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ジャニーズとメディアの"不適切な関係"は終わるのか? 東山紀之新社長、忖度や妨害は「一切なし」と明言
ジャニーズ事務所の会見(左から、井ノ原さん、東山さん、藤島さん/2023年9月7日/弁護士ドットコム)

ジャニーズとメディアの"不適切な関係"は終わるのか? 東山紀之新社長、忖度や妨害は「一切なし」と明言

ジャニーズとメディアの"不適切な関係"は、はたして終わりを迎えるのか――。ジャニーズ事務所の創業者、故ジャニー喜多川氏の性加害を認めた「再発防止特別チーム」の調査報告書を受けて、ジャニーズ事務所は9月7日、都内で、初めての記者会見を開いた。

報告書では、ジャニー氏の性加害が長らく続いた背景として「マスメディアの沈黙」があったことが指摘されていた。そのため、この日の会見では、過去・未来の「ジャニーズとメディアとの関わり」という点にもフォーカスがあたった。

●「ジャニ担」優遇を止めて「不都合なメディア」との対話も約束

ジャニー氏の性加害をめぐっては、週刊誌を中心に問題を報じてきたものの、2023年に入って、英国の公共放送BBCによるドキュメンタリーや、元ジャニーズJr.が記者会見で告白するまで「多くのマスメディアが正面から取り上げてこなかった」と指摘されている。

特別チームの報告書は「ジャニー氏の性加害を取り上げて報道すると、ジャニーズ事務所のアイドルタレントを自社のテレビ番組等に出演させたり、雑誌に掲載したりできなくなるのではないかといった危惧から、ジャニー氏の性加害を取り上げて報道するのを控えていた状況があったのではないかと考えられ」としている。

テレビや全国紙、出版社、スポーツ紙には、ジャニーズ事務所とのリレーションを担う「ジャニ担」という存在がある。

ジャニー喜多川氏の性加害問題に限らず、ジャニーズにとって不都合な情報を書く記者・媒体は排除されて、ジャニーズにとって都合の良い記事を書く記者・媒体は優遇されるという問いかけもあった。

これを受けた東山さんは、ジャニーズに不都合なことを書く相手であっても、今後は取材対応していく考えを示した。

「メディアの方たちとの対話が必要だと思っております。僕自身やることで、対話が深まればいいのかなと思います」(東山さん)

ジャニー氏のめいで、社長を辞任した藤島ジュリー景子さんも会見で、これまでの取材対応が不十分だったことを認めた。BBCのドキュメンタリーが放映された今春ころから、藤島さん指示のもと「窓口を広げ、可能な限り答える」ように改めたという。

画像タイトル 会見に集まった報道陣

●元ジャニーズや競合グループの活動「妨害しません」

ジャニーズの圧倒的な人気を背景として、競合グループや辞めたタレントがテレビ番組などに長らく出演できなくなるなどの問題も指摘された。そこには、事務所からの「圧力」のほか、マスメディア側が「忖度」している状況もまた考えられるところだ。

ジャーナリストの松谷創一郎さんは会見の質疑応答で、ジャニーズタレントが常連として出演するテレビ朝日『ミュージックステーション』をあげつつ、この問題に言及した。

競合グループや辞めた元ジャニーズのタレントを事務所として「妨害しないこと」、テレビ局側にも「忖度する必要がないこと」を明言するよう求めた。

これを受けるかたちで、東山さんから「(妨害しないことは)もちろんです」「(忖度は)必要ないと思ってます」という答えを引き出した。

●井ノ原さんも「忖度」に問題意識

関連会社「ジャニーズアイランド」社長として、ジャニーズJr.の育成を手掛ける「元V6」井ノ原快彦さんもまた、メディアの「忖度」に問題意識を見せた。

「僕もこういう(関連会社社長の)立場になって、これはなんでこうなんだろうと疑問に思うことがあったんです。『なんでこうなの?』と聞くと、『昔ジャニーさんがこう言ったから、メリーさんがこう言ったから』というスタッフがいたことも事実です。

『変えようよ』と毎日言ってます、だから忖度をなくそうと言っても、急に忖度がなくなるわけじゃないと思う。忖度は日本にはびこってる。忖度をなくすのは大変です。

(メディアの)みなさんの問題でもあり、一緒に考えていく問題でもあると思いますから。これはご協力いただいたほうがいいと思います」(井ノ原さん)

●報道番組キャスターが「口をつぐむ」異様な状況への釈明

性加害問題が大きく報じられ始めようとする矢先、テレビ各局のニュースを扱う報道番組には、キャスターとして複数のジャニーズタレントが起用されているが、今回の問題に「口をつぐむ」異様な状況が発生した。

そうした状況の中、テレビ朝日の情報番組「サンデーLIVE!!」でキャスターをつとめる東山さんが口火を切って発言した際、「後輩には極力待ってもらいました」と述べていた。

他局や他の報道番組の介入にあたるような行為であり、ジャニーズ事務所が報道番組の編集内容に口出しできるのではないかと問題視されたが、東山さんは会見で「誤解を生んだ言葉だった」と釈明した。

「待ってほしいとたしかに言いました。誤解を生んだ言葉だと思う。うちの後輩の10代〜20代の方にも(取材の)直撃がいったらしいです。それを考えたときに、若い子たちの言葉が先走るのはいけないと思いました」(東山さん)

そのうえで、ジャニーズタレントがニュース番組のキャスターをつとめることには、「ダメなことではないんじゃないか」と話した。

なお、社長就任に伴って、東山さんは「サンデーLIVE!!」のキャスターをすでに降板したことも発表した。

集まった報道陣は300人を数え、39台のムービー、62台のスチールカメラが4時間超えの会見を追いかけた。新生ジャニーズの「約束」は果たされるのか。

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