ツイッター上で名誉を傷つけられたとして、武蔵大教授で、フェミニズム批評で知られる北村紗衣さんが、投稿した男性を相手取り、損害賠償330万円を求めた裁判で、東京地裁は4月17日、220万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は2019年11月から2022年1月にかけて、北村さんについて「ポリコレリベサヨうんこ学者」とツイートをしたり、「異常性格」などの他のアカウントの投稿をリツイートするなどしていた。中には、北村さんの著書に中指を立てている写真の投稿をおこなっていた。裁判では計11の投稿について争われた。
これら一連のツイートについて、北村さん側は名誉毀損や名誉感情侵害の不法行為が成立すると主張。男性側はいずれの投稿についても名誉毀損等には当たらないと反論していた。
判決では、「歴史修正主義の話、正直無茶苦茶腹立ってますわ」などと投稿された1つのツイートを除き、計10の投稿について名誉毀損もしくは名誉感情侵害、またはその双方の不法行為が成立すると認定。「一面識もない被告から誹謗中傷を受け続けたこと自体、原告にかなりの精神的苦痛をもたらしたものと推認することができる」とした。
さらに、男性のツイッターアカウントには1万人を超えるフォロワーがいて、不特定多数人の目に触れたものと認められるとし、実際に同調する投稿が複数行われたと認定。男性が訴訟に対応するための支援金(カンパ)をツイッターで募ったことも同調者をあおるものであり、「慰謝料増額事由として評価すべき」とし、慰謝料220万円が相当と結論づけた。