新潟県新発田市(しばたし)で2014年に当時20歳の女性にわいせつ行為をして殺害したとして、殺人と強制わいせつ致傷、わいせつ略取誘拐の罪に問われた喜納尚吾(きな・しょうご)被告人=別の事件で無期懲役が確定済み=の控訴審で、東京高裁(齊藤啓昭裁判長)は5月17日、無期懲役とした一審の新潟地裁判決を支持し、双方の控訴を棄却した。
●乏しい直接証拠 被告人は無罪を主張
判決などによると、喜納被告人は2014年1月、新発田市内で女性が運転する車に乗り込み、何らかの方法で殺害。女性は3カ月後の4月に遺体で発見された。
これまでの報道によると、喜納被告人は2013年に別の女性4人を襲ってうち1人を死なせた強姦致死罪と、勾留質問中に逃走を図った逃走未遂罪などで裁判が別に行われ、2018年に無期懲役が確定。岐阜刑務所に服役していたが、今回の事件で2020年に逮捕、起訴された。
この事件をめぐっては直接の証拠が乏しく、喜納被告人は「全く身に覚えがない」と無罪を訴えてきた。
一審の新潟地裁は2022年11月、被告人による犯行と認定し、無期懲役の判決を下した(求刑は死刑)。
控訴審では、検察側も控訴し引き続き死刑を求めた一方、弁護側は「女性は事故で亡くなった可能性がある」などとして改めて無罪を主張していた。