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「コンビニはOK、外食は禁止」職場の謎ルール、「電話対応があるから」という理由は違法?
写真はイメージです(KY / PIXTA)

「コンビニはOK、外食は禁止」職場の謎ルール、「電話対応があるから」という理由は違法?

「お昼休みに外食はNGです」

最近、新しい職場で事務職として働き始めた女性のSNS投稿が注目を集めています。

投稿によると、初出勤の日、昼休みに自宅へ戻って昼食を済ませてきたところ、リーダー的な立場の女性社員から、「コンビニ程度の買い物ならいいが、外食はNG」と説明を受けたといいます。

理由は、「昼休み中でも電話対応や来客対応があるため」。投稿者は、「これってブラック企業?」と疑問を投げかけました。

この投稿に対して、SNS上では、「それは休憩ではなく待機時間では」「電話番をさせるなら賃金が必要なのでは」と疑問視する声がある一方、「少人数の事務職ではよくある」「交代で電話番をする会社は珍しくない」といった声も寄せられています。

また、「来客対応が必要なら外出制限にも一定の合理性はあるのでは」「ただ、自由に過ごせないなら“休憩時間”と言えるのかは別問題」といった意見もみられました。

昼休み中に電話対応や来客対応を求めることは、法的に問題ないのでしょうか。また、外食や外出を制限するルールは、どこまで認められるのでしょうか。山田長正弁護士に聞きました。

●休憩中の行動制限は労働法違反の可能性

──昼休み中に電話対応や来客対応を求めたり、「すぐ戻れる範囲にいてほしい」と行動を制限したりすることに、法的問題はないのでしょうか。

労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に与えること、また休憩時間を自由に利用させることを義務づけています(34条)。

そのため、こうした実態は休憩と評価されず、労基法違反となる可能性があります。

また、この時間分の賃金を支払っていない場合、未払賃金のリスクも発生します。

特に、「すぐ戻れる範囲にいてほしい」という指示は、業務対応のための場所的拘束と評価される可能性が高く、休憩時間の自由利用を制限するものとして、かなり問題があります。

なお、実際に電話が鳴らなかったとしても、電話番として拘束されている状態自体が手待ち時間=労働時間と評価され得ます。

もっとも、実際に電話が鳴る頻度や待機の必要性、使用者による拘束の程度などによって評価が異なる可能性があります。

●少人数の職場だったらどうすればいい?

──とはいえ、少人数の事務職場などでは、「昼休み中も電話番をお願いしたい」という運用が実態として行われているケースもあります。こうした運用は、どのような条件であれば許されるのでしょうか。

結論から言えば、法的に問題ない形にするためには、昼休みには電話が繋がらない仕組みにしておくか、交代制で昼休みを取らせることで、休憩時間中の人には電話番をさせないことが望まれます。

交代制とする場合、たとえば、複数名の事務員がいるなら、その半数が休憩時間を「12:00〜13:00」として、もう半数の休憩時間を「13:00〜14:00」とすることで、常時業務として、電話番も含めた業務を担当させられます。

●原則としては一斉に休憩を与えなければならない

──交代制にするならどんな点に注意が必要でしょうか?

休憩は原則として、事業場の労働者に一斉に与える必要があります(いわゆる「一斉休憩の原則」)。

もっとも、運輸交通業、商業、金融・広告業、映画・演劇業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業および官公署の事業では、一斉休憩の例外が認められています(労基法40条、労基法施行規則31条)。また、これらの業種でなくとも、労使協定がある場合は一斉付与でなくてもよいとされています。

ですので、少人数の事務職場で交代制の昼休みを導入するのであれば、その事業が一斉休憩の適用除外業種に当たるか確認し、当たらない場合は、過半数労働組合または過半数代表者との労使協定を締結する形になります。

なお、曖昧な運用をなくすべく、休憩中は電話対応をしないよう指示を明確にしておくことも重要です。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

山田 長正
山田 長正(やまだ ながまさ)弁護士 山田総合法律事務所
山田総合法律事務所 パートナー弁護士 企業法務を中心に、使用者側労働事件(労働審判を含む)を特に専門として取り扱っており、労働トラブルに関する講演・執筆も多数行っている。

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