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2016年03月15日 10時11分

母子家庭の「8割」元夫からの養育費なし・・・弁護士が教える「不払い」対策

母子家庭の「8割」元夫からの養育費なし・・・弁護士が教える「不払い」対策
写真はイメージです

母子家庭の8割が、離婚した夫から養育費の支払いを受けていないーーそんな母子家庭の厳しい状況を伝える朝日新聞の報道が話題となった。

厚労省の2011年度の全国母子世帯等調査によると、養育費の取り決めをしているのは母子世帯の4割に満たず、実際にお金を受け取っているのは2割に満たなかった。取り決めなかった理由は「相手に支払う意思や能力がないと思った」が5割近く、「相手と関わりたくない」が2割超だった。

朝日新聞の報道によると、「月額4万円の養育費の取り決めをしたが、相手はフリーターで、3か月〜半年に一度、相手の母親が入金するが額が足りない」といった事例や、「養育費は慰謝料込みで月10万~12万円と取り決めたが、半年ほど経ったあと消息不明になり、支払いも途絶えた」といった事例が紹介されていた。

養育費の不払いを防ぐための法的な仕組みは整っていないのだろうか。離婚相手からの支払いが途絶えた場合、どう対応すればいいのか。離婚問題に詳しい高木由美子弁護士に聞いた。

●給料の2分の1を上限に差し押さえることができる

「まず、離婚するときに、養育費についてきちんと取り決めることが重要です。取り決めも口約束などではなく、公証役場での公正証書や家庭裁判所での調書の形で養育費を取り決める必要があります」

高木弁護士はこのように述べる。書面の形で残しても、相手が支払わない場合はどうすればいいのか。

「公正証書や調停調書の形で養育費の取り決めがなされれば、相手が約束を破って支払わなくなってしまった場合、すぐに、相手の勤務先の給料等へ、その2分の1の額を上限として、強制執行が行うことができます。つまり、相手の意思にかかわらず、強制的にお金をとりたてることができるわけです。

養育費について相手の給料に強制執行をかける場合、毎月、強制執行をする必要はありません。一度、強制執行の申し立てをすれば、その後は毎月、勤務先から直接支払われることになるので、非常に有用です。

正規、非正規問わず、相手が会社勤めの場合、まずは、給料差押えを考えると良いでしょう」

給料が差押されることで、元夫が勤務先で居心地が悪くなり、退職してしまうといったリスクはないのか。

「そうしたことが心配な場合、裁判所からの『履行勧告』という手続きがあります。これは、強制的に支払いを確保できるというような強い制度ではありませんが、裁判所からの勧告という形で相手にプレッシャーを与えることで、支払われることもあるようです」

相手が自営業やフリーランスの場合はどうすればいいのか。

「相手が自営業の場合は、給料差押えができませんが、取引先の債権や預金を差し押さえることが可能です。自営業の場合は、信用が重要ですので、差し押さえをすると警告すると、差し押さえを恐れて、支払ってくる可能性もあります。

●子どもとの交流促進も方法の1つ

「また、一般的に別れた親と子どもとの面会交流が定期的に行われているケースのほうが、行われていないケースより、養育費がきちんと支払われることが多いようです。

法律的には、養育費と面会交流は別個のもので、『子どもと会えないから養育費は払わない』ということは言えませんが、やはり、別居している親の心情としては、定期的に子に会えていれば、子のために養育費を払おうという気持ちになるようです。

ですので、別れた親と子どもとの交流を促進することも、養育費の支払いを確保する方法の1つと言えるでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

高木 由美子弁護士
第一東京弁護士会所属。米国・カリフォルニア州弁護士
所在エリア:
  1. 東京
  2. 新宿

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