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ベテラン弁護士から「げんこつで殴られた」 女性事務員がパワハラ提訴 「労災」は認定済
会見を開いた女性

ベテラン弁護士から「げんこつで殴られた」 女性事務員がパワハラ提訴 「労災」は認定済

横浜市内の法律事務所で、女性事務員(40代)が男性弁護士(80代)から殴られるなどのパワハラ被害にあっていたことがわかった。精神疾患を発症し、労災が認定されている。2月7日、女性と代理人が記者会見を開いて公表した。

労働基準監督署の資料によると、女性は2010年の就業以来、上司にあたる弁護士から複数回、げんこつで殴られている。2019年3月に精神疾患を発病し、業務に起因するものとして、2021年3月に労災が認められた。

女性によると、殴られてたんこぶができることもあったといい、「上司の機嫌の差の激しさに振り回されてきた。機嫌が悪くなるのが怖かったので、どんなことを言われても我慢するしかなかった」などと語った。

弁護士業界でも、ハラスメントは珍しくないという。女性側代理人として出席した弁護士は、それぞれ次のようにコメントした

「表沙汰になることは少ないが、イソ弁(居候弁護士)や事務局につらくあたるなど、残念ながら弁護士の世界でもパワハラやセクハラの話は耳にする」(佐々木亮弁護士)

「法律事務所など、職場が小さく使用者の社会的地位が高い場合、労働者が言いたいことを言えないことが起きやすい」(嶋﨑量弁護士)

現段階では、懲戒請求はしていないという。

●裁判で争う

女性はこの日、げんこつの弁護士のほか、この弁護士と事務所を共同経営する別の弁護士も相手取って、慰謝料約190万円などを求める訴訟を横浜地裁に起こした。

女性は2019年10月から事務所を休職。休職期間は2回延長されたが復職できず、2020年7月末に解雇された。労働基準法19条は、業務上の病気による休業中は原則解雇してはならないとしている。女性側は、解雇無効を主張し、労災の休業補償分を除いた賃金相当額なども求めている。

弁護士ドットコムニュースでは、この事務所に電話とメールでコメントを求めている。回答があれば追記する。

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