寒波の影響で、空き家などの水道管が破損して断水する地域が出た。
京都市右京区の山間部では、1月11日夜から、各住宅などの水道管の一部が凍結して破損。水漏れが発生して、貯水池の水がなくなり、約900戸で断水した。徳島県東みよし町でも同じような断水が起きた。
京都市上下水道局によると、これまでも凍結はあったが、水漏れはそれほどの頻度で発生していなかった。空き家の水道管が破損した場合、止水までに時間がかかるため、その影響が大きいという。
●原則として、その家の持ち主が修理費を負担する
今回のように住宅の水道管が破損した場合、その修理費はだれが支払うことになるのか。中島宏樹弁護士が解説する。
「水道管の凍結・破損は、どの地域でもありうる事故です。家の持ち主(所有者)は、水道管を凍結・破損させないようにする義務を負っています。この点は、空き家だろうと、人が住んでいようと変わりありません。
修理費用は、原則として、家の持ち主が負担することとなります。
家屋のメンテンナンスを怠ったり、水抜きなどの凍結防止対策を怠ったりしたことが原因で漏水事故を発生させ、第三者に損害を与えてしまった場合は、家の持ち主は、その賠償責任を追及される可能性があります」
家の持ち主はどのようなことに気をつければよいのだろうか。
「普段から家のメンテナンスをおこない、異変を発見したら速やかに修理(空き家であっても)する、長期間不在にする際は水を抜く、少量の水を流しておくなどの凍結防止対策を取るということにつきます。なお、火災保険の中には、(凍結)水道管修理費用が補償対象となるものがあるようです。自衛策としては、そういった保険に加入しておくことも考えられます」
京都市上下水道局によると、水道管の凍結・破損による断水の責任まで求めることはないという。