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長期収容の外国人に「命の危機が迫る」 抗議のハンストや自殺未遂で限界に
指宿昭一弁護士(左)と駒井知会弁護士(2020年11月5日/弁護士ドットコム撮影)

長期収容の外国人に「命の危機が迫る」 抗議のハンストや自殺未遂で限界に

法務省・出入国在留管理庁の施設で長期収容されている外国人に命の危機が迫っている――。

長期収容されている外国人2人の代理人が11月5日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いて、そのように訴えた。今月中にも、国連人権理事会の作業部会に「緊急アピール」の申し立てをおこなうという。

国連の恣意的拘禁作業部会はことし8月(通告は9月30日)、イラン国籍の男性とトルコ国籍(クルド人)の男性の長期収容についての個人通報を受けて、「日本の入管収容は国連人権規約に反する」という意見を採択している。

●体重が20キロ以上落ちて衰弱している

命の危機が迫っているというのは、イラン国籍のマジットさん(52)とコンゴ民主共和国籍のムンデレさん(50)。いずれも難民申請者だ。

マジットさんの代理人をつとめる指宿昭一弁護士によると、マジットさんは2017年2月、東京入管(東京都港区)に収容されたあと、東日本入管センター(茨城県牛久市)に移収された。その後、わずか2週間の「仮放免」(施設の外に出る許可をもらうこと)と再収容を三度も繰り返されている。

ことし8月からは、体調を崩して、摂食障害に陥っている。こうした状況にもかかわらず、マジットさんは長期収容に抗議するため、10月に入ってハンガーストライキをはじめた。8月に75キロあった体重が、20キロも落ちて、すっかり衰弱しきっているという。

●自殺未遂を繰り返している

ムンデレさんの代理人をつとめる駒井知会弁護士によると、ムンデレさんは2006年、祖国で迫害の危険を感じて国外に脱出し、2008年に来日した。これまで3度も難民申請したが、認めてもらえず、2018年2月から現在まで、2年8カ月以上にもわたって東京入管に収容されている。

ことし4月、コロナ下の収容に抗議するために部屋に戻らなかったことで、男性職員に制圧されて、下着姿で連行されるということもあった。現在は、心身ともにボロボロで、自殺未遂を繰り返しているという。適応障害と急性ストレス障害(疑い)の医師意見書も出ている。

この日の会見で、マジットさんとムンデレさんは電話越しで解放をうったえた。

ほかにも、ハンストなどで命の危機にさらされている人たちがいるといい、指宿弁護士は「長期収容で健康上の問題がある人は外に出すべきだ」と訴えた。駒井弁護士は「収容されている人は絶望感を高めており、その中にはまったく収容の必要性・合理性のない人たちがたくさんいる」と述べた。

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