北九州市最大のソープランド「バカラ」(同市小倉北区)が9月18日、売春防止法違反の疑いで摘発された。売春する場所を提供したとして、経営者やマネージャーらスタッフ計6人が逮捕されている。
風営法上、特殊浴場(ソープランド)は「浴場業の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業」と定義されている。
「お風呂場で出会った男女が自由恋愛の末に性行為する」という建前だが、実際には金を介在した売春が行われていることが広く知られている。
警察の胸一つでいつでも摘発できるわけだが、どんな基準で摘発されているのだろうか。ナイトビジネスの法律問題にくわしい若林翔弁護士に聞いた。
●「暴力団の関与」「やりすぎの店舗」は危ない
若林弁護士によると、警察が踏み込むときは大きく2パターンに分けられるそうだ。1つ目は暴力団が絡んでいるケース。報道によると、今回も収益が暴力団に流れていた可能性が疑われているようだ。
「経営に関与している場合はもちろん、条例によって『みかじめ料』を納める側にも罰則がある都道府県もあります。暴力団とかかわりがある店は厳しく取り締まられる傾向があるようです」
2つ目は、警察の指導を逸脱したとき。ソープランドは風営法で経営場所が限られており、ソープ街では複数店舗による「組合(協会)」があることがほとんどだという。
「警察は組合との距離が近く、組合を通して店舗を指導しています。組合の取り決めを逸脱するような店舗があれば、警察が踏み込んでくることがあります」
このほか、店とスタッフが揉めたときなどにも警察が関与してくることがあるそうだ。
「警察は今のところ潰すのではなく、もともとある商売だからということで、指導の目を光らせながら管理するという立場をとっているようです」