「法律の答えを出すだけが弁護士ではない」依頼者が幸福になるためのサポートに尽力
環境問題に関心を持ったことから弁護士を目指す
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
中学生の頃に環境破壊の特集番組を見て、環境問題に関心を持ちました。当時はまだ環境産業も少ない時代でしたので、環境問題に関わる仕事で思い浮かんだのが、公害訴訟などを扱う弁護士でした。
法学部に進学を決めたときはまだ漠然とした思いでしたが、大学で法律を学んでいく中で弁護士を目指すことを決意しました。
ーーどのような学生生活でしたか?
大学ではアイスホッケーサークルに参加していました。中学と高校がテニス部だったので、大学ではチームスポーツをやりたいと思っていたところ、アイスホッケーサークルを立ち上げるという話を聞いて設立に参加したんです。
思い出すのは、練習場所を借りるのが大変だったことです。関西はスケートリンクが少ないため、設立したてのチームが借りられるのは夜中だけでした。いま思えば、よくやってたなと思います。弱小チームでしたが、4年間の活動中に大学公認の部活にすることができたことは誇りに思っています。
ーー注力している分野を教えてください。
離婚や相続といった家事事件と労働問題に力を入れています。最近は企業からの依頼も増えています。
弁護士になったばかりの頃は、理屈では割り切れない問題が多い家事事件に対して苦手意識をもっていたこともあります。ですが歳を重ねるにつれ、理屈だけで済まないのが人間社会だと思えるようになり、依頼者の話を親身に聞けるようになりました。
今は依頼者に寄り添い、依頼者が幸せになるための手伝いをできることが弁護士を続けるモチベーションになっています。
企業法務では、労働者側の案件も受けていることが役立っていると思います。逆の立場で見たときにどんな問題があるのかを知ることは、とても勉強になります。
弁護士の役目は決めることではなくサポートすること
ーー仕事をする上で心がけていることを教えてください。
家事事件が特にそうですが、損得だけでは割り切れない問題というものがあります。法律上の解決ができても、それが依頼者にとって納得できる解決でなければ、本当の解決とは呼べないと思います。
依頼者の納得を得るために、どのような解決を目指すかは本人に決めてもらう。弁護士はあくまでもサポートだということを忘れないように心がけています。
また、見通しをすぐには立てないようにしています。相談者は、アドバイスが欲しい方、話を聞いて欲しい方、答えを決めて欲しい方などさまざまです。
何を望んでいるのかわかるまでは話を聞くことに徹して、依頼者が求めているものをきちんと理解した上で、先の話をするようにしています。
ーー弁護士として活動してきた中で印象的だったエピソードを教えてください。
環境問題に関する訴訟をしていると、裁判官に現地の状況を見て欲しいと思うことがあります。森林伐採など、写真や言葉では伝えきれないことも、直接見てもらえばわかるはずという思いがあります。
ですが、実際に現地まで来てくれる裁判官はまずいません。求めたところで「そんな必要あるんですか」と言われるだけです。
しかし、過去に現地まで来てくれた裁判官がいました。
道路建設の中止を求める裁判でした。森林伐採の状況などを見てほしいと求めたところ、現地まで一緒に行ってくれたんです。依頼者は裁判官が来てくれたことをとても喜んでいました。私も、きちんと伝えれば裁判官も求めに応じてくれることがわかり、うれしく思いました。
結果的に請求は棄却され、原告の願いは叶いませんでした。裁判官に現地の状況を見てもらったことが、結果にどれほどの影響を与えたのかはわかりません。ですが、裁判所から出ずに資料だけで判断されるのと、実際に現地を見てもらうのとでは、訴えた側の気持ちはまったく違います。
依頼者からすれば、望んだ結果ではなかったものの、裁判官が現地まで来てくれたことで、多少なりとも気持ちを理解してくれたと思えたのではないでしょうか。
弁護士の枠にとらわれない活動で環境問題に取り組みたい
ーー趣味や休日の過ごし方を教えてください。
休日は自然と戯れています。暖かい季節は自転車に乗ったり、冬はスキーをしたり、あとはキャンプなどもして、四季折々の北海道の自然を楽しんでいます。
スキーはゲレンデで滑るよりも山スキーを好んでしています。人の少ない雪山に登ると、しんとした音のない世界を感じることができて、とても好きなんです。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
事務所運営の面では、人を増やしたいと考えています。自分の年齢を考えたときに、10年先や20年先もいまと同じような働き方ができるとは思えません。
お客さまに安定したサービスを提供するためにも、組織として対応できる事務所にしたいと考えています。
個人としては、弁護士を目指すきっかけでもある環境問題について、もう少し積極的に関わりたいと思っています。
公害訴訟のような弁護士が必要とされる事案は多くはないので、環境問題に取り組んでいる人のサポートなど、弁護士という枠にとらわれない活動をしていきたいと考えています。
ーー最後に、法律トラブルで悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
悩んでいることがあるのならば、弁護士に直接相談するのがいいと思います。インターネットで情報を得るだけでは解消しない問題もあります。
弁護士と会って話すことで頭の中を整理できたり、決心することができたりと、メリットはいろいろあると思います。
法律の答えを求めるだけが弁護士の役目ではないと思って、気軽に相談してください。