夏休みに子どもを楽しませようと「スイカ割り」をしようと考えている家庭も多そうですが、トラブルの種になることもあるようです。「家の前の道路でスイカ割りをしないで」との相談が弁護士ドットコムに寄せられました。
相談者の近所に引っ越してきた家族が、袋小路になっている公道で始めたそうです。宅配や近隣住民の車が一定の頻度で通る道路のため、遊んでいると危険も伴います。相談者は「自分の敷地かのような振る舞いをやめさせたい」といいます。
公道上でスイカ割りをすることには、どんな法的問題があるのでしょうか。大和幸四郎弁護士に聞きました。
●道交法違反になるおそれ「警察に注意してもらうのが良い」
——公道ならスイカ割りをしても問題ないのでしょうか。
道路交通法は、道路における禁止行為として、「何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない」と定めています(76条3項)。
袋小路とはいえ公道(道交法上の道路)でスイカを置いて割ることになるでしょうから、道交法違反になると考えます。
公道上でのスイカ割りは、宅配や近隣住民の車の通行の妨げになるだけでなく、スイカ割りをしている本人たちも交通事故に遭う可能性があり危険です。
——スイカ割りをやめさせようと直接注意していいのでしょうか。
直接の注意は控えた方が良いかもしれません。
本人たちが人に迷惑かける行為であるとは思っていないおそれがあるからです。直接注意してくる人に対して反感を持つだけではなく、注意されたことを根に持ち、誹謗中傷など悪質な嫌がらせに発展するケースもあると思います。近所に住んでいる場合は、なおさら慎重に対応すべきです。
——直接の注意を控えるとして、どう対応すべきでしょうか。
警察から注意してもらうのが効果的だと考えます。警察から道交法違反を指摘され注意を受ければ、さすがにスイカ割りをやめると思います。
ただ、警察に連絡・通報したことを知られると逆恨みされるおそれがあるので、警察に通報する際、「匿名でお願いします」と伝えるなど相手方に自分たちが連絡・通報したことを知られないようにした方が良いでしょう。
道路は人や車が通る場所です。スイカ割りやバーベキューなど道路ですれば人の迷惑になる行為はやめてほしいと思います。
せっかく4年ぶりに行動制限のないノーマスクの夏が来たのですから、人に迷惑をかけずに楽しく過ごしてもらいたいと思います。