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横綱昇進「大の里」快挙に落ちる影、父手記が波紋…相撲留学で石川県離れ「裏切り者と呼ばれた」 県の見解は
横綱に昇進した大の里(写真:東京スポーツ/アフロ)

横綱昇進「大の里」快挙に落ちる影、父手記が波紋…相撲留学で石川県離れ「裏切り者と呼ばれた」 県の見解は

日本相撲協会は5月28日、大関・大の里(二所ノ関部屋)の第75代横綱昇進を決めた。大の里は伝達式で「横綱の地位を汚さぬよう稽古に精進し、唯一無二の横綱を目指します」と決意を述べた。

日本出身横綱は師匠の二所ノ関親方(元稀勢の里)以来、8年ぶりとなる。この快挙に地元石川県は喜びに湧くが、大の里を石川県外に相撲留学させたことで「裏切り者」と呼ばれた過去を父親が明かして波紋を呼んでいる。

石川県は手記について「コメントする立場にない」と回答した。

●赤裸々な手記「裏切り者と言われた」「それまでのように指導できなくなった」

手記は大の里が昇進を確実とさせたタイミングで日刊スポーツを通じて公開された。

息子を祝福するとともに、二所ノ関親方や応援してくれた人たちに感謝を述べるところから手記は始まる。

しかし、中学で新潟県糸魚川市に「相撲留学」を決めたことにより、「相撲どころの石川県を離れることで、多くの人に『裏切り者』と言われました」と記す。それでも変わらない態度で接してくれる人はいたものの、大の里を他県に相撲留学させたことによって、父親は地元の少年相撲教室でも「それまでのように指導ができなくなりました」と明かした。

また、大の里が大学の相撲部の友人に「オレたち親子は、本当につらかった」と涙を流しながら話したことも振り返り、「自分のせいで、私まで相撲と関わることができない状況にしてしまったと、責任を感じていたようでした」とした。

この手記による父親からの投げかけをうけて、ネットやSNSには「そんな手記を書くなんて、よほど悔しかったのでしょう」「本人達は忘れているかもしれないですがやられた方は一生忘れられないんじゃないんですか」などと親子の苦労に思いを馳せる声が上がった。

それととともに、「田舎の悪いところが詰まっててすごく辛い」「悪い意味での村意識の強さを感じました」など風土やスポーツ界の体質を疑問視する声も寄せられることになった。

●大の里「能登を勇気づけたい」

大の里の父親の手記に対して、石川県はどのように受け止めているのだろうか。

石川県に取材したところ、広報課がスポーツ振興課に確認したうえで「大の里関の父親の手記の件につきましては、石川県としてコメントする立場にございません」と回答した。

地震に被災した石川県の能登を訪れた大の里は、5月28日の昇進会見で「石川県を能登を勇気づけるために横綱として頑張っていきたい」と語った。

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

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