記録的な暑さがつづく中、職場の冷蔵庫に「アイスクリーム」をキープしている、という人も少なくないかもしれません。
都内のIT企業ではたらく高橋あかねさん(仮名)もその一人です。ハーゲンダッツやスイカバー、パピコ、スーパーカップなど、市販のアイスクリームを箱買いして、職場の冷蔵庫(冷凍庫)に「置きアイス」しているそうです。
高橋さんは職場で1日2本食べて、アイスが減ってきたら、最寄りのコンビニやスーパーで買い足しています。ところが最近、想定しているよりもアイスの減りが早いそうです。どうやら、同僚の中に、勝手に食べている人がいるようなのです。
アイスのパッケージに名前を書いていなかったそうですが、インターネット上には、高橋さんのように、職場の冷蔵庫に入れてあったお菓子やアイスが、ほかの人に食べられてしまった、というエピソードがあがっています。食べ物の恨みはおそろしいです。
とはいえ、現実的にいえば、アイスを食べた同僚を警察に突き出す、ということも、なかなかやりづらいところかもしれません。こんなときどう対処すればいいのでしょうか。西口竜司弁護士に聞きました。
●「スプーンをくわえて見ているしかないなんて、悲しい」
「刑法上には、窃盗罪の成立が問題になりそうです。あきらかに他人の財物であるものを窃取した場合、窃盗罪が成立する可能性があります。(刑法235条:他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する)。
高橋さんからすれば、アイスクリームという貴重な財物を窃取されたのに、指をくわえて(スプーンをくわえて)見ているしかないなんて、悲しいですよね。
そんなあなたのために、参考になる事例があります。
私の友人は『置き傘』しているビニール傘をよく盗まれていました。そんな友人がとった作戦は『思いっきり高価な傘を買う』ということです。
どうしてビニール傘の置き傘を盗まれてしまうのかというと、『ビニール傘なんて安いから盗んでも大丈夫』と、みんなが思っているからです。
その友人は百貨店で、背伸びして1万円のバーバリーの傘を買ったら、誰にも盗まれなくなったそうです。(ただし、電車に置き忘れてなくしてしまったようですが・・・)」
●「思いっきり高価なアイスを買う」
「今回のケースで、このような考え方を適用すると、現実的にベストな解決法は『思いっきり高価なアイスクリームを買う』ということです。ハーゲンダッツでもいいですが、さらに背伸びして、ゴディバのアイスクリームもオススメです。
カップの装飾からして、ただならぬ雰囲気を醸し出しているので、さすがのアイス泥棒も『これを盗んだら大変なことになる』と怖じ気づくこと請け合いです。これであなたの『置きアイス』のガードも万全です」