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法テラス改革「償還制から給付制に」、日弁連会長が意気込み 新制度は前倒しの可能性も
挨拶する小林会長(2023年2月17日、弁護士会館)

法テラス改革「償還制から給付制に」、日弁連会長が意気込み 新制度は前倒しの可能性も

法律扶助について考える日弁連主催のシンポジウム「真のリーガル・エイドを実現するために 司法のセーフティネットをもっと使いやすく!」が2月16日に開催された。

日弁連の小林元治会長は冒頭の挨拶で、海外の民事法律扶助は給付制が取られていることが多いとして、「リーガルローン(償還制)をリーガルエイド(給付制)にできるよう頑張っていきたい」と語った。

●法テラス新制度に「弁護士にとっても前進」

日弁連は、2022年6月から法務省や法テラスとの三者で、民事法律扶助をめぐる諸課題についての勉強会を実施してきた。

その結果、ひとり親世帯の民事法律扶助をめぐっては、離婚等関連事件において、中学生以下の子どもを育てているひとり親は、一律で資力回復困難要件を満たすとされるなど、償還免除の範囲拡大などが実現する見込み。

この点について、小林会長は「子どもを抱えながら仕事をされている方にとっては大変な福音になる」。

また、離婚事件ではこれまで、弁護士が養育費などから報酬を取り立てなければならず、あまり気の毒だとして報酬を放棄することも珍しくなかったという。

新制度では法テラスが弁護士報酬のうち相当額を立て替えて支払うことになり、「弁護士にとっても前進」とも語った。

民事法律扶助の改革に向けた動きについては、「執行部の最重要課題の一つとして位置づけて取り組んできた」といい、3月の日弁連臨時総会では、利用者負担の見直しや対象事件の拡大、弁護士報酬の適正化を求める決議案が審議される。

●2023年度スタートの可能性も

シンポジウムには、自民党の「国民とともに民事司法改革を推進する議員連盟」(世耕弘成会長)から、事務局長の三宅伸吾議員(参院)が出席し、この日おこなった岸田文雄首相への申し入れの結果を報告した。

当初、償還免除範囲の拡大などは2024年度のスタートが予定されていたが、2023年度の早い時期への前倒しに前向きな姿勢が示されたという。

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