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エホバの親「ムチ打ち」の実態…「愛を理由にした支配だ」元信者がアンケート結果発表
国会議員や厚労省職員らに実態を説明する(左から)綿和さん、奥田さん(2023年3月14日、弁護士ドットコム撮影)

エホバの親「ムチ打ち」の実態…「愛を理由にした支配だ」元信者がアンケート結果発表

キリスト教系の宗教団体「エホバの証人」の元信者が、225人にムチ打ちに関するWebアンケートを2021年9月におこなった。データをまとめた「JW児童虐待被害アーカイブ」代表の綿和孝さん(仮名)、広報の奥田咲里栄さんが2023年3月14日、結果を厚労省に提出し、厚労省や野党ヒアリングの場で公表した。

実態調査結果によると、回答した217人のうち75%が未就学児のころからムチを受けていた。綿和さんが注目したのは「ムチ打ち後の抱きしめ」(47件)が90年代以降に増えていること。「愛しているからムチをするんだというDVなどと同じ『心のコントロール』だ」と強調した。

●痛さと涙と共に見つめた線香花火

アンケートは綿和代表が「SNSなどで上がる声を記録として残しておく必要がある」と奥田さんと手塚麻子さん(仮名)とまとめた。年代は1970〜1990年代生まれが多いものの、一番若くて2004年生まれも含まれており、近年も続いている問題だとしている。

集計していたのは、2022年7月の安倍元首相の銃撃事件で宗教2世が注目される前のことだった。公表まで時間がかかったのは、スタッフ内でも、取りまとめしながら自身の過去がフラッシュバックしたからだという。

「ある夏の日、スーパーで手持ち花火が欲しいとねだったんですね。母はだめだと言ったけど、どうしても欲しかった。『ムチするけどいいのか』と言われて、それでもいいと買ってもらった。痛みと共に、泣き腫らした目で線香花火の玉を見つめたことを覚えています」(綿和代表)

●もうやめようと言えば全員救われる

ムチの理由は「集会での態度(居眠り・注意散漫など)」が最多(207件)だった。ムチをされた場所は「家庭内」がほぼ全数だったものの、「王国会館」「大会ホール」などの団体の集会などでの行為も半数超あった。

綿和代表は、公然と行われているということは、組織的な虐待だと説明。「これまでエホバの証人は公式に反省のコメントは一度も出していません。無視して逃げ続けている。いま家庭内で苦しんでいる子がいる。団体がもうやめましょうと言うだけで救われる」と訴え、厚労省の担当者らに指導を求めた。

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