依頼を受けるのは「解決できる見通しがあるから」ではなく「そこに困っている人がいるから」
自衛隊員から目指した司法試験
ーー先生が弁護士を目指した理由を教えてください。
弁護士を目指す前は海上自衛隊員をしていました。高校卒業後の進路について悩んでいたとき、たまたま自衛隊の広報の方に「自衛隊に入らないか」と誘われたことがきっかけです。体力には自信があったので、すぐに入隊することを決めました。
自衛隊での生活は厳しいものでしたが、もともとチャレンジすることが好きな性格だったので苦ではありませんでした。しかし、組織の中で上を目指していくことに限界を感じるようになり、別の道を模索するようになりました。そんなときに思い出したのが、幼いころに弁護士のおかげで家族が救われた思い出でした。
幼い頃、私の実家は貧しく、家族は借金取りにおびえて精神的に追い詰められた日々を送っていました。そんなときに弁護士が自己破産の手続きをしてくれて、生活は一気に楽になったんです。
そのことを思い出したとき、「私たちが助けてもらったように、弁護士になって困っている人を救いたい」という思いが湧いてきたんです。司法試験が非常に難関な試験ということは知っていましたが、先程も述べたとおりもともとチャレンジが好きな性格なので、思い切って弁護士を目指してみようと決意しました。
ーーどんな学生生活でしたか
高校生の頃は実家の家計を支えるために飲食店でアルバイトをしていました。皿洗いから始めましたが、高校を卒業する頃には、ホールもキッチンも一通りできるようになっていました。
自衛隊を辞めた後は、大卒の資格をとるために通信制の大学法学部に通いながら司法試験の勉強を続けました。大学卒業後、いったんは司法試験の勉強から離れた時期もありましたが、ロースクール制度ができると知って、ロースクールに進学することを決意しました。
ロースクールでの学生生活は本当に楽しかったですね。友達と一緒に勉強したり、放課後はご飯を食べに行ったり、高校生はバイトに明け暮れ、普通の大学生活を知らなかった私にとって、そんな些細なこともすごく楽しかったんです。幸い、新司法試験には一発で合格することができました。
「依頼者の思いに全力で応えたい」
ーー現在、注力されている分野について教えてください。
特に分野を絞って注力しているわけではありませんが、多く受けているのは被害者側の交通事故案件です。その他にも一般民事に関するさまざまな相談が寄せられます。刑事事件も扱っています。
ーー弁護士としてやりがいを感じるのはどんなときでしょうか。
交通事故案件を例に挙げると、被害者を安心させてあげたと感じるときでしょうか。
交通事故の被害者は、不利な条件で示談に応じてしまうことが少なくありません。当然、交通事故に関する知識を持たない人が大半なので、保険会社に言われるがまま不利な条件で示談してしまうことがあります。弁護士が代理人として間に入れば、被害者にとって有利な条件を引き出すことができます。
ーー弁護士として活動するなかで、心がけていることはありますか。
自分と関わった人たちみんなに幸せになってもらいたいという思いがあります。そのために何ができるかを常に考えています。例えば、法律相談に来てくれた人が「何を求めているのか」について、よく観察するようにしています。そして、その思いに応えられるよう全力で努力します。
ーー印象的だったエピソードはありますか。
刑事事件で、警察から「絶対に保釈は認められない」と言われていた被疑者を解放できたことです。被疑者は、隣に住んでいた異性にストーカー行為をしたという容疑で逮捕・勾留されていました。
「保釈すれば被害者に近づくおそれがあるから、絶対に出すことはできない」と警察から伝えられていました。
「被疑者が被害者に接触するおそれが少なくなれば保釈が認められる可能性があるのではないか」。私はそう考えて、被疑者を、もといた住居とは遠く離れた場所に引っ越しさせました。住んでいた部屋を引き払い新しい家を契約した証拠を用意して、被害者に近づく恐れがないことを主張し、勾留されていた被疑者を解放することができました。
周りからどんなに無理だと言われても、私は絶対に諦めません。私が諦めてしまえば、もう助けることができなくなってしまう。そんな思いであらゆる角度から解決策を探っています。
ーープライベートについてお聞きします。先生はどのように休日を過ごしていますか。
弁護士会の野球部に所属しているので、毎週土曜日は野球の練習をしています。ポジションは外野です。弁護士会の野球部は、どのチームもかなり真剣に取り組んでいるんです。元甲子園球児の弁護士もいたりします。
私が所属している京都府弁護士会の野球部も全国弁護士会野球大会で優勝したこともあります。今後、世界中の弁護士たちの野球チームと対戦する「ワールドカップ」案も出ているので、ぜひ実現してほしいと思います。
ゴルフも大好きなので、日曜日はゴルフをしていることが多いです。土曜日は野球、日曜日はゴルフ、というサイクルで過ごしています。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
今後もこれまで通り、どんな内容の相談でも積極的に受けていきたいと思っています。「解決できる見通しがある」から受けるのではなく「そこに困っている人がいる」から受ける。この信条を忘れずに、依頼者を助けるために弁護士として全力で働こうと思っています。
また、事務所の規模をもう少し大きくしていきたいと考えています。複数の弁護士がお互いに切磋琢磨し合うことで、より良いリーガルサービスを提供できるのではないかと考えています。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる人に、メッセージをお願いします。
とにかく、気軽に相談しに来てほしいです。悩みを弁護士に伝えるだけで楽になれる部分もあるはずです。
また、悩みはすぐに相談に来てほしいです。「もっと早く来てくれていたら、良い方法があったのに」というケースも少なくないんです。弁護士に相談することは敷居が高いと思われがちですが、そんなことはありません。ぜひ、一刻も早く相談に来てください。