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スバルの米国人デザイナー「無期転換のがれ」主張し、会社提訴 勤続10年
原告のデビッドさん(中央)[5月16日/編集部撮影/司法記者クラブ]

スバルの米国人デザイナー「無期転換のがれ」主張し、会社提訴 勤続10年

無期転換を逃れるための違法な雇止めにあったとして、自動車のSUBARU(スバル)で働いていた男性デザイナーが5月16日、雇止めの無効を求めて東京地裁に提訴した。

提訴したのは米国籍のデビッド・コーエンさん(45)。訴状などによると、2008年4月に有期雇用契約で入社し、自動車の外装デザインに携わった。1年契約を9回更新し、2018年3月末で契約終了となった。訴訟では同年4月からの給与も求めている。

労働契約法の改正により、2013年4月以降、同じ職場で5年超働いた有期の労働者には、無期転換申込権が発生する(5年ルール)。コーエンさん側は、そのタイミングなどから今回の雇止めが無期転換を逃れるためのものだと主張している。

実際、コーエンさんの能力は高く評価されていたようだ。たとえば、2011年に同社の東京スタジオのリード・デザイナー、2014年にはアシスタント・チーフ・デザイナーに就任。2017年夏頃までは、ドイツスタジオのチーフ・デザイナーにも打診されていたという。

契約更新の手続きが一部形骸化していたこともあり、再び契約が更新されるものと期待していたが、2017年11月に翌年の契約を更新しない旨を伝えられた。

理由を尋ねたところ後日、同社が今後、契約デザイナーを3年程度で交代していく計画であることなどを伝えられたという。

スバルは近年、アメリカ市場で急成長を遂げている。提訴後、司法記者クラブで会見したコーエンさんは「私がスバルに採用されたのは、アメリカ人好みのデザインでスバルを手助けするため」と述べ、実際に多くのデザインにかかわってきたと強調。

「スバルを愛している」「スバルは自分の家族のような企業で戻りたい」と訴えた。

同社は取材に対し、「訴状が届いていないため、コメントは差し控えたい」としている。

(弁護士ドットコムニュース)

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