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「離婚後の養育費1.5倍に」日弁連、新たな算定方式を提言、「金額低い」の要望受け
記者会見する中村隆弁護士(中央)ら

「離婚後の養育費1.5倍に」日弁連、新たな算定方式を提言、「金額低い」の要望受け

日本弁護士連合会は11月30日、離婚に伴う子どもの養育費について、新たな算定方式・算定表をまとめた提言を発表した。新しい方式では、従来に比べて金額が1.5倍程度増える見込みだ。

現在、養育費算定には、2003年に裁判官の研究グループが発表した「簡易算定表」が実務で定着しているが、「金額が低すぎる」として、見直しを求める声が上がっていた。「簡易算定表」は、父母双方の「基礎収入」をもとに算出される。

新しい算定方式では、税率や保険料率を最新の数値に更新。また、今までは、父母双方の総収入から税金や特別経費(住宅関係費、保険掛金など)を控除していた。そのため、養育費を算定する際には、総収入の4割が「基礎収入」とみなされていた。しかし、新方式では、総収入の6〜7割程度が「基礎収入」となるため、養育費の支払額は1.5倍程度増えることになる。

日弁連・両性の平等に関する委員会副委員長の竹下博将弁護士は、「新しい算定表では、養育費の支払い金額はほとんどの場合で増える。概ね1.5倍くらいになるイメージ」と述べた。例えば、養育費の支払い義務がある父親の年収が400万円、15歳の子どもと同居する母親の年収が175万円の場合、今までの方式では養育費の額が5万円だったが、新方式では7万円に増える。

同委員会第2部会長の清田乃り子弁護士によると、「今までの算定表は、専門誌に掲載された1つの提案であり、強制力はなかった。しかし利便性があるため、実務や裁判所での算定基準として広く使われてきた」。日弁連副会長の中村隆弁護士は、「新しい方式にも強制力はないが、定着していくことで事実上の算定基準になることを期待している。裁判所などと協議を重ねながら、定着のために努力をしていきたい」と述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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