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2018年04月11日 10時02分

「公益認定取り消せ」問題噴出の日本相撲協会、収入100億円超で法人税等わずか15万円

「公益認定取り消せ」問題噴出の日本相撲協会、収入100億円超で法人税等わずか15万円
写真はイメージです(denkei / PIXTA)

度重なる暴行問題などの不祥事に加え、女性差別ともとれる「伝統」が問題視される日本相撲協会。実は、公益財団法人として国に認定されており、税制上の大きな優遇措置を受けている。一連の問題を受け、TwitterなどSNS上では「公益と名乗るのはやめるべきだ」「公益認定はおかしい」などと批判する声が出ている。

公益財団法人は、学術や公衆衛生、スポーツなど公益目的事業を行う一般財団法人のうち、行政庁(内閣府または都道府県)から公益認定を受けることで、公益財団法人として税制上の優遇措置を受けられる。

具体的には、公益目的事業の法人税が非課税になり、利子や配当など利益の分配を受ける場合に所得税が課されないなどの優遇措置となっている。

●「相撲」は公益目的事業

これを日本相撲協会にあてはめると、最もメインとなる相撲巡業が公益目的事業。事業計画の公益目的事業の欄には次のような記載がある。

「『相撲文化の普及振興』を事業の内容とし、相撲競技の公開、それを担う人材の育成、青少年・学生等への指導普及、相撲記録の保存及び活用を通じ、相撲文化の普及振興と国民の心身の向上を目指します」

次に「決算のご報告」(2016年度)に目を向けると、事業収益114億7546万円の内訳は、ほとんどが相撲事業収益(102億3094万円)。続いて、大きく離れて貸館事業収益が8億1920万円だった。一方、支払った法人税等はわずか15万1400円にとどまっていた。2015年度の「決算のご報告」も中身は似ていて、法人税等は同じ15万1400円となっていた。

●認定取り消し、多くが法人側からの申請

公益財団法人として、たいへん大きな税制上のメリットを受けながら、問題が絶えず起きている相撲協会。世間の風当たりは強いが、公益認定を今後取り消される可能性はないのか。

内閣府の公益認定等委員会事務局の担当者は、「あくまで認定法の基準に該当するかどうかで判断している」と話す。(認定法とは、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の略称)

これまでに8法人が公益認定を取り消されたが、ほとんどが書類作成などの事務負担を嫌った法人側から「認定を取り消したい」と申請があったことによるものだという。つまり、日本相撲協会が公益目的事業である相撲を継続し、取り消し申請を自らしない限りは、認定取り消しは考えにくいようだ。

●税金優遇の批判、一理ある

公益財団法人が受ける税制上のメリットについて李顕史税理士に聞いた。

ーー日本相撲協会が受ける税制上のメリットはとても大きいと感じます

「公益財団法人は収益事業を行っていても、その収益事業が公益目的の事業と認定されている場合には、法人税が課税されません。

相撲協会の場合は、年に6回開催される本場所の他、地方での巡業が興行業にあたり、法人税が免除されていると考えられます。相撲協会が公開している決算書をみると、主な収益は『相撲事業収益』で、収入の約85%を占めています。一方で税引前の純利益(正確には税引前当期一般正味財産増減額と言います)は約6億3900万円です。

普通の株式会社なら税金は、概算で2億3500万円です。人によって感覚は異なるとは思いますが、税金が優遇されているという批判は一理あると思います」

ーー公益財団法人であり続けることの負担はあるのでしょうか

「公益財団法人は厳格な要件のもと認められているわけですから、事業報告など各種書類を作成し、提出する必要があります。この書類が膨大で、書類ごとの金額が整合しているかなどを見られるので、例えば1箇所の金額を修正するとなると、かなりの箇所の書類修正が必要となり、非常に手間がかかるのが現実です。

ちなみに相撲協会の定款61条には相撲協会がなくなった場合の財産分与についても記載されていて、財産は国や地方自治体に贈与すると明記されています」

【取材協力税理士】

李 顕史(り・けんじ)税理士

李総合会計事務所所長。一橋大学商学部卒。公認会計士東京会研修委員会委員。東京都大学等委託訓練講座講師。あらた監査法人金融部勤務等を経て、2010年に独立。金融部出身経歴を活かし、経営者にとって、難しいと感じる数字を分かりやすく伝えることに定評がある。また銀行等にもアドバイスを行っている。

事務所名 : 李総合会計事務所

事務所URL:http://lee-kaikei.jp/

(弁護士ドットコムニュース)

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