婚姻時に夫婦が別姓を選べない戸籍法は、平等を保障する憲法に反するとして、ソフトウェア企業「サイボウズ」の社長、青野慶久さんら4人が国を相手に計220万円の損害賠償を求めている訴訟の控訴審が12月9日、東京高裁(小川秀樹裁判長)で結審した。
判決は2020年2月26日に下される。
2015年12月に最高裁で夫婦同姓を規定した民法750条を 「合憲」とする判決が下されてからちょうど4年。あらためて選択的夫婦別姓の実現を求める裁判は2018年に複数、各地の地裁で提訴されたが、いずれも原告の訴えを退けている。
●棄却続く夫婦別姓訴訟「良い判決に期待」
原告側は、日本人のカップルが離婚した際に戸籍法の手続きをすれば「婚氏続称」ができることや、日本人と外国人が結婚した際も夫婦別姓が選べるのに対し、日本人のカップルが婚姻する時だけ「戸籍法上の氏」が選択肢にないのは違憲であると訴えてきた。
「民法上の氏」では同姓であっても、戸籍法を改正して「戸籍法上の氏」を認めれば、選択的夫婦別姓が可能であるという主張だ。
それに対し、国側は「日本人同士の離婚、日本人と外国人の婚姻および離婚の3場面のいずれにおいても、結局は民法750条は適用されない」などとして、日本人カップルの婚姻と同列で論じるには前提が欠けるなどと反論した。
取材に対し、原告代理人である作花知志弁護士は「東京高裁では、地裁判決でおかしかった点も丁寧に審議していただいた。夫婦別姓訴訟で棄却が続いているので、良い判決を期待したいです」と話した。