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国内最悪「時速235キロ」で高速道路暴走した男性逮捕、懲役刑の可能性も
画像はイメージです(taka / PIXTA)

国内最悪「時速235キロ」で高速道路暴走した男性逮捕、懲役刑の可能性も

警視庁は3月1日、時速235キロで高速道路を走行したとして、東京都世田谷区の会社員男性を道路交通法違反(速度超過)の疑いで逮捕した。国内最悪のスピード違反だという。

読売新聞の報道などによると、男性は2016年1月29日午前4時15分ごろ、東京都国立市の中央道上り線で、法定速度を135キロ上回る235キロで運転した疑いが持たれている。車は米国製のチャレンジャーで、ナンバーが外されていたという。オービス(速度違反自動監視装置)が検知した。オービスの映像をもとに、昨年から任意聴取するなどの捜査をしていた。

とんでもないスピード違反だが、ナンバーを外して135キロも速度超過したことにはどのような罰則があるのだろうか。平岡将人弁護士に聞いた。

●ナンバー外しは50万円以下の罰金刑

「国内最悪の、法定速度を135キロも上回る運転ということで危険性はいうまでもありません。しかもそのような危険な運転を、オービス設置の道路でやっています。否認しているとのことですので、逮捕された人を犯人であると決め付けるべきではありませんが、警察もこのような運転を放置していれば、模倣者をうみますので、2年もかけて捜査をしたのでしょう」

どんな罰則が考えられるのか。

「まず、ナンバーを外すという行為は、道路運送車両法19条に違反し、50万円以下の罰金刑が適用されます(同法109条1号)。

制限速度違反については、6月以下の懲役刑又は10万円以下の罰金刑(道路交通法118条2号)が適用されますが、135キロメートルの速度超過ともなれば、懲役刑となるのではないでしょうか」

●死傷事故を起こした場合、危険運転致死傷罪が成立する

もし、死傷事故を起こしてしまった場合はどうなるのか。

「危険運転致死傷罪が成立するでしょう。

自動車運転死傷行為処罰法2条柱書・2号によると、『その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為』をし、人を『負傷させた者』は、『十五年以下の懲役』となり、『人を死亡させた者』は1年以上20年以下の懲役となります。

平成29年3月3日の大阪地方裁判所での判決は、時速163キロメートルで走行し運転を誤り、3名を負傷させて2名を死亡させた被告人に対し、危険運転致死罪の成立を認め、11年の懲役刑としています。今回の事件のように、時速235キロ、超過速度135キロともなれば、『その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為』にあたることは明らかでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

平岡 将人
平岡 将人(ひらおか まさと)弁護士 弁護士法人サリュ銀座事務所
中央大学法学部卒。全国で10事務所を展開する弁護士法人サリュの前代表弁護士。主な取り扱い分野は交通事故損害賠償請求事件、保険金請求事件など。著書に「交通事故案件対応のベストプラクティス」ほか。実務家向けDVDとして「後遺障害等級14級9号マスター講座」「後遺障害等級12級13号マスター講座」など。

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