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鬼殺隊も泣いてるぞ! 「鬼滅の刃」の特典シールだけゲット→お菓子はゴミ箱へ…
様々な企業とのコラボで鬼滅グッズはうまれている(2020年11月16日、弁護士ドットコムニュース撮影、https://www.bandai.co.jp/candy/products/2020/4549660503620000.html )

鬼殺隊も泣いてるぞ! 「鬼滅の刃」の特典シールだけゲット→お菓子はゴミ箱へ…

社会現象と呼べるほど人気となっている「鬼滅の刃」。グッズやコラボ商品がいずれもヒットする中、「鬼滅の刃ディフォルメシール ウエハース」の無残に捨てられた写真が話題となっている。

「鬼滅の刃ディフォルメシール ウエハース」には、デフォルメされたキャラクターの描かれたシールがお菓子とともに包装されている。コンビニでバイトしているという投稿者は、ゴミ箱に投げ捨てられたお菓子について、「シールだけ抜き取ってお菓子は食べずに全部棄てられた」としている。

おまけや特典目当てでお菓子を買い、お菓子そのものは食べずに捨ててしまうというケースは、食べ物を粗末にする行為として、ビックリマンチョコやプロ野球チップスなどでも社会問題となった。

一般的に、特典目当てで購入した食品を捨てるという行為に問題はないのだろうか。西口竜司弁護士に聞いた。

●モラル的によくないとしても、法的な責任を問うのは難しい

――これまでに社会問題になることもあった現象が再び起きました。

「以前からこの種の問題は生じておりますが、まずは、モラルの問題として、このようなことはよろしくないと申し上げておきたいと思います」

――お菓子が泣いていますよね…法的にはどうでしょうか。

特典目当てで購入した食品を食べずに捨てる行為が、ただちに法的に問題となるとは言い難いです。

しかしながら、行き過ぎたゴミの捨て方をしたような場合、ケースによっては、コンビニなどゴミ箱を設置する管理者との関係で、不法行為になる可能性は否定できません。

コンビニなどの管理者は、大量のごみ投棄行為により余分に人手が必要になったり、見た目が悪くなりお客さんが減少したりしてしまうということも考えられるからです。

ただし、不法行為が成立するというのは、余程の場合だと思います。また、損害賠償が可能としても、「誰を相手に、いくら請求できるのか」という点を確定するのは、困難なのではないかと思われます。

●場所によっては、廃棄物処理法違反になる可能性

――コンビニのゴミ箱にその場で買ったお菓子を捨てても、法的な問題になることはあまり想定できないということですね。

ただし、場所によってはお菓子を捨てる行為が問題となる可能性があります。

過去に、人気声優のライブチケットの応募券つきのポテトチップス1000袋(200kg)を、応募券だけ切り取って雑木林などに捨てた男性が、廃棄物処理法違反容疑で逮捕される事件がありました。

今回のケースでも、シールを全て手に入れようと大量にお菓子を購入して、道端に投棄するようなことがあれば、不法投棄で刑事処分の対象になる可能性もあるでしょう。

「鬼滅の刃」ファンであるからこそ、モラルに反した行動をしないことが大切です。モラルを守って楽しむようにしてください。

プロフィール

西口 竜司
西口 竜司(にしぐち りゅうじ)弁護士 神戸マリン綜合法律事務所
大阪府出身。法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士をめざし多方面で活躍中。予備校での講師活動や執筆を通じての未来の法律家の育成や一般の方にわかりやすい法律セミナー等を行っている。SASUKE2015本戦にも参戦した。弁護士YouTuberとしても活動を開始している。今年からXリーグにも復帰した。

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