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女子高生が企画した「尻叩かれ屋」 ハリセンで叩いた客は「暴行罪」?
自分の尻を叩かせる「尻叩かれ屋」というパフォーマンスがあるという

女子高生が企画した「尻叩かれ屋」 ハリセンで叩いた客は「暴行罪」?

「JKのお尻を叩いてみたいと思いませんか?」。女子高生がそう呼びかけ、自分たちの尻を叩かせる「尻叩かれ屋」というパフォーマンスを行って、ネットで注目を集めた。

女子高生のブログなどによると、今年2月「何か面白いことがしたい」とツイッターで参加者を呼びかけ、都内の公園で数回実施した。叩くのはスカートの上から。客は手で直接叩くのではなく、ハリセンなどを使う。参加は無料だったという。

実際に参加した「客」はそれほど多くないようだが、ツイッターなどで話題になった。「企画として面白い」と笑い飛ばす人がいる一方で、「公園でSM」「通報されないの?」といった声も挙がっている。

ブログでは終始明るくて楽しそうなノリなので、特別いやらしい感じはしないが、「公園で女子高生の尻を叩く」という部分だけ抜き取ると、いかがわしく聞こえなくもない。例えば、こうしたパフォーマンスに参加した客や主催者が、暴行や公然わいせつなど、何らかの罪に問われる可能性はあるのか。佐藤大和弁護士に聞いた。

●ハリセンで叩くと、暴行罪になってしまうのか?

「最近の女子高生は、面白い企画を考えますね・・・・」

佐藤弁護士は感心した様子をみせながら、「尻叩き」について、法的な観点から次のように説明する。

「法律上、人を殴ったり蹴ったりして、ケガをさせた場合は『傷害罪』、殺すつもりがないのに死なせてしまえば『傷害致死罪』という罪になります。また、ケガをさせなくても『暴行罪』となります」

では、ハリセンで叩く行為も「暴行罪」なのか。

「必ずしもそうではありません。叩かれた側の『承諾』があり、その目的や行為などが社会常識の範囲内であれば、傷害罪や暴行罪にならないとされています。

今回のケースでいえば、女子高生たちは、尻を叩かれることについて『承諾』しています。したがって、優しくハリセンなどで叩く場合は、暴行罪や傷害罪にならないでしょう。しかし、思いっきり叩いて女子高生にケガをさせてしまったとしたら、社会常識の範囲を超えたとして、傷害罪になりえます」

つまり、程度問題だということだろう。ほかに成立する可能性がある犯罪として、佐藤弁護士は「公然わいせつ罪」をあげる。

「衆人環視の場で公然と、性行為をしたり、下半身の大事な部分を露出すると、公然わいせつ罪になります。しかし、公園内で、女子高生のお尻を叩く程度であれば、公然わいせつ罪にはならないでしょうね」

●「尻叩かれ屋」と「JKリフレ」の違いはどこにあるのか?

女子高生(JK)といえば、最近、問題になったのが、女子高生が添い寝などのサービスを提供する「JKリフレ」の摘発だ。

「JKリフレのように、参加料を有料などにして、「尻叩かれ屋」を事業として行っていた場合には、SMプレイを連想させます。そうなると、18歳未満の年少者をいかがわしい業務、それに類する行為に就労させたとして、主催者が労働基準法違反になる可能性はゼロではありません」

このように佐藤弁護士は指摘する。また、「各地域の条例によっては、公園内で、周囲に迷惑をかける行為としたとして、過料を処せられる可能性もあります」ということだ。

どうやら女子高生による「尻叩かれ屋」は、一時的な企画として行われる分には、犯罪とまではいえないようだ。ただ、それも程度しだい。どこまでが「社会常識の範囲内」といえるかは、なかなか難しい問題だが、女子高生たちには「一線」を超えないように注意してほしい。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

佐藤 大和
佐藤 大和(さとう やまと)弁護士 レイ法律事務所
代表弁護士。芸能人の権利を守る「日本エンターテイナーライツ協会(ERA)」共同代表理事。エンターテインメント分野に強く、多くのタレント、アーティスト、ユーチューバー、スポーツ選手等の顧問弁護士をしている。厚生労働省「過重労働解消のためのセミナー及び過重労働解消キャンペーンに関する広報事業検討委員会」委員長、文化庁「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議」委員なども務めている。

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