●世の中はどう変化するか
「たたき台」どおりに法改正された場合、世の中はどう変化するかについて以下の声が寄せられました。弁護士から寄せられたコメント全文を紹介します。
「子の監護をあきらめる母が増える」
「子どもがいたら離婚をしても、これまでどおりあれこれ介入されるということで、離婚を諦め、劣悪な環境で過ごす人が増え、トラウマに蝕まれる人たちが増加する。これまで親権は主たる監護者ということでほぼ決まっていたのが争いが長期化し、また何かのたびに共同親権だ単独親権だと争いになり、離別者、それも経済的に状態の悪い人が弁護士費用などで困る。アメリカのように共同養育にした結果、子どもの私学進学率が減ったという具合に、子どもの塾通いや私学進学なども減っていくと思われる」
「家庭裁判所での調停が急増すると思われるが、地方単位会では対応可能な弁護士の数に限りがあり、十分に当事者が救済されない可能性がある」
「その金額の定め方にもよるが養育費紛争が少なくなる」
「法定養育費の回収を実効的なものにするには、離婚に際し、相手方の財産の把握が重要になると思う」
「法律婚を選択する人が減る」
「離婚を諦める人が続出する。子どもの決定事項で、相手方の同意を得るために、離婚後も顔色をうかがうことになり、性的DVや性虐待の温床となる。相手方の同意をえることをあきらめて、子どもは成人するまで我慢を強いられることも増える」
「離婚後の高葛藤の父母の事件が増加すると思われる」
「離婚をした後も、子どものことに関して非監護親と連絡を取ることが必須になる。非監護親が同意しなければ、子どもの進学や歯科矯正など、重要なことが決まらない。非監護親は子どもに関する同意権・取消権を利用して、監護親を支配する」
「共同親権行使を口実にしたストーカー行為や不同意性交の事案が発生すると予測される」
「紛争の激化長期化 破綻しても避難できず危険が増える 少子化婚姻減少」
「DV被害者は逃げられない。離婚事件の急増、解決までの長期化、母子家庭のより一層の貧困化、複雑化等、離婚をビジネス化する弁護士の急増など、明らかに社会は混乱する」
「いわゆるリーガルアビューズと呼ばれる事態となるでしょう。何が子どもにとっての利益になるかを元夫婦が互いにリスペクトしながら不和の理由は別にして発展的に話し合えるというのは理想ではあるが、現実では不可能に近い。あっちがAならこっちはBというように、拒否し続けることも可能になる。決められないから、一方の親が決めて進めていくと紛争になり、第三者も「親権侵害」を理由に慰謝料請求訴訟等が勃発する。ますます第三者は萎縮し、「ご両親の同意がなければ無理です」と断ることになるでしょう。子どもは置き去りです」
「DVや虐待のある家庭でも裁判所が見抜けずに共同養育が強制される事態が生ずる。そのような家庭で両親の間に立つ子どもが最も苦しむことになる」
「共同親権の強制により、DVや虐待の被害が離婚後も続く」
「夫婦間・元夫婦間の紛争が激増する。DVや虐待に耐えて離婚を回避する人が増える(その結果として最悪の事態も増える)。そもそも婚姻や妊娠出産そのものを回避する人が増える」
「DVやモラハラの加害者が家裁に共同親権を認めるよう求める事案が増えることが予想される」
「当面は、DV被害があっても離婚手続きをとれない子供のある夫婦が増え、重篤な被害が長期化する。児童相談所がきちんと仕事をするならば保護される子が増えるでしょう。その事実が浸透してくれば、さらに結婚・出産を躊躇する層が増え、少子化が進むかもしれませんね」
「紛争が激化し、長期化する」
「子どもが心身ともに犠牲になる数が爆増する。養育費の支払いがなされなくなる(半分監護をしているのだから、養育費も払う必要がないという主張がなされる。すでに欧米では起こっている。)。離婚後も支配が継続するので、支配されて北側が自殺や心中を考えるようになる(逃れる手段がないため)」
「共同親権や面会交流を巡って紛争が激化し、子どもの安定した生活に支障をきたす」
「紛争が多発し、子どもの福祉が害される、DVや虐待が継続する、ひとり親が社会の中で不当な差別を受ける、ひとり親への社会保障が交代要員する」
「DVや高葛藤事案で離婚後も元夫婦間で交渉・合意が必要になり、子どもの意向が無視されて不利益を及ぼしてしまうおそれがあると思われる」
「家父長制的な要求(離婚前まで子どもの養育に熱心ではなかった夫側(夫の実家含む)から、跡取りの共同親権を求める)が増えたり、DV虐待加害者から逃れる術が無くなり、DV虐待案件の元妻・子どものメンタルヘルスが悪化する」
「離婚紛争が更に複雑且つ長引く。離婚を急ぎたいDV・モラハラ被害者等は、よく理解できないままに相手に言われるがままに共同親権を選択してしまうおそれがある。子どもが父母の意見不一致の時に一番の被害者になり、進学先等も決められないおそれがある」
「DV家庭において離婚を躊躇し、さらにDV被害者(多くは女性であるが男性の場合もある。及び、子どもたち)の心身への影響(被害)が深刻化すると考えられる。その状態が広く知られるようになっていくと、法律婚そのものがリスクとなるので、対等平等な関係を築くことができる関係性のカップルの中では事実婚が主流化していき、DVの加害者ー被害者の関係をベースにするカップルは法律婚を行うという二極分解が生じるのではないか。戸籍制度の形骸化にどこまでつながるかは、事実婚カップルが主流となるか、法律婚カップルが根強く残るかによるであろうが、いずれにしても法律婚がリスクという制度を新たに導入していくという政策は、国家の政策としては誤りではないだろうか」
「現在でも離婚に際して、親権や面会交流などでの対立があって裁判が長引く事例が多くあるので、さらに離婚するための労力が必要になり、女性に不利益になると思う。子どもにとっても負担が増える」
「共同親権下で、元配偶者に子の教育等に関する説明・報告を求められる負担、子の進路・医療などに口を出され、必要な時点で円滑に決められない等、同居親の負担だけが増える。特に元配偶者への執拗な怒りを抱くモンスター別居親から、同居親へ執拗な裁判攻撃(またはそのおどし)による支配が続く例が一層増える。DV虐待等があっても、離婚しても共同親権なら、結局支配が続くと予想されると、離婚に希望が抱けず、DV虐待が継続するケースが増える」
「離婚したいがゆえに共同親権に応じざるを得ないケースが増え、主に婚姻中支配されていた妻側に不利」
「これまで以上に細かな調査が必要となり調査官の労力が増える。裁判官の判断にばらつきがかなり出るため結果が予測しにくい。結果、上訴も増える。離婚後の紛争によって裁判所に持ち込まれる事件数が増加するが紛争ごとに調査が必要になる。協議離婚事案において安易に共同親権を選択した結果、離婚後の紛争が増える」
「特に子の居所指定が「共同決定」の対象となれば、加害者からの避難を前提に構築されている現在のDV及び虐待の保護が前提を欠くことになり、保護制度が崩壊する」
「権利ばかりを主張する親が増える」
「共同親権となった場合,重要事項決定のための協議の手間がかかり,意見対立や紛争が起き,子どもにとって適時適切な決定がされず不利益を受けるケースが出てくる」
「現在も、離婚後の嫌がらせ(post separation abuseという言葉がある)という問題がある。離婚は本意ではなかったが、暴力や暴言、浮気などで渋々離婚に応じさせられた、判決で離婚させられた、と離婚に恨みを抱いている当事者が、離婚後に何かにつけて嫌がらせをしてくるということは実務でよくみることである。例えば、子に「大学の学費を出してやってもいいが、それはお母さんも一緒に挨拶にくることが条件だ」といって、金とひきかえに元配偶者に接触しようとしたり、子の進学先に理不尽に介入したく、「○○大学に行くなんて絶対許さない、絶対△△大学に行け」と面会交流のたびにいうので子もイヤになったり、歯列矯正の費用を相談したら、「そんなものは大人になってから自分の金でやるものだ」と断ったり、そういうことをやる人達が、「共同親権者」として、同居親の選択への拒否権を持つことができるようになるのである。一番現実的に問題だと思うのは、居所指定への介入である。同居親が、再婚、親の介護、転職、実家に子育てを手伝ってほしいなどの理由で子連れで転居しようとしたら、別居親がそれに同意しないということがあるだろう。また、親権者も監護権者も決めないで協議離婚できるという定めもあるが、およそ机上の空論であるとしかいえない。子どもの保育園のお迎えに、離婚後の別居している父母が双方出向いて、どちらも「子どもを連れ帰る」と主張したらどういうことになるのだろうか?(早い者勝ちにしかならないのでは)離婚するのだから、関係性が悪くなっている父母だということが、絶望的なレベルで前提にされていない。関係性が悪い父母に、法律で共同意思決定を強制するなんて、およそ人間関係というものをわかっていないとしか思えない。紛争は色々な場面で増えるだろう。弁護士につながらない案件が圧倒的に多いだろうし、弁護士につながっても、弁護士としては、丁寧にやればやるほど身銭を削るような「安い」事件ばかりである。金銭は動かず、監護や親権に関わることだけの事件なんて、弁護士費用は最低値だろう。そういう事件を好んでやりたがる弁護士がどれだけいるだろうか。現実に、今、法テラス利用でDV案件を多く受けている弁護士達が、当事者の苦境を放置できず、そういう事件をやることになるだろう。そういうことをしてもいない弁護士がこの共同親権導入に賛成することには率直に怒りを覚える。どうみてもトラブルが増えることは目に見えており、そのフォローをするのは、もはや手弁当レベルでDV案件を多くやってきた弁護士だろう。そういう弁護士の意見を法制審議会もよく聞くべきだ。今は全く聞いておらず、机上の空論で空虚な理念をふりまわす家族法学者達が主導している」
「非常に混乱した社会になる」
「子の監護に関する事項の決定に時間がかかり、子の福祉を害する」
「現状よりさらに離婚関連事件の葛藤度が増す」
「高葛藤やDV虐待があるケースほど、離婚で解決できなくなる」
「もっと揉めると思う」
「離婚時の子をめぐる紛争が激化する」
「現状の親子断絶、脆弱な親子交流がさらに悪化しかねないと懸念している。主たる監護権者の地位を得るために、子の連れ去りがさらに横行するおそれがある」
「とにかく紛争が増えてしまう。子どもたち、親たちが安心して暮らすことができない状況が成人になるまで続いてしまう。子どもたちは親たちの自己肯定感を下げてしまうと、全人格的に影響し、子が成人した後もその影響が続いてしまう」
「しわ寄せがすべてこどもにいく」
「離婚後、父親のペアレンティングの意識」
「紛争の激化、長期化」
「今までも問題がなかった場合は変わらないが、DVなどで上手く行っていない場合、子どもや元妻をコントロールしようとする元夫が出てくると思う」
「子どもに悪影響のある親が、これまで以上に、子どものためと称して、離婚した元配偶者の生活に介入するようになるおそれがある」
「離婚してもいつまでも元配偶者からのストレスから完全には逃れられない人が増える」
「紛争が続く」
「離婚事件が増える」
「調査官調査が増える」
「混乱が広がる」
「同意権が悪用され、例えば「進学は別居親と同居の上で通う〇〇高校しか認めない。」といった交渉材料にされかねない」
「弁護士を入れずとも話合いで離婚できる(要するに、さほど対立が激しくない)夫婦は、共同親権の選択が増えると思われる。そのようなケースでは、子の福祉の増大に寄与し得る」
「成育環境が悪化する子どもが増える」
「離婚しようとする場合、別居に踏み切りにくくなる。精神的虐待など、明確な証拠を抑えにくい類型で、離婚が困難になる」
「別居親が強硬な姿勢に出てくる可能性あり」
「夫婦間紛争が子どもも巻き込んで一層激しくなり、それは財力のない女性・子どもにとっては地獄となる」
「紛争が激化して長期化する。家庭裁判所の事件処理が遅れる」
「子供と一緒に主に生活する親の心身及び経済的な負担が増え,結果として,子どもの生活レベルが下がる」
「共同親権という理念を主張し,自己の意見に従うよう強要する者が激増する」
「とにかく離婚さえできればという思いで共同親権に同意してトラブルになる案件が増える。理屈としては間違っていないだけに、共同親権を求められて拒むことは難しいし、モラハラやDVの案件ではなおさら」
「調停で共同親権を強硬に主張する者による調停の長期化、当事者の疲弊、共同親権をめぐる紛争の増加」
「家裁がパンクする」
「子を私物化しようとする母親に対し、それをチェックが出来るようになる」
「原則と例外が逆転して、単独親権が多くなり、現状とあまり変わらないと思われるが、離婚を急ぐ主に妻側が妥協して共同親権とするケースも増えると思われ、離婚後の紛争が増えて、共同親権から単独親権に変える調停が増えるのではないか」
「共同親権を求める父親が増える」
「父親側が必ず共同親権を求め離婚調停が長期化しそう」
「共同親権制度に積極的な意見として離婚後も両親が子どもの養育に関わり、子どもにとってパパもママも変わらず親として接してもらえるという考え方があるようだが、これは、現在の制度の下でも離婚後の父母の関係性や理性によって十分に実現出来ている例が多数であり、共同親権制度導入で飛躍的に変わるというものではないと考える。逆に、親権行使を巡る争いが起きたり親権変更を狙っての、相手方攻撃が増えたり、子どもの福祉に反するような親権に関する争いが増えて、子どもにとってよくない状況が増えるように思う」
「法律婚ではなく事実婚を選択する。子供を産まない」
「大きな変化はないと思われる」
「現在よりも離婚後長期間にわたり(長いスパンで)、家裁が離婚後の家族紛争に関与していくことになる。例として、親権で決着していたものが、以後は、共同親権者間の教育等をめぐる争いが家裁に持ち込まれる等」
「離婚後も,子をめぐって紛争が残る」
「DV虐待の継続、濫訴の頻発、それへの対応のため監護親と子の経済的苦境、家裁の機能停止」
「親権者の不毛な争いが減って、別れる大人の男女において、「共同で、成年するまでは親権者として育てないといけない」という認識も、少しは上がるのではないか。裁判所や受任弁護士における「法定養育費」に説明などについても、スムーズに行いやすくなり、調停成立がしやすくなって、子どもの健全な成長の観点からよいのではないか、と思料される」
「そもそも現在野放しとなっている協議離婚自体に何らのメスを入れないままにこのような法改正をつぎはぎすれば、法的正当性の根拠を有してしまった「笑うモラ夫」がそこら中にはびこるのだろう。そして、こういった「笑うモラ夫」からの被害者を守ろうとする弁護士が刑事告訴されたり慰謝料請求される可能性は高まるであろう」
「子どもの権利や意思を無視した、強硬的な共同親権が増える。結果として、子どもの権利や意思が制約される」
「DVの立証が困難な場合、監護親及び子は、離婚後も、共同親権を通じてDV加害親との関係の継続を強要されることになり、生命身体、生活の安全を脅かされる懸念が大きくなるという変化があると思う」
「調停が成立した後、問題が発生し、調停申立が繰り返される」
「親権行使について取り決めをせずに共同親権で離婚する件数が一定数発生し、DV・虐待が固定化される、監護をめぐる紛争が先送りされる事案が相当数発生する」
「考え方として、共同親権的な運用が拡がる」
「家事調停事件の混雑と滞留」
「離婚したのに配偶者と縁が切れず、特にDVの被害者はいつまでも加害者の支配下に置かれる状態になる。子も辛い立場に置かれるのが目に見えている」
「学校や病院が混乱する」
「現状から変化はない」
「子の福祉に反する」
「離婚を躊躇う人が増える。元妻へのつきまとい・嫌がらせが、共同親権という名の下に横行する」
「DV被害者は離婚の選択自体を控える可能性がある」
「共同親権を主張する父親側が激増すると予想する」
「協議離婚で、安易に共同親権を選んでしまうことが増えると思う」
「離婚を急くあまり、十分な検討をしないまま共同親権を選択する事例が多数発生する可能性がある。その結果、子どもの進学や医療行為などの重要事項について父母の意見が対立した場合、子どもが重大な不利益を被ることになる。またDV事案についてDVの立証が難しい場合に、DV被害者は離婚後も加害者からの関与に不安を抱え続けることになる」
「連携がうまくいかないために離婚するという夫婦が殆どだと思うので、離婚後の協議自体が困難で、離婚後も延々と父母が揉め、子どもが辛い思いをする事案が増えるのではないかと思っている」
「無駄に共同親権かどうかの争いが増える」
「立証が難しい精神的DV被害者は、今まで以上に離婚申立を躊躇うようになると思います」
「共同親権のトラブルが増えると思います」
「当初から共同親権に合意して協議離婚できるケースにおいては、法的に親権が担保された状態で早期離婚が成立するため、当事者及び子どもにとってよい変化が生じ得ると思う。他方、高葛藤事案においては、従来の親権者をどちらにするかの争点に加えて、共同か単独かという争点がもう1つ増えることになり、解決まで時間がかかりそうに思える
「DV・モラハラ男性による嫌がらせの増加」
「DV加害者が共同親権という名の支配権を持つことになるおそれがある(DVの本質は暴力ではなく支配である)」
「前述の通り、DV等の髙葛藤事案についての紛争性がさらに高まり、家庭裁判所が実態を的確に把握できない事案が多くなれば、DV等の被害者である同居親には、離婚後もくるしい状況が続くことになる危険がおおきくなることが危惧される」
「離婚後も、子供の親権を利用した支配から逃れることがより困難になる」
「これまで事実上親権をあきらめざるを得なかった配偶者が強固に共同親権とすべきであると主張して、離婚前の争いが長期化する。また、共同親権として離婚した場合監護者指定で揉める。非監護親が親権者であることを強調し、面会交流その他多くの面で、葛藤が続く事案が増える。結局、離婚前、離婚後の争いが現在よりも増えると思われる。面会交流の試行を促すことはこれまでもなされてきたが事実上監護親が応じなければ奏功しないことの方が多いため、改正により変化はないと思われる」
「離婚後、面会交流、子の監護など子どもを巡る状況、子どもの生活に著しい混乱をきたす」
「良くも悪くも大きな変化はないと予想する」
●弁護士実務への影響
「たたき台」どおりに法改正された場合、弁護士実務への影響については、以下の声が寄せられました。弁護士から寄せられたコメント全文を紹介します。
「元夫との連絡などで弁護士の仕事が増える」
「親権をめぐる争いや、進学だ医療だと言って争いになるので仕事は増えそうであるが、こんな気の毒なことでお金をもらいたくない」
「養育費の紛争が少なくなる」
「共同親権・法定養育費の支払いという条件での迅速な離婚が増えるかもしれない」
「リーガルハラスメントが増える」
「家庭裁判所はたちどころにパンクする。別居後にも紛争がたえず、弁護士に対する業務妨害はより一層エスカレートしていくと思われる」
「離婚後の高葛藤の父母の事件が増加した結果、高葛藤な依頼者は、弁護士のコントロールがきかない。現在、離婚事件について、相手方弁護士に対する業務妨害的な懲戒請求が増加していると思われるが、元依頼者による自弁に対する懲戒請求も増えるであろうと予測する」
「共同親権を求める事件が長期化する」
「面会交流調停の代理人に事実上面会交流立会義務が課される運用になると困る(弁護士が立ち会うべき事案では自発的に立ち会うようにしているが、すべての面会交流事件で立ち会わなければならなくなると話は別)」
「離婚後の紛争(親権だけの紛争)が増える」
「離婚のビジネス化がすすむ」
「非常に細かい案件が増加していく。法テラスも調停1件すれば実費も併せて15万円くらいの着手金を設定しているので、法テラス債務が増加する方も増え、償還は生計に影響を与えるでしょう」
「離婚後の元夫婦間の争いが増える。特に母子家庭は弁護士を頼むお金がなく不利になるため、家事事件を手掛ける弁護士がほぼボランティア状態で受任することになりそう」
「家裁がパンクする。弁護士に対する家事事件の相談・依頼が激増するが多くは法テラス案件と思われるため適切な法的支援を受けられない人や子どもが激増する」
「DVやモラハラ事案の加害者は弁護士を代理人につけず、共同親権制度ができたことを盾に、面会交流を強引に求めてくると考えられ、被害者と子どもがさらに疲弊し、加害者による被害者代理人弁護士への攻撃も激化するおそれがある」
「離婚前後の、子供のある高葛藤の夫婦を支える制度の創設が急務となると思います」
「裁判所に強く共同親権を勧められ、合意しなければ、勝手に共同親権にされてしまう。現在よりも更に、声が大きい方(支配側)の意見が通る(弱い側を説得する方が楽だから。)。被支配側を担当してきた弁護士たちが、救済できないことや事件担当後も支配側からの嫌がらせが増えることを悲観して、離婚事件から撤退し始める(そうすると、支配側の意見が通りやすくなり、悪循環になる)」
「家庭裁判所が機能しなくなり、実務の混乱、弊害が生じる」
「紛争が多発し、当事者の負担、特にひとり親の負担が増える。家庭裁判所がパンクし、家庭裁判所の判断が迅速適切になされなくなる。法テラスの利用が増大する」
「1、裁判所での試行面接が滞留して、事件審理期間が遅延する 2、共同親権を「選択」したけど、別居親の生活への介入が酷くて、単独親権への変更を求める審判が増える 3、共同親権下において、重要事項についての意見が分かれて裁判所に判断を求める審判が増える 4、法定養育費が支払われないことでの執行事件が増えると良いなぁ(今と同じでDV虐待お父さんに関わって欲しくないから泣き寝入りするので増えないと思うけど)」
「離婚についての相談が増えるし、もちろん紛争も増える」
「一時は、家庭裁判所への別居親からの申立が増えるであろうが、家庭裁判所が同居親と子どもの利益を適切に守ることのできる迅速かつ適切な判断を示すことができないであろうから(マンパワー的に)、結局、家裁は役に立たないということになり、最終的には共同することのできない家庭では、別居親の意見に従わざるを得ないという子どもが増えると考える。現状でも、別居親の方が収入が高く、親同士の離婚後であっても、別居親の顔色をうかがって生活することで大学進学費用を出してもらうという子どもはいるが、そのように不本意ながら別居親の機嫌を損ねないように振る舞わなければならない子どもが増える。これは子どもの権利条約が目指す状態とは相反する方向性であり、許容できないと考えている。前記Q4で述べた社会構造の変革とともに、加害者に対する「更生」アプローチが最低限必要であるが、そもそも人権尊重アプローチが学校教育に導入されていない中で、加害者親への「更生」アプローチは非常に困難であると思われる上、加害者「更生」プログラムを適切に担うことのできるDvの専門家が圧倒的に不足している。制度上も、導入が検討されておらず、子どもの苦しみが増えるばかりであると考える」
「裁判が長引く」
「調停などで、かなりの時間がかかる」
「これまで以上に細かな調査が必要となり調査官の労力が増える。裁判官の判断にばらつきがかなり出るため結果が予測しにくい。結果、上訴も増える。離婚後の紛争によって裁判所に持ち込まれる事件数が増加するが紛争ごとに調査が必要になる。事件解決までの時間が長期化し、また終局的な解決とならない事案が増える。離婚当事者にとっては経済的にも時間的にも負担が増える。子どもにとっても離婚後も紛争の渦中に置かれることになり、心理的な負担が増える」
「DVや虐待親による共同親権の主張で、被害者が苦しむ。監護に関する細かい取り決めがまとまらず離婚事件が長引く」
「DV被害者、虐待被害者の相談・依頼を受ける弁護士編への攻撃が一段と激しくなる。被害者の相談・依頼を受ける弁護士が減少する」
「親権者変更(共同から単独にする場合を含む)や重要事項決定をめぐる紛争が増える」
「家裁はパンクするだろうし、弁護士は、もともと安い家事事件、DV離婚案件をやっていた弁護士が、ますます安い費用で事件を引き受けざるを得なくなるのではないか。子の福祉は置いてきぼりである」
「非監護親が様々な権利を主張し,トラブルが続発すると思われる」
「現在の家庭裁判所のリソースでは、親権が決まらず、また、子の監護に関する事項の決定に時間がかかり、家裁の実務が機能しないと考えられる」
「家裁実務が上手くいかなくなる(判断の誤り、さらなる長期化)」
「PAS/PAなどを駆使して、DV虐待被害親子の訴えを抑制することが、手続きの課題になるだろう」
「事件が長期化するため、着手金は上げざるを得ないと思う。受け控えも増えると思う」
「共同親権の制度がある以上、依頼者の希望があれば本気度が低くてもとりあえず主張はしなければならなくなるので、手続きが長期化する。共同親権制度の説明を怠ると弁護過誤になりかねない」
「現状の親子断絶、脆弱な親子交流がさらに悪化するほか、監護権の実体を伴わない親権を条件に、別居親側にとって不利な条件での養育費の支払いや財産分与を強制されるおそれがある」
「弁護士の仕事は増えると思うが、本当に離婚により親や子の幸せを望んで関わってきた弁護士としては全く嬉しくない。一方で、それをビジネス化してしまう弁護士も増えるだろうが、それは非常に嘆かわしいと考える」
「裁判所を中心として現場が大いに混乱する。DV(特にわかりやすい身体的なものではないモラハラ案件)の加害者側からの共同親権を主張する圧力が増え、夫婦間で対等な離婚協議が今以上にできなくなると思う 実際は面会交流の幅が広がるくらいの影響ではないか」
「疲弊する」
「法定の養育費については、確実に回収する手段として機能すれば、子どもの生活にとって最低限の助けにはなると思う」
「共同親権の主張が基本になり現在の罹患調停や裁判の審理期間が長期化する。親権争いや重要な判断で意見が分かれた時の申立てが増えて家裁案件が増加する」
「離婚事件の争点が増えて長期化する」
「離婚事件が増える」
「共同親権を背景にした面会交流の強制が増えるので、弁護士として稼ぎどころと思う人らも出てくるだろう」
「離婚時間の多くは、扶助事件だと思うが、今より一層、扶助離れが起きる」
「簡潔が難しい案件が増える」
「離婚後の相談やストーカー規制法違反での相談が増加するおそれがある」
「弁護士に依頼せざるを得ないような対立した夫婦は、これまでの「父か母か」の親権争いが「共同か母か」に変わるだけであり、さほど変わらないと思われる。面会交流は、少しは促進されるように思う」
「監護者指定審判の増加」
「共同親権とする/しないことが交渉材料となる」
「単独親権と共同親権の主張が対立し、話合いがより困難になり、事件が長期化しやすくなることが予想される」
「関係者の無理解や誤解から混乱が生まれる」
「女性・子ども側での弁護活動が難しくなる」
「紛争が激化して長期化する。家庭裁判所の事件処理が遅れる」
「紛争場面が増え,弁護士や裁判所が関与すべき事案が増えるので,本来ならば司法予算を増やすべきと思われるが,増えないため破綻する」
「相手方が口を挟まないようにするため養育費を放棄するという昔あった現象が復活する」
「受任する弁護士の業務量と心労が増える。女性側の受任では法テラスの利用が殆どだが、費用が上がるとも思えず」
「家裁がパンクする」
「面会交流のハードルが格段に低くなり、子が、自由に父親や母親に会いに行けるようになる」
「単独親権にするかが争いになるケースが増えると思われる」
「共同親権の申立が増える可能性」
「弁護士が扱うような事案では、親権争いが増加して、子供が紛争に巻き込まれやすくなる
「結局、手続きに関与している弁護士の負担だけが、それに対応する報酬も無しに増えるだけではないか
「家裁がパンクすると思う
「多大な影響があると思う。DVや虐待がある場合等において親権行使を巡って新たな加害が起きることを、実務的に防ぐ為の攻防が繰り広げられることになると思う(防げなかったことを考えると暗澹たる気持ちになります)」
「離婚問題の解決が長引く。負担が重く法テラス基準で離婚を受任するのは困難」
「大きな変化はないと思われる」
「大幅な改正、しかも、日常生活に密接に関わる法改正であるため、弁護士に見通しを聞かれること等が増えると考える。しかし、弁護士においても、実際どのような運用になるか、どの程度実効性があるか、予測しづらいところがあり、このように改正されたということはいえても、それ以上の回答はしばらく難しいのではないかと感じている」
「離婚後も親権をめぐる争いが激化する」
「家裁が対応できない。どちらの親の判断が子にとり利益とどうやって判断するのか」
「現在の紛争が、単独親権か共同親権かに形を変えて争われるだけであり、根本的な解決になるとは思えない」
「経済の二極化の下、養育費の履行確保問題は残ると思うが、調停が成立しやすくなると思うので、よいのではないか」
「被害者側、弱い側に対応する弁護士が急激に増えるわけでもなかろう。他方で経済的に優位に立つ「笑うモラ夫」側につく弁護士は新産業形成のごとくに増大する可能性があるように思われる」
「離婚したくない当事者が、引き伸ばしのために使う。本当は、親権など要らないと思っている当事者でも、相手方への嫌がらせのために主張する」
「共同親権を勝ち取りたいという今までにはなかった不要な相談が増える」
「事件数が増えるのではないか。もっとも、特定の当事者間での事件数が増える(司法を利用したハラスメントが行われる)だけかもしれない」
「親権については結局は監護者についての争いに代わるだけではないかと思う。ただ共同親権のほうが親権を得られないよりは当事者にとってはましだと思う。子の福祉の観点からもそのほうが良い(親権者の交際相手による虐待などを阻止しやすいのではないか)」
「家庭裁判所が処理不全に陥るか、処理できるようにしか機能しないおそれがある。試行的面会交流をすべきでない事情があるのに、強く促されるようになるおそれがある」
「非監護親が長期間子どもに会えない事例が減る 共同親権で共同監護となった場合に養育費の算定はどうするのか、混乱が生じると思われる」