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コロナ電話相談、労働トラブルが倍増 「第2波くるから解雇」「6月は給料を払えないと退職勧奨」
会見した弁護士ら(2020年6月17日、東京・霞が関の厚労省記者クラブ、弁護士ドットコム撮影)

コロナ電話相談、労働トラブルが倍増 「第2波くるから解雇」「6月は給料を払えないと退職勧奨」

NPO法人や弁護士などでつくる「コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守る なんでも電話相談会」実行委員会が6月17日、都内で会見を開き、6日に実施した電話相談会の結果を公表した。

全国から1217件の相談が寄せられ、「コロナの第2波が来ることを理由に解雇すると言われた」「6月は給料を払えないと退職勧奨された」など労働問題の相談が4月中旬の電話相談会から倍近く増加した。

実行委員会は、厚生労働省などに新型コロナウイルスの影響で困窮する人たちに継続的な現金給付をおこなうなどの措置を求める要望書を提出。小久保哲郎弁護士は「件数は減少したものの、相談内容は一層深刻化している」と危機感を示した。

●月収10万円以下の人からの相談が全体の58%

今回の電話相談会は、前回と比較してパート・アルバイトからの相談が2倍以上に増加。正社員や非正規社員を問わず、解雇や雇い止め、休業手当を支払ってもらえないという相談が多数見られた。月収10万円以下の人からの相談が全体の58%を占め、深刻な状況が浮き彫りになった。

全労連の仲野智さんは「4月18、19日におこなった電話相談会のときは、持続化給付金や休業給付など給付制度に関する相談が多かった。今回は自営業からの相談が減り、労働者からの相談が増えた」とフェーズの変化を指摘する。

中でも、高齢労働者からの相談が増加傾向にあった。猪股正弁護士は「今こそ生活保護を利用すべきとき」と話すが、相談者からは「生活保護は使いたくない」「車を手放せないので考えられない」など忌避感を示す人が複数いたという。

要望書では「資産要件や審査を緩和し、扶養調査を原則廃止するなどして、制度のスティグマを払拭することが必要」と指摘した。

小久保弁護士は「経済が動き出したら大企業は普通の生活に戻っていくだろうが、高齢労働者などの社会的弱者は働く場から阻害される状況が続く。そういう方の状況は、今後より深刻化して行くのではないか」と懸念を示した。

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