- 窃盗・万引き
同種前科がある窃盗事件で、検察官の実刑求刑に対し執行猶予判決を獲得した事例
相談前の状況
依頼者には過去に同種の窃盗前科があり、今回は再犯かつ複数の余罪があったことから、実刑判決となる可能性が極めて高い状況でした。
実際に、公判では検察官から実刑が求刑されました。
解決への流れ
まず複数の余罪については起訴前に示談交渉を進め、その大半につき不起訴を獲得しましたが、内1件が起訴されてしまいました。
起訴後は直ちに保釈請求を行い、勤務先や家族を身元引受人とする監督体制を整えたうえで、想定している情状弁護が身柄拘束中であると実施することができないため、身体拘束による防御の準備上の不利益が極めて大きいことを強く訴えかけました。
そして、検察官からは厳しい反対意見がなされたものの、起訴からわずか4日で保釈による身柄の釈放を実現しました。
保釈期間中は、単に判決を待つのではなく、再犯防止に向けた具体的な環境づくりを進めました。依頼者に精神科や更生プログラムの受診を促し、犯行の背景に精神疾患が影響していたこと、そして継続的な治療により再犯リスクを下げられることを示す医師の治療計画書等を証拠として裁判所に提出しました。あわせて、公判では身元引受人である上司の情状証人尋問を実施し、職場復帰後の具体的な監督体制と継続雇用の意思を立証しました。また、被告人質問は長い時間を設け、被告人の実直な人柄が裁判所に伝わるよう努めました。
その結果、検察官の実刑を求める旨の求刑に対し、保護観察付きの執行猶予判決を獲得することができ、依頼者は刑務所に行くことなく社会内で更生の道を歩むことができることになりました。
野呂 康貴 弁護士からのコメント
同種前科のある再犯事案では、実刑判決となる可能性が高く、「反省しています」と述べるだけでは裁判所を説得することはできません。本件では、①早期の保釈による社会生活の維持、②犯行の原因を医学的に分析し治療につなげる客観的な再犯防止策、③身元引受人による具体的な監督体制の構築という3つを柱に、「なぜ今回は再犯しないといえるのか」を証拠によって示したこと、加えて被告人質問において被告人の実直な人柄を裁判所に伝えることができ、執行猶予判決につながりました。
前科がある事件でも、早期に適切な弁護活動を行うことで結果が大きく変わる可能性があります。ご本人やご家族が逮捕された場合は、できる限り早くご相談ください。
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