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非専門家ゼロに「失望しかない」村木厚子さんや周防正行さんらが苦言、刑事手続きの「研究会」立ち上げめぐり
人質司法に関する集会で話す村木厚子さん(2025年3月、東京都内で、弁護士ドットコムニュース撮影)

非専門家ゼロに「失望しかない」村木厚子さんや周防正行さんらが苦言、刑事手続きの「研究会」立ち上げめぐり

法務省が捜査のあり方などについて議論する「これからの刑事手続に関する研究会」を設置すると発表したことを受け、検察官によるフロッピーディスク改ざん事件で冤罪に巻き込まれた元厚生労働事務次官の村木厚子さんら5人が12月17日、取調べにおける録音・録画(可視化)の全事件への拡大することや、弁護人の立ち会い権などを求める要請文を平口洋法務大臣らに送った。

●今年12月、法相が研究会の設置を発表

刑事手続きに関する制度見直しをめぐっては、法務省が2022年7月、「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」を設置。同協議会が2025年7月に公表した報告書は、取調べの録音・録画の対象事件の拡大などについて、新たな場で具体的な検討をおこなうよう求めていた。

平口法務大臣は12月12日の記者会見で、協議会がまとめた報告書の内容を踏まえ、外部有識者を交えた「これからの刑事手続に関する研究会」を立ち上げると発表。同月19日に1回目の会合が開かれた。

初会合を前に、法制審議会・新時代の刑事司法制度特別部会で「一般有識者」として委員をつとめた村木さんや、映画監督の周防正行さん、連合元会長の神津里季生さんら5人が、平口法務大臣や研究会の委員宛てに要請文を送付した。

●法務省を批判「国民の意見を聞く機会を自ら封じた」

5人は、法務省が協議会を設置した2022年にも、「取調べの録音・録画の完全実施」や「改正事項の施行状況に関する十分な検証とこれに基づく議論の実施」、「国民への情報開示と国民の声の反映」などを求める要請書を提出していた。

しかし、要望した見直しはいまだに実現せず、その間にも捜査機関による違法な捜査が発覚するケースが相次いでいる。

5人は今回の要請文で、協議会には専門家ではない構成員が1人しかいない点を挙げ、「国民の意見を広く聞く機会を法務省は自ら封じたと見ざるを得ませんでした」と指摘した。

さらに、今回発足する研究会には非専門家が1人も含まれていないとして、「失望しかありません」と表明。「なおさら研究会における検討状況等を、遅滞なく、広く国民に公開し、また、国民の意見を広く聞きその声を検討に反映するようにしなければならない」とうったえた。

●取調べ録音・録画「メリット上回る弊害ないこと明白」

取調べの録音・録画について、5人は今回も改めて「全ての事件の全ての取調べに拡大する制度改正」を要求。

大阪市の不動産会社「プレサンス・コーポレーション」創業者・山岸忍さんが業務上横領罪で起訴された後に無罪が確定した「プレサンス事件」を挙げ、「取調べの録音・録画は取調べの適正な実施に資するばかりでなく、冤罪を防止する機能も持つと、ハッキリ分かりました」と強調した。

導入時に捜査機関が懸念していた「捜査上の支障」などの弊害は、協議会でも具体的に示されなかったとし、「録音・録画のメリットは大きく、それを上回る弊害が生じないのは明白になったと言えます」指摘した。

現在、対象となる事件以外では警察が録音・録画をほとんどおこなっていないことや、検察が一部の録音・録画を恣意的に利用したケースがあることに触れ。「録音・録画の対象を捜査機関の運用に委ねるのは適切ではなく、義務の対象を拡大する制度が必要です」とうったえた。

●「弁護人立ち会いの権利を」

また、村木さんらは、録音・録画が実施されている時でも不適正な取り調べが続いているとして、「黙秘権を行使して供述をしないという意思を明らかにしている被疑者に対して、延々と取調べを続けることを禁止」することや、「被疑者が求めるときは、弁護人を立ち会わせる権利を認めるべき」と要望した。

著しく不適正な取調べがあった場合には、刑事裁判の中で裁判所の審査を求めることができる仕組みの創設も提案した。

画像タイトル 法務省(キャプテンフック / PIXTA)

●保釈や証拠開示の運用の改善も要求

いわゆる「人質司法」についても言及。

逮捕された男性が長期間身柄を拘束され死亡した大川原化工機事件を例に挙げ、「無罪を主張すれば長期間勾留されることを、捜査機関は供述を強要する手段として悪用しており、多くの冤罪を生み出しています」と批判。

裁判所が保釈を判断するルールを見直し、「例外的に身体拘束を継続する場合には、その理由を具体的に明示しなければならないとする制度を求めます」とした。

また、裁判のやり直し「再審」に関する議論でも論点となっている証拠開示について、「証拠を保管している検察官が、不開示とする証拠を、理由を示して特定し、それ以外の証拠は速やかに開示する義務を負う仕組みを求めます」と求めた。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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