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夫の定期券を"ちょっと借りただけ"でも「88万円」の請求…JR旅客営業規則に記された驚きのルール
写真はイメージです(bee / PIXTA)

夫の定期券を"ちょっと借りただけ"でも「88万円」の請求…JR旅客営業規則に記された驚きのルール

「88万円なんて払えない!」

駅の改札口でそう言って泣いている女性を見かけたという投稿が注目を集めています。

エックス(旧ツイッター)の投稿によると、その女性は夫の定期券を借りて、改札を通過しようとしたところ、呼び止められてしまったそうです。そして定期券は没収されて、請求された運賃が「88万円」だったとのことでした。

ちょっと家族の定期券を借りて出かけただけ、という軽い気持ちだったのかもしれません…。女性に何が起きたのでしょうか。

⚫️なぜ高額請求に?

JR東日本の旅客営業規則では、家族や友人など他人の定期券を借りて電車に乗ろうとした場合、「無効として回収する」と定められています(168条1)。

それだけではありません。他人の定期券を利用した場合、不正利用として「普通旅客運賃」とその2倍に相当する額の「増運賃」をあわせて請求されてしまいます(265条)。

この場合の「普通旅客運賃」とは、定期券の利用開始日から無効となった日まで、その定期券の区間を毎日1往復した額となります。

ですので、たった1回の不正利用でも、高額請求されてしまっても不思議ではありません。

投稿にあったように、夫の定期券の区間が片道約1200円、定期の利用開始日を9月1日として、12月26日に無効となった場合を計算すると、請求額は80万円を超えることになります。

弁護士ドットコムにも、同様の相談が寄せられています。高額請求に困ったり、不正利用が社会生活に影響しないか心配するものです。

「高校生の娘が友人の定期券で不正乗車をしてしまいました。定期券が他人のものであること、期限切れであることなどから、42万円を請求しますと電話で説明されました」

「先日、旦那の定期券を使用し電車にのりました。旦那の定期券だとバレ、没収されてしまいました。駅員には初回購入からの往復代×3倍を払うよういわれました」

思わぬ高額請求にあわないためにも、家族や親しい人の定期券だから大丈夫と思わず、不正利用をしないことが大切です。

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