茨城県東海村で、5歳の男の子が法律で栽培が禁じられている「ケシの花」を発見したと報じられています(茨城新聞クロスアイ5月14日付)。
実は、「ケシの花」にはさまざまな種類があり、麻薬の原料となるために「あへん法」で栽培が禁止されている種類と、同じケシ科でも植えても良い種類に分かれています。見慣れていないと、どれも同じように見えてしまいます。
しかし、男の子は植物が好きで、図鑑をよく見ていたそうで、村道沿いに危険な「アツミゲシ」が生えていることを発見したとのことです。
もし、私たちが栽培が禁止されている「ケシの花」を見つけた場合、どのように対応するのが正しいのでしょうか。「不正大麻・けし撲滅運動」を進めているの担当者に聞きました。
●引っこ抜いてはダメな理由
——東海村で男の子が発見した「アツミゲシ」ですが、栽培が許されている「ナガミヒナゲシ」などと見分けることが難しいです。万が一、「違法っぽいケシの花」を見つけた場合、どうすればよいのでしょうか。
「当然のことながら、生えている花が違法なものか、そうでないものか、区別のつかない方はいらっしゃいます。ですので、まずは、各都道府県の薬務担当の部署であったり、最寄りの保健所にお問い合わせしていただければと思います」
——現物を引っこ抜いて、自治体などの窓口に持ち込んだ場合はどうなるでしょうか。
「麻薬を抽出できる部分を『けしがら』といいますが、栽培が禁止されているケシを引っこ抜いてしまった場合、『けしがら』に相当することになります。その所持は違法になりますので、一般の方はお持ちになれません。ですので、もし違法が疑われるケシがあった場合は、必ず引っこ抜かないでくださいとお願いしています」
_栽培が禁止されているケシの種類(東京都のリーフレットより https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/anzen/kenkou_anzen/stop/taima/index.files/R3_gozonji.pdf) _
●庭で知らずに栽培していた場合は「指導」
——もしも、違法な「ケシの花」が、勝手に庭に自生してしまっていたらどうしたらよいのでしょうか。罪に問われる可能性はありますか。
「個別の判断にはなりますが、もし違法であることを知らずに、ただきれいな花だからという理由で、栽培されてしまっていた場合は、すぐに罪に問われることはないと思います。ただ、今後気をつけてくださいといった指導はさせていただきます。
その場合でも、必ず抜かないでいただきたいです。私たちが除去しますので、ご相談いただければと思います」
——東京都の統計をみますと、年々、けしの発見除去件数が減っているようにみえます。
「毎年数万件はあった平成の頃に比べると、ここ数年は3000〜5000件程度で推移しています。
ただ、植物のことなので、今後どうなるのかわかりません。栽培が禁止されている『けしの花』は、大体4月〜6月ごろまでに咲きますので、7月31日まで、『不正大麻・けし撲滅運運』をおこなっています。違法なケシと栽培が可能なケシの花の写真を載せたリーフレットを配布するなど、活動しているところです」