不動産・建築の解決事例
  • 建物明け渡し・立ち退き
  • 借地権

地代を支払わない長年の借地人の建物の取り壊し(建物収去土地明渡)

この事例の依頼主 年齢・性別 非公開

相談前の状況 (実際の事例を少し変えています。)
 依頼者は地主。長年の借地人Aがおり、Aはそこに自宅を建てて住んでいた。
 あるとき、AはBに自宅を売却し、それ以降、Bが地代を支払うようになった。
 ところが、その後、売却代金の支払を巡ってAB間でトラブルになったらしく、Bが地代を支払わなくなってしまった。
 地主が事情を聴いたところ、Aは「Bが現在の借地人(借地権者)であるから、自分には地代支払い義務はない。」と主張し、Bは「Aが現在の借地人(借地権者)であるから、自分には地代支払い義務はない。」と主張して、どちらも地代を支払おうとしなかった。

解決への流れ  私が事実関係を整理したところ、借地権は現在でもAにある(現在の借地人はAである)と考えるの最も適切と思われたので、Aを被告として訴訟(建物収去土地明渡請求訴訟)を提起した。
 Bに対しては、念のため、「訴訟告知」を行った。
 Aが全面的に争ってきたため、2年間にわたり戦った結果、当方の主張が認められ、地主勝訴の判決が下された。
 地主は、勝訴判決に基づき、強制執行(建物収去土地明渡)を実施した。そして、Aの建物の取り壊し工事を行い、土地を更地にして、これを取り戻すことができた。

多田 幸生 弁護士 多田 幸生 弁護士からのコメント  不動産の明渡訴訟には、「建物明渡」請求訴訟と「建物収去土地明渡」請求訴訟があります。

 「建物明渡」請求訴訟は、例えば賃貸アパートの賃料不払いを理由として、アパートの一室など「建物」の明け渡しを求める訴訟です。
 俗に「建て明け」とも言われます。件数はとても多いです。

 他方、「建物収去土地明渡」請求訴訟は、上に書いた事例のように、「建物」を取り壊して、「土地」を明け渡すよう求める、という訴訟です。
 件数は少なく、不動産を専門に取り扱っている弁護士でも、5年に1件あれば多い方です。
 「建て明け」と異なり、建物の取り壊し工事を行わなければならない(当然、工事の管理、廃材の処理、自治体への届出等も必要になります。)点が特殊であり、明け渡しの実現のために要する労力は「建て明け」の比ではありません。

 建物収去土地明渡請求訴訟の最大のメリット(利点)は、「それまで貸地だった土地が、更地になって返ってくる」という点です。資産価値は飛躍的に上がります。標準的な土地(借地権割合70%)であれば、資産価値は3.3倍(=100÷30)になります。
 さはさりながら、上に書いたように、容易な手続では全くありません。弁護士にご相談されるのがよいと思います。

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