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法廷録音、制裁裁判の過料3万円が確定 中道弁護士「せめて裁判所の録音を聞かせて」
最高裁判所(2022年、弁護士ドットコムニュース撮影)

法廷録音、制裁裁判の過料3万円が確定 中道弁護士「せめて裁判所の録音を聞かせて」

大阪地裁で5月、裁判を録音しようとした中道一政弁護士に3万円の過料を命じた制裁裁判について、最高裁判所第3小法廷(宇賀克也裁判長)は7月10日付で特別抗告を退けた。決定が確定する。

「法廷等の秩序維持に関する法律」に基づく制裁裁判で、弁護人が対象となったのは1985年以来の異例の事態だった。

中道弁護士は「具体的な理由への言及はなく、法廷録音についての見解を得られなかった。でも公正な訴訟記録を求め続けます。負けへんでという気持ち」と話している。

●2度の退廷命令、手錠かけられても…

中道弁護士は、ストーカー規制法違反の罪に問われた女性被告人の要望を受け、記録の正確を期するために初公判からICレコーダーによる法廷録音を要望してきた。

岩﨑邦生裁判官は一貫して認めず、5月30日の公判で退廷を命令。応じなかった中道弁護士に対し、法廷の秩序を乱したとして手錠をかけた上で退廷させ、制裁裁判に付した。

女性は保釈されているものの、その後の公判でも再び弁護人に退廷命令が出されるなどした影響で、期日は罪状認否から進んでいない。中道氏は6月26日付で大阪地裁宛てに録音ではない妥協案を提示。録音ができないならば、裁判所の録音データを開示してほしいと要求している。

被告人の女性は、検察や警察の取り調べ調書に疑問を抱いており、録音の必要性を訴える中道弁護士に共感し、私選弁護人として依頼しているという。

「訴訟記録の公正さは、客観的に検証する手段があるという点にこそ求められるべきものと考えています。せめて裁判所の録音を聞かせていただく措置を望みます」(中道弁護士)

国家賠償請求については「検討の余地はあるが、まずは裁判所による録音開示がされるか否かを見たい」と述べるにとどめた。

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