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ヤマト、業務委託の配達員との団交応じず 労働者性めぐり救済申し立てへ
会見の様子(2023年10月16日、都内撮影)

ヤマト、業務委託の配達員との団交応じず 労働者性めぐり救済申し立てへ

日本郵便との協業に伴い、ヤマト運輸が業務委託の配達員およそ3万人に対し、2024年での契約解除を通知している問題で、一部配達員らが加入する労働組合「建交労軽貨物ユニオン」が10月16日、都内で会見し、ヤマトが団体交渉に応じていないと明かした。業務委託の配達員は労働組合法上の労働者に当たらない旨の説明があったという。

個人事業主であるプロ野球選手にも労働組合があるように、労組法上の労働者概念は幅広い。軽貨物ユニオンは今後、東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てるという。

ヤマトは「クロネコDM便」や薄型荷物の「ネコポス」事業について、日本郵便とそれぞれ新サービスを立ち上げ、配送を日本郵便に委託する予定。それに伴い、各サービスの配達に従事していた業務委託の配達員およそ3万人に契約解除を通知していた。

●パート社員については団交実施

今回の協業をめぐっては、業務委託の配達員だけでなく、クロネコDM便の仕分け作業に従事するヤマトのパート社員にも2024年での雇用契約の終了が通知されている。軽貨物ユニオンによると対象は千人単位になり、中には無期雇用の労働者もいるという。

この点について軽貨物ユニオンはこの日、ヤマトと初めての団体交渉を実施。ヤマト側からは大きく次のような回答があったという。

・現在、他のセクションで働けないか人員の再配置を検討している。余剰人員が出れば退職をお願いしたいが、整理解雇ではない。就職のあっせんはおこなう

・退職に応じた場合に支払う金銭について、退職所得控除が受けられるような扱いにし、課税所得にならないようにする

軽貨物ユニオンは引き続き、雇用契約終了の通知を撤回することなどを求めるとしている。

一連の問題をめぐっては、オンライン署名サイト「Change.org」で署名活動がおこなわれ、約6万筆が集まった。この日の団交でヤマト側に署名を渡したという。

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