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働きながらの妊娠。休憩時間を求めるのは「ワガママ」なんでしょうか?
画像はイメージです(よっちゃん必撮仕事人 / PIXTA)

働きながらの妊娠。休憩時間を求めるのは「ワガママ」なんでしょうか?

『妊娠6カ月の営業職です。身体がダルくて疲れやすく、体調は優れません。妊娠前とは同じペースで仕事をするのが難しいのですが、営業職なので、自分の売り上げにも直結するため、無理を重ねている状況です。

休憩時間をもらったり、休日や夜の付き合いをできるだけセーブしたいのですが、ワガママなのでしょうか?これまで営業職の先輩女性たちは、暗黙の了解で、妊娠すると退職していました。私も、仕事を辞めなくてはいけないのか、と弱気になっています』

(質問は弁護士ドットコムの法律相談コーナー「みんなの法律相談」に寄せられた相談をもとに編集部が作成しました)

A. 高木由美子弁護士「体調不良を理由としても『解雇』は禁止」

雇用主は、妊娠中の女性が医師から指導された事柄を守ることができるよう、必要な措置を講じる義務があります。

妊娠中の女性労働者が医師の指導で休憩をとる必要がある場合、雇用主はそれを認める必要があるのです。

また、妊娠を理由とした解雇は、禁止されています。妊娠による体調不良を理由としても、解雇はできません。もし雇用主が解雇すれば、「マタハラ」にあたり、解雇は無効となります。

妊婦の稼働時間が短くなることで、ほかの従業員が長時間労働など過労の状態になった場合、今度は、その労働者に対する雇用主の安全配慮義務違反になってしまいます。

ですから、妊婦従業員の稼働時間が短くなる場合は、ほかの従業員の負担も考慮し、適切な人員配置をしなければなりません。

(弁護士ドットコムライフ)

プロフィール

高木 由美子
高木 由美子(たかぎ ゆみこ)弁護士 さつき法律事務所
第一東京弁護士会所属。米国・カリフォルニア州弁護士

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