ツイッターの有名右派アカウントは「自民党」取引企業? 立民・小西議員が名誉毀損で提訴
「Dappi」のツイッターアカウント

ツイッターの有名右派アカウントは「自民党」取引企業? 立民・小西議員が名誉毀損で提訴

ツイッター上で名誉毀損されたとして、小西洋之参院議員ら立憲民主党の議員2人は10月6日、右派アカウント「Dappi」(@dappi2019)の運営と思われる企業とその社長、取締役の2人を相手取り、計880万円の損害賠償と投稿削除などをもとめる訴訟を東京地裁に起こした。

●16万フォロワーもの右派アカウント

Dappiは、2019年6月に開設されたアカウント。自民党の特定政治家などを支持するネット右派として知られ、現在では16万ものフォロワーがいる。

小西議員は弁護士ドットコムニュースの取材に対して、提訴に至った経緯を次のように説明した。

「Dappi氏が以前から、私の国会質疑などについて、その趣旨をまったく別のものに仕立て上げて、かつ断片を取り上げるなどして、私の人格や国会議員としての活動を貶めるようなツイートを繰り返していたことは知っていました。それに対して、法的措置を警告したこともあります」

このまま虚偽の情報を放置すれば、社会的評価を低下させ、人格や国会議員としての資質に重大な問題があると誤解を与える可能性がある。小西議員らは、名誉毀損で損害賠償請求をするとともに、ツイートの削除と謝罪広告の掲載ももとめて、提訴に踏み切った。

●たどりついた企業は…

提訴に先立ち、Dappiの発信者情報を調べる必要があった。

まず、小西議員らはツイッター社に対して、発信者情報開示を申し立てて、仮処分決定を得た。この決定にもとづき、ツイッター社から、Dappiがログインした際のIPアドレスなどの発信者情報の開示を受けた。

その発信者情報によると、NTTコミュニケーションズを経由してツイッターにログインしていることが判明した。今度は、NTTコミュニケーションズを被告として、発信者情報開示請求訴訟を東京地裁に起こし、この判決によって、IPアドレスを使用した契約者に関する発信者情報の開示が得られた。

煩雑な手続きを経てたどりついたのが、ある「法人」だったという。

●主要な販売先が「自民党」

弁護士ドットコムニュースが独自に取材したところ、この「法人」とはある企業で、その公式サイトには、ウェブサイトや広告の企画・制作などが事業内容として説明されている。また、この企業は会社情報検索サイトに、主要な販売先の筆頭に「自民党」を挙げている。

また、かねてよりDappiからの投稿は平日に集中し、土日にはほとんど投稿がされていないことがネットでは知られている。投稿内容も、ネットニュース番組「真相深入り!虎ノ門ニュース」の動画や新聞記事から、出演者や執筆者の発言を引用するものが多く、ある程度の作業が必要なものだ。

【追記】

弁護士ドットコムニュースはこの企業に対し、Dappiとの関係性や訴訟について質問を送ったところ、次のような回答が得られた。

「お問い合わせの件につきましては、国会議員が弊社を提訴したと聞きました。

訴状を見ていないのでコメントのしようもなく回答は差し控えさせていただきます」

(2021年10月12日20時)

●「違法な言論は民主主義を歪める」

弁護士ドットコムニュースの取材に対して、小西議員は訴訟の目的を次のように語る。

「訴訟の目的は、名誉毀損に対する損害賠償請求や、ツイートの削除要求、謝罪広告の掲示を求めています。

ただ、Dappi氏おいては、この訴状の対象である名誉毀損行為以外にも、わたしや野党議員に対して、違法行為と思えるツイートを繰り返してきました。

政治家の言論が、適正な批判あるいは国民のみなさまからの監視を受けることは、民主主義社会にとって必要不可欠なことだと考えています。

しかし、Dappi氏は国会議員の発言を意図的に改変して、まったく別の発言のようにするということは、言論の自由、また民主主義のプロセスの中にあるべき批判と監視のあり方ではないと思います。

そうした言論は、かえって民主主義を歪めるものになると思いますので、この訴訟を通じて社会におけるそうした歪んだ言論のあり方が是正されることを願っています」

●プラットフォームの責任

一方で、ネット上の名誉毀損について、手続きや訴訟の難しさも指摘した。

「ネット上の違法な言論については、社会の中で厳しく責任が問われるべきだと思っていますが、制度上の課題も大きいと思っています。発信者情報開示請求の手続きは難しく、費用もかかります。

開示が認められ、提訴して裁判で勝ったとしても、得られる賠償金額はかかった費用よりも少ない場合があります。ですので、今後、こうした手続きやその費用面が負担軽減されることが望ましいと考えています」

また、小西議員は以前、ツイッターで、Dappiとは別のアカウントから「殺害予告」を受けたことがあるという。

「その時は、『お前を殺す』と同じ人物が3回、ツイートしました。そこで即座に警察に通報して結局、有罪となりましたが、ツイッター社に連絡してただちに削除してほしいむね要請したものの、迅速とはいいがたい対応だったと思います。

プラットフォームの責任は大きいと思っています。明らかに違法な殺害予告や差別の投稿などに対しては、迅速かつ適切な対処をおこない、違法行為の停止と被害者の救済をとる必要があるでしょう。社会的責任を果たせる体制を整えてほしいと思います」

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