ツイッターの投稿で名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの伊藤詩織さんが大澤昇平さん(元東京大学大学院特任准教授)を相手取り、慰謝料など110万円の支払いと投稿削除を求めた訴訟の判決が7月6日、東京地裁であった。
藤澤裕介裁判長は、大澤さんに33万円(弁護士費用3万円)の支払いと投稿の削除を命じた。判決後、大澤さんは自身のツイッターで「勝ったので控訴はしません」と投稿した。
判決を受け、伊藤さんは「こちらの主張のすべてを認めていただいたことについては満足しています」とコメントした。
●伊藤さんコメント全文
私が受けた性被害のトラウマは、年月が経っても日常を容赦なく揺るがす経験でした。そんな中、少しでも前を向き、生きようと日々、歩みを進めています。
誹謗中傷はそんな私の足を止め、先に進むことを、存在することを否定するようなものばかりでした。この暴力的、否定的な言葉は私個人だけではなく、同じような経験をした人も同様に傷つけ、声を奪います。
最初の会見でもお伝えしたように、この訴訟を提起した目的は、こんな思いを他の人には経験してほしくないからです。次の世代に引き継いでいってほしくない、私たちの世代で終わりにしたい、ということでした。
今回、誹謗中傷に関する初めての判決言い渡しがあり、こちらの主張のすべてを認めていただいたことについては満足しています。
支えてくださった皆さまに心からお礼を申し上げます。
この判決が、ネットの誹謗中傷を無くすための一助になることを心から願っています。