新型コロナウイルス感染拡大の影響で、経済的な打撃を受けた観光産業の団体が、支援策の必要性を訴えた。
ホテル、旅行、レジャー施設などの関連産業で働く労働者で構成される「サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)」は10月7日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで会見を開いた。
Go To トラベルなど、既存の支援策にも助けられているが、それでも十分ではなく「恐縮ですが、現状は本当に厳しい」として、更なる支援を求めた。
●観光産業で解雇が続いている
サービス連合の後藤常康会長は、観光産業は来年度が始まるまでに、崩壊してしまうと警鐘を鳴らす。
「観光産業は正直、いま耐えているが、足元では、希望退職、整理解雇をする事業主さんも出てきた。雇用を守るのは、現状、厳しいと言わざるをえない」
同連合では、雇用調整助成金や既存の融資だけでは、経営や雇用を守れないとして、6月22日に「観光産業の維持・再生にむけた緊急要請」をつくった。
このなかで、他業種も広く利用できる「持続可能給付金」の創設を提言する。「従業員の解雇、給与水準の減額があった場合は全額返済」の条件で、1年分の人件費など事業経費を融資のかたちで提供するもの。
しかし、これまでに観光庁や農水省などの各省庁、自民党などの政党に、支援を訴えかけているが、「既存の仕組みを使って」と反応はかんばしくないという。
今後も財務省など省庁や関連団体への働きかけを進めるとともに、雇用調整助成金の年度末の延長も求めていく。
会見の様子
●Go Toトラベルの評価
政府の観光支援策「Go To トラベル」も始まったが、「4〜5月にくらべれば前進でも、まだまだ。利用客の足がまだ遠のいている」と表情は決して明るくない。
Go To トラベルを原因とする感染者数が多くないと聞いていることから、「Go Toで感染拡大したとは認識していない」として、利用を求めていた。