、巻田隆之氏、吉住健一・新宿区長(2023年12月13日/富岡悠希撮影)

歌舞伎町ホストクラブ、売掛金問題受けて「業界団体」立ち上げへ

女性に高額な売掛(借金)を負わせる「悪質ホスト問題」の広がりを受けて、新宿・歌舞伎町のホストクラブが、来年4月をめどに業界団体を正式に立ち上げることになった。歌舞伎町にある約300軒のうち、現時点で9割超が参加する見通しだ。(ジャーナリスト・富岡悠希)

●業界団体のトップ人事も発表された

12月13日午後、新宿区とホストクラブとの連絡会が同区役所で開かれた。終了後、吉住健一区長とホストクラブ代表者らが、そろって報道陣に報告した。

ホストクラブ側からは、最大手グループを運営する巻田隆之・最高執行責任者(COO)が発言。業界団体の立ち上げ時期について、「売掛金をなくす来年4月をめどにしたい」と明らかにした。

巻田氏によると、業界団体の立ち上げまでの間は、ホストクラブの代表者ら数人が幹事団を作り、連絡・調整役を担う。幹事団の代表となる幹事長は、巻田氏がつとめる。

また、業界団体の代表には「歌舞伎町ホストクラブ協力会」会長の北条雄一氏が就任するという。業界団体には、歌舞伎町に店を構えるホストクラブの19グループが参加する見込み。

●新宿区長「想定よりも厳しいルールとなった」

吉住区長とホストクラブ代表は今月5日にも記者会見を開いている。その際、歌舞伎町のホストクラブが地域全体で来年4月以降、売掛をなくすことや、「匿名・流動型犯罪グループ」(トクリュウ)との関係を断絶する方針を示していた。

さらに「20歳未満の入店禁止」も掲げられていたが、すでに日常的に来店している18歳、19歳の女性客がいることから、仕組みづくりの詳細は持ち越しとなっていた。

13日の記者会見で、巻田氏は「来年1月からは、新規の(20歳未満の)お客様の入店は禁止としたい」と新しい方針を表明。既存の20歳未満の客は、ホストクラブ以外の店に出入りして、トラブルになることなどを考慮して、継続して来店を認めるとした。

これら業界団体の自主ルールに関して、吉住区長は「想定よりも厳しいルールとなった」と一定の評価を示した。

●被害者親の支援団体は「売掛禁止条例」求める署名提出

一方、歌舞伎町を拠点に被害者の親らの支援にあたっている一般社団法人「青少年を守る父母の連絡協議会」(略称:青母連/せいぼれん)側にも12月12日、動きがあった。同日、玄秀盛代表が吉住区長に対して「ホストの売掛禁止条例化」を求める署名5019筆を提出した。

青母連は同日、X(旧ツイッター)で「今後は、内閣総理大臣宛の『ホストの売掛禁止の立法化』を求める署名に展開していきます」と投稿。詳細は、後日発表するとしている。

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