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ディズニーランドで「自撮り棒」が子どもの顔にあたりケガ…法的責任は?
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ディズニーランドで「自撮り棒」が子どもの顔にあたりケガ…法的責任は?

ディズニーランドで、女子高生グループが持っていた「セルカ棒」(自撮り棒)が子どもの顔に当たってケガーー。あごを擦りむいている子どもの写真とともに投稿された母親のツイートが話題となった。

投稿者によると、ランド内を移動中、女子高生グループのひとりが持っていたセルカ棒が、子どもの顔に当たり、転んであごを擦りむく怪我をしたという。「大人の手の位置は子供の目線の高さだと言う事を少しでいいので覚えておいてください」と、セルカ棒の危険性を訴えていた。

そもそもディズニーランドは、園内のルールとしてセルカ棒の持ち込みを禁止しているが、相手に怪我をさせてしまった場合、法的にどんな問題になるのか。中村憲昭弁護士に聞いた。

●実際に処罰される可能性は低い、ただし民事上の責任を負う可能性も

「セルカ棒、最近流行っていますね。私もスノーボードの時に愛用しています。

以前は、横に持ったカサで子どもがケガをしたという事例について解説しましたが、その場合と同様、セルカ棒も、扱い方によっては他人を傷つける場合があります。セルカ棒を所持していて、不注意で他人を傷つけてしまった場合、法的な責任が生じます」

中村弁護士はこのように述べる。どんな責任が考えられるのか。

「まず刑事責任としては、過失傷害罪が成立する可能性があります。

一般人からみて、ディズニーランドのような混雑する場所では、他の歩行者に注意して自分の持ち物を扱う注意義務があるといえるでしょう。そのような場所でセルカ棒を伸ばして持っていれば、周囲に人に当たることは容易に想像出来ます。

そのため、今回のケースでも、ケガをさせた女子高生の行為は、過失障害の罪に該当する可能性があります。

もっとも、過失傷害は、法定刑が罰金(30万円以下)か、科料(1000円~9999円)という軽い罪です。実際に処罰される可能性は低いのではないでしょうか。

とはいえ、刑事処罰を受けなかったとしても、民事で損害賠償責任を負う可能性もあります。その場合、注意義務違反によって生じた損害を賠償しなければなりません。具体的には、治療費だけでなく、慰謝料の支払が必要な場合もあります。

金銭賠償を求められなかったとしても、人に怪我をさせたり、させられたりという事故が生じると、せっかくのディズニーランドでの楽しみも台なしです。

全てのルールを守れとまでは言いませんが、人に迷惑をかけないよう十分注意して楽しみましょう」

中村弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

中村 憲昭
中村 憲昭(なかむら のりあき)弁護士 中村憲昭法律事務所
離婚・相続、交通事故など個人事件と、組織が万全でない中小企業を対象に活動する弁護士。裁判員裁判をはじめ刑事事件も多数。その他医療訴訟や建築紛争など専門的知識を要する分野も積極的に扱う。

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