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「クソスラップ裁判」投稿、二審も違法性を否定…選挙ウォッチャーちだい氏が勝訴「意見・論評」と判断
会見で話すちだい氏(2026年9月8日、東京都内で、弁護士ドットコム撮影)

「クソスラップ裁判」投稿、二審も違法性を否定…選挙ウォッチャーちだい氏が勝訴「意見・論評」と判断

フリージャーナリストの「選挙ウォッチャーちだい」氏(本名・石渡智大)から、SNSで「クソスラップ裁判」などと投稿され、名誉を傷つけられたとして、弁護士の福永活也氏が損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁(阪本勝裁判長)は9月8日、福永弁護士側の控訴を棄却した。

東京高裁は、ちだい氏の投稿について、福永氏が起こした訴訟に対する意見や論評の表明にあたり、その前提となる事実について真実であるなどとして、違法性を否定した。

●「クソスラップ裁判」X投稿が名誉毀損と提訴

判決文によると、ちだい氏は2025年4月25日、福永氏側から訴状が届いたことを受けて、Xに次のように投稿した。

「なんだ、このクソスラップ裁判。100%叩き返すけど、こいつら、全員まとめてブタ箱に入るべき!反社会的カルト集団!クソカルトども!」

翌4月26日にも、こう投稿した。

「反社会的カルト集団『NHKから国民を守る党』の福永活也が僕に4件目となる裁判を仕掛けてきたらしい。くだらないスラップ裁判を仕掛けてきて、さらに追加でスラップ裁判を仕掛けてくるんだから、本当にどうしようもない」

これに対し、福永氏は一連の投稿によって名誉を毀損された、または名誉感情を侵害されたと主張。不法行為に基づく損害賠償として慰謝料50万円の支払いを求め、東京地裁に提訴した。

●東京高裁「意見ないし論評の前提事実は真実」

一審の東京地裁は今年2月、ちだい氏の各投稿について、事実の摘示または意見・論評によって福永氏の社会的評価を低下させるものと認定した。

一方で、違法性が阻却されるなどとして福永氏の請求を棄却。福永氏がこれを不服として控訴していた。

東京高裁はこの日の判決で、「クソスラップ裁判」「くだらないスラップ裁判」などの表現について、福永氏がちだい氏に対してこれまで提起してきた訴訟が、嫌がらせなどを目的とした不当な訴訟であるという、ちだい氏の意見または論評を表明したものだと認定した。

そのうえで、福永氏が自身に批判的な弁護士に対して多数の訴訟を起こし、請求が棄却されたことがあることや、インターネット上にアップした動画でそうした提訴を面白がっておこなっていた旨を述べていたこと、ちだい氏を相手方とする多数の名誉毀損訴訟を受任すると宣伝していたことなどを指摘。

これらを踏まえて、「意見ないし論評の前提としている事実は重要な部分について真実であることの証明があった」と判断した。

また、「反社会的カルト集団」などの表現についても、違法性が阻却されるか、ちだい氏の故意・過失が否定されると結論付け、福永氏の控訴を棄却した。

●ちだい氏「批判する人の口を経済的負担をかけて封じてきた」

ちだい氏は判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開き、「勝訴して、まずは安心している」とコメント。そのうえで、次のように述べた。

「(福永氏が)スラップ裁判を仕掛けてくる弁護士であると言っても、何ら問題がないという判決をいただいた。

私は『NHKから国民を守る党』をずっと取材してきましたが、N国党の議員がいろいろなところで迷惑をかけて社会を混乱させています。

今回の裁判も、N国党の活動の一環で、批判する者たちの口を封じる、経済的な負担をかけて黙らせることをやってきた。

普通の人は開示請求されると怖くなってしまうかもしれませんが、そんな(福永氏のような)弁護士が仕掛けてきているということを知れば、少し気持ちが落ち着いて、どう対処すればいいのかを冷静に考えられると思うので、そういうふうに使ってもらいたいなと思います」

●代理人「このままでは弁護士や裁判制度の信用を失う」

ちだい氏の代理人をつとめる石森雄一郎弁護士は、弁護士が勝ち目のない裁判を多数起こすことの問題について、次のように指摘した。

「ちだいさんに起こした裁判も含めて、福永さんは本当に権利実現のためにやってるんでしょうか。私はやってないと思います。

福永さんが所属する弁護士会も全国の弁護士会も、こうした弁護士がいることを正面から議論していかなければいけないのではないでしょうか。

『こんな裁判も弁護士の活動としてあるかもね』などと言っていると、弁護士は信用されなくなります。いずれ裁判という制度そのものの信用も失ってしまう。所属会には、重く受け止めてほしい」

●福永氏「上告の予定はない」

福永氏は弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「上告の予定はない」とした上で、次のようにコメントした。

「判決を受領していませんが、表現行為が意見論評型と評価された事案であれば、被告側の表現行為はいわゆる『お気持ちの表明』に過ぎないと認定されたわけですね。

一方、原告側がいわゆる『スラップ訴訟』をしたか否かは事実認定の対象ですらなく、原告側のこれまでの提訴の違法性は一切確認されなかったことになります。

結果、原告側の裁判を受ける権利と、被告側の表現の自由という共に憲法上の権利の保障が厚く認められた妥当な判決と言えるでしょう。

これからも、違法ではない提訴に尽力して参ります」

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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