名古屋市の市営地下鉄の線路内に立ち入り、その様子をうつした動画をツイッター上に投稿したーー。そんなことをしたとして、女子高生4人が3月中旬、威力業務妨害の疑いで書類送検されたと報じられている。
報道によると、女子高生が立ち入ったのは、名古屋市内の地下鉄・砂田橋駅。友人ら3人とともにふざけて駅の線路を横断する様子を別の友人が撮影し、ツイッターに投稿した。投稿された動画には、女子高生が分離帯から飛び降り、線路を横切って、ホームによじのぼる姿が映っていたという。一緒にいた生徒の笑い声も入っていたそうだ。
動画が撮影された名古屋市営地下鉄の線内では、走行用レールとは別に電気を送る架線がレールのそばに設置されていて、600ボルトの電流が絶えず流されている。接触して感電すると、死に至る可能性もあるという。
このニュースについてネット上では、「地下鉄は感電するマジやばい」「これ一歩間違えれば大事故になる可能性あるのに。大問題じゃね?つーか犯罪だろ」といった声があがった。一般論として、電車の線路内に勝手に立ち入ることは、どんな罪になるのだろうか。岡田一毅弁護士に聞いた。
●線路立ち入りで「損害賠償」「懲役」の可能性も
「鉄道の線路内に立ち入ることは、鉄道営業法で禁じられており、みだりに立ち入ると鉄道営業法37条で、科料という刑罰の制裁を受ける可能性があります。
また、入ることにより、電車の運行が遅れたり、停止しなければならなくなった場合、業務妨害罪に問われる可能性もあるので、決してやってはいけない行為です」
岡田弁護士はこのように指摘する。今回のケースでは、走行用レールとは別に電流が流れる架線もそばにあったということだが・・・。
「仮に、電流が流れている第三の給電用レール(第三軌条)にわざと物品を落とすなどして、ショートなどをさせてしまうと、さらに重い『往来妨害罪』などの犯罪に問われる可能性もあります。『往来妨害罪』では、『2年以下の懲役または20万円以下の罰金に処する』と定められています。
加えて、実際に鉄道の運行が遅れて、たとえば特急券の払い戻しなどの事態が発生してしまった場合、損害賠償をしなければならないことにもなりかねません。
危険な行為であるとともに、鉄道会社に多大な迷惑を掛けてしまう行為であると自覚していただきたいところです」