北海道発のアイドルグループ「フルーティー」(株式会社ライブプロ)が5月9日、ブログで、購入したばかりの新品CDをポスターと交換する企画を実施すると発表した。
ブログでは、「ファンの皆さんの中にはもしかしたら『同じCDを何枚もいらない』と、ただ特典会に参加するために、CDを購入している方もいるのではないでしょうか?」と呼びかけた上で、ファンがCD購入後に特典として交流カードを渡し、その際に買ったばかりの未開封CDとポスターを交換する仕組みを紹介している。
この企画に対して、ツイッター上では「CDのロンダリングでは」、「アイドル無間地獄」、「回収したCDを販売する場合って古物商許可が必要になるのか」などと議論が巻き起こっている。
CDを販売するアイドルグループ側が、購入特典の交流券だけ渡して未開封CDをその場で回収することに問題はないのだろうか。福村武雄弁護士に聞いた。
●未使用CDでも「古物」に
古物営業法の観点からみてどうなのか。
「古物営業法は『古物』について、一度使用された物品だけではなく、『鑑賞的美術品及び商品券若しくは使用されない物品で使用のために取引されたものも含まれる』と規定しているため、未使用のCDについても『古物』に該当すると思われます。
そして『古物営業』とは、古物を売買するだけでなく交換することも含まれます。ただし『自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの』という規定もありますので、単に回収するだけであれば、古物営業の例外にあたる可能性もあります。
一方で、CDの生産量を超えてポスターの交換が行われていれば、未使用中古品が新品として再販売された可能性が高いと思われます。アイドルグループ側が回収したCDを再販売するのであれば古物営業に該当する可能性が高いと思われます」
再販売する場合、古物営業以外の問題はないのか。
「購入するファンからの苦情などがない限り、実際にトラブルになる可能性は低いのかもしれませんが、未使用とはいえ、一度販売した古物を新品として再販売するようなことがあれば、極論すると詐欺行為となります」