2013年08月03日 16時30分

参院選「一票の格差」訴訟 参院でも「選挙無効判決」を出すべきか?

参院選「一票の格差」訴訟 参院でも「選挙無効判決」を出すべきか?
今回の参議院選挙のやり直しを求める訴訟を弁護士グループが全国で起こした

7月21日に投開票が行われた参議院選挙について「一票の格差」が存在するとして、2つの弁護士グループが翌22日、選挙のやり直しを求める訴訟を全国で起こした。今回、升永英俊弁護士のグループは全選挙区を対象として提訴した。

最高裁は昨年10月、最大格差が5.00倍だった2010年の参院選を「違憲状態」と判断し、「単に一部の選挙区定数の増減にとどまらず、都道府県単位の選挙区を改めることが必要」として、国会に選挙制度の抜本的な改正を求めた。その後、国会は選挙区定数を「4増4減」する法改正を行ったが、都道府県を基本とする選挙区の区割りは維持されたままだった。

今回の参院選では、議員1人当たりの有権者数は最も多い北海道が約115万人、最少の鳥取県は約24万人で、最大4.77倍の格差が生じているとされる。原告の弁護士グループは、このような人口に比例しない選挙区割りは憲法が保障する「正当な選挙」や「投票権の平等」に反していて、選挙は無効にすべきだと主張している。

昨年12月に行われた衆院選についても同様の「一票の格差」訴訟が提起されているが、各地の高裁の多くは「違憲状態」ではなく「違憲」だという判決を出した。さらに、広島高裁と広島高裁岡山支部ではついに、戦後初の「選挙無効」判決まで出している。

はたして、今回の参院選について、裁判所はどのような判決を出すべきだろうか。弁護士ドットコムに登録している弁護士に意見を聞いた。

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このニュースに対する弁護士の回答

※2013年07月25日から2013年07月29日での間に集計された回答です。

アンケート結果

  • 投票1 合憲である

    1

    • 池田 眞一弁護士
  • 投票2 違憲状態である

    1

    • 服部 勇人弁護士
  • 投票3 違憲であるが、選挙無効とまでは言えない

    10

    • 西口 竜司弁護士
    • 森田 英樹弁護士
    • 高橋 喜一弁護士
    • 比護 望弁護士
    • 牧野 利秋弁護士
    • 魚谷 隆英弁護士
    • 平間 民郎弁護士
    • 本橋 一樹弁護士
    • 大和 幸四郎弁護士
    • 高岡 輝征弁護士
  • 投票4 違憲であり、選挙は無効である

    16

回答一覧

回答の絞込み

投票:違憲であり、選挙は無効である

一票の格差是正については、最高裁判所が違憲状態であるとしており、国会の審議を促しているにもかかわらず、またもや、国会では根本的な解決の成案を得なかった。
最高裁が、政治問題に立ち入ることを避けようとして、選挙無効を言い渡さないので、何時までもこの問題は解決してこなかった。
もう待てないという国民の声を代表して、弁護士がいち早く憲法違反で無効な選挙として、今回、訴えたのは、時宜を得た行動であると思われる。
最高裁判所の違憲審査権の発動こそ、この問題を根本的に解決することになると思われるので、今回は,違憲で無効な選挙であった、という判決が期待される。

2013年07月25日 19時59分

回答番号 408
投票:違憲であるが、選挙無効とまでは言えない

 確かに、個人の尊厳(憲法13条前段)に最高の価値をおき、徹底した平等原則をとる現行憲法下においては、今回の参院選は違憲状態といえる。
 ただ、選挙自体を無効としてしまうと、議員がいなくなる等の混乱も大きい。最高裁が昨年10月、格差が最大5・00倍だった2010年の選挙を「違憲状態」だが選挙結果有効と判断していることからすれば、今回は最大4.77倍の格差なので、昨年と同様の判断、すなわち違憲状態だが、無効とはいえないと判断がよいと思う。

2013年07月25日 20時02分

回答番号 409
投票:違憲であり、選挙は無効である

司法がいつまでも国会になめられていて良いのか,という話です。

既に前回の最高裁判決で「違憲状態」「都道府県単位の選挙区を改めることが必要」と判示していたにもかかわらず,国会はそれを無視し,最大4.77倍もの格差を放置して選挙に突入したのですから,最高裁は堂々と「違憲・無効」判決を下すべきです。

いわば,前回執行猶予付きの判決を下した被告人が,性懲りもなく再犯に及んだようなものです。実刑判決を下さなければ,逆に司法の存在意義が問われます。

2013年07月29日 08時03分

回答番号 416
投票:違憲であるが、選挙無効とまでは言えない

違憲は、当然といえば当然。

それを貫くと、本来、選挙も無効となるはず。

しかしながら、選挙無効の影響は大きく、他の憲法の規定に抵触しかねないし、他の憲法上の権利利益を侵害しかねない。

また、個人的には、国家財政が逼迫するなか、やり直しに割く予算の問題を重視せざるを得ない。

よって、選挙無効としたいところであるが、やはり選挙無効までは困難と考えざるをえない。

2013年07月29日 12時20分

回答番号 427
投票:違憲状態である

  選挙制度は、国民の意見を正確に反映するためのものでなければなりませんが、その選挙制度は多様なものがあるといえます。衆院については、内閣総理大臣を衆院の優越を背景に指名することができますし解散の制度があることから、より国民の意見を正確に反映する仕組みが必要であると考えられます。

 これに対して、参議院は都道府県代表制という意味合いが強く、区割りが県単位でなされてしまうことから一票の格差をゼロにすることについては合理的な限界があると思います。また、現在の参議院の選挙制度の仕組みを衆議院と同じにしてしまえば、参議院が衆議院のカーボンコピーとしての性格を強めてしまうものと考えられます。

 憲法は選挙制度のルール作りについて、原則として投票価値の平等を求めているものの、都道府県代表制的性格を取り組むなどの投票価値の平等以外の要素を取り組むことを否定しているわけではありません。

 したがって、参議院はそうした性格に加えて選挙区割りの限界からして、対応措置が限られているというのが実情ではないか、と思います。今回は格差は4.77倍となっているわけですが、私見は合理的根拠は示せませんが、立法政策の上でも3倍までに抑える措置を講じる義務が憲法上あるだろうと考えます。

 このような意味では、本件選挙は違憲状態にあるというべきです。しかしながら、一定の是正措置が講じられており、違憲状態の判決がなされることにより更なる是正が期待することができることを考えると、是正に必要な合理的期間が経過しているとはいえず、違憲状態にとどまるものと考えます。

2013年07月29日 13時03分

回答番号 429
投票:違憲であり、選挙は無効である

国会が違憲状態の是正に十分に取り組んでいない以上、裁判所は実効性のある判断を出さなくてはいけません。

既に前回の最高裁判決で「違憲状態」「都道府県単位の選挙区を改めることが必要」と判示していたにもかかわらず,国会はそれを無視し,最大4.77倍もの格差を放置して選挙に突入しました。
 これまでの経過をみれば、将来無効という配慮すら不要です。
 最高裁は即時の「違憲・無効」判決を下すべきです。

日本の憲法は、通常裁判所に違憲審査権を与え、司法権優位の憲法構造を採用しているにもかかわらず、国会は裁判所の判断を軽視する傾向があります。かかる誤った考えを打破するためにも、即時の違憲無効判決をすべきです。

2013年07月29日 14時18分

回答番号 432

編集後記

弁護士ドットコムニュース編集部

アンケートに回答した28人の弁護士のうち16人が、<違憲であり、選挙は無効である>を選択した。すなわち、今回の参議院選挙での「一票の格差」は違憲であり、裁判所は選挙を無効とするべきという意見が約57%という結果となった。

<違憲ではあるが、選挙無効とまでは言えない>という意見は、約36%の10人が支持した。<合憲である>と<違憲状態である>という意見はそれぞれ1人だった。

「違憲無効」という意見が多かったのは、これまで国会が「一票の格差」の是正に十分に取り組んでこなかったことが背景にあるかもしれない。その根拠としては、「前回の最高裁判決で『違憲状態』としていたにもかかわらず、国会はそれを無視して選挙に突入した」という主旨の理由をあげる弁護士が複数いた。

「一票の格差」をめぐっては、参議院に道府県代表という側面などがあることから、先日の衆議院の裁判とは違った判決が下されるかもしれない。しかし、どのような結果になるにせよ、憲法の精神に基づいた抜本的な対策が必要だろう。

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