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2015年11月09日 10時18分

「過払い金を返せ!」芸人まちゃまちゃ「消費者金融会社」を提訴へーー裁判の行方は?

「過払い金を返せ!」芸人まちゃまちゃ「消費者金融会社」を提訴へーー裁判の行方は?
写真はイメージです

お笑い芸人のまちゃまちゃさんが10月下旬に放送されたテレビ番組「私の何がイケないの?」(TBS系列)で、過去の借金地獄について告白した。まちゃまちゃさんは、すでに借金を全額返済したが、2つの消費者金融会社に対する「過払い金」が120万円以上あるため、その分の返金を求めて裁判でたたかうという。

報道によると、まちゃまちゃさんの借金総額は、2社あわせて160万円だった。芸人としてブレークして、全額返済することができたが、支払った金額は合計325万円以上に達した。利息だけでも165万円以上を支払っていた計算になるそうだ。

2006年の最高裁判決によって、「過払い金」の返還を消費者金融の業者に請求できるようになったが、まちゃまちゃさんは全額を返金してもらえるのだろうか。過払い金の問題にくわしい山川典孝弁護士に聞いた。

●「グレーゾーン金利」で貸し付けがおこなわれていた

「そもそも『過払い金』とは、過去に支払い過ぎた金利のことをいいます。なぜ戻ってくるのかは、ある法律の解釈によります」

山川弁護士はこう切り出した。法律上、金利はどのように定められているのだろうか。

「まず、基本となる利息制限法では、利息の上限は次のように定められています。

10万円未満/20%(借入金額/利息制限法の金利)

10万円以上100万円未満/18%

100万円以上/15%

たとえば、貸金業者が借り手に50万円を貸した場合、金利は18%以下でなければなりません。仮に、この金利を超えた場合、原則として超過部分は『違法・無効』となります。

ただし、利息制限法には、刑事罰が規定されておらず、仮にこの金利を超えても罰則を課されることはありません。

一方、出資法では、もともと『年29.2%』を超える利息について、刑事罰を課しておりました(現在は年20%)。

つまり、利息制限法の金利以上で出資法の金利以下の場合、違法・無効ではあるが刑事罰はないという状態でした。世間では『グレーゾーン金利』と呼ばれています。消費者金融などの貸金業者は過去に、ほとんどこのグレーゾーン金利で貸し付けており、結果として莫大な利益をあげていました」

●最高裁判決により「過払い金」の返還請求が可能になった

つまり、グレーゾーン金利は「合法だった」ということだろうか。

「グレーゾーン金利は、貸金業法に別の定めがあって、一定の要件を備えた場合、このグレーゾーン金利による貸し付けも有効としていたのです。

これを『みなし弁済』といいます。貸金業者は、『みなし弁済』の要件は具備していると考えて、グレーゾーン金利で貸し付けていたのです。

ところが、2006年の最高裁判決で、この『みなし弁済』の要件を非常に厳しく捉える判断がなされました。そして、ほとんどの取引において、『みなし弁済』の要件を満たさない結果となったのです。

結果として、過去のグレーゾーン金利の取引は、さかのぼって無効となり、法的には『不当利得返還請求権』というかたちで『過払い金』の返還を求めることができるようになったのです」

●100%の回収も不可能ではないが・・・

実際のところ、「過払い金」はすべて戻ってくるのだろうか。

「過払い金がすべて戻ってくるか否かについては、(1)交渉段階か裁判段階かという観点と(2)貸金業者がどういう業者かという観点があります。

(1)については、交渉段階か、裁判まで進んでいるのかによって、業者の対応が変わることが多いです。まず、交渉段階では100%戻ってくることはほぼありません。経験からすると、多くても80~90%です。平均すると50~70%くらいかと思います。

一方で、取引の内容にもよりますが、裁判を起こせば、100%の回収も不可能ではありません。

ただし、通常の業者は判決までいけば、判決通り支払ってきますが、中小業者の場合は、判決が出ても返還してこないことがあります。その場合、強制執行する必要がありますが、これが難しいことが多々あります。

(2)については、どういう業者かによって返還割合は変わってきます。大手の貸金業者であれば、最終的に80~100%の回収が期待できますが、中小の貸金業者の場合は10%未満ということもめずらしくありません」

まちゃまちゃさんのケースでは、どうだろうか。

「計算した結果、過払い金が120万円になるということであれば、裁判をすれば、その金額が認められる可能性が高いです。

もっとも、もし仮に、途中で空白期間があるとか、一度解約しているといった事情があると、全額認められないこともあるので、取引内容がどのようなものか、慎重に検討したうえで、裁判を進めるのが良いと思います」

山川弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

山川 典孝弁護士
取扱業務:後見関連業務のほか、債務整理(任意整理、自己破産、個人再生)、労働問題(残業代、不当解雇、パワハラ)、債権回収、交通事故、立退き、消費者問題、行政訴訟、離婚、遺産分割、遺言、刑事など幅広く取り扱っております。
所在エリア:
  1. 東京
  2. 新宿
事務所名:山川法律事務所
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