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神田 元弁護士

( かんだ げん ) 神田 元

神田元経営法律事務所

不動産・建築

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【立退き案件】【賃料増減額案件】その他不動産に関する紛争を多数解決しています。不動産に関する問題なら、まずは、お気軽にご連絡ください。初回相談料は無料です。

不動産・建築の詳細分野

賃貸トラブル

  • 賃料・家賃交渉
  • 建物明け渡し・立ち退き
  • 借地権

売買トラブル

  • 欠陥住宅
  • 任意売却

近隣トラブル

  • 騒音・振動
  • 土地の境界線

対応体制

  • 女性スタッフ在籍
  • 当日相談可
  • 電話相談可

お支払い方法

  • 法テラス利用可
  • 初回相談無料
  • 分割払いあり

不動産は、資産として、また、事業や生活の基盤として重要な財産です。
当事務所では不動産に関する多数の法律問題を解決してきました。
相談者の方に最大の効果をもたらすべく迅速な対応をいたします。

▶︎業務内容
*建物の立退きに関する交渉・裁判手続
*賃料増額・減額に関する交渉・裁判手続
*賃料不払等に基づく不動産の返還に関する交渉・裁判手続
*共有物分割に関する交渉・裁判手続
*境界紛争に関する交渉・裁判手続
*建築瑕疵に関する交渉・裁判手続
*不動産売買契約リーガルチェック など

▶︎解決事例
 上記業務内容に関する実績については『解決事例』ページをご参照ください。
 
▶︎神田元経営法律事務所ホームページ
http://www.kanda-law.jp/
不動産案件だけでなく「企業法務」「遺産相続」についての解決事例も掲載しています。
コラムも定期的に更新しており情報発信しております。

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神田 元弁護士

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神田 元弁護士

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神田 元弁護士

不動産・建築の料金表

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項目 費用・内容説明
相談料 初回相談料無料
2回目以降30分ごと5,500円(税込)

着手金 11万円(税込)からとし、原則として、下記の基準により算定される金額といたしますが、事案の難易度や事情等により柔軟に対応させていただきます。

<経済的利益の額>
330万円(税込)以下の場合:8%(最低額11万円)
330万円(税込)を超え3300万円(税込)以下の場合:5%+9.9万円(税込)
3300万円(税込)を超え3.3億円(税込)以下の場合:3%+75.9万円(税込)
3.3億円(税込)を超える場合:2%+405.9万円(税込)

報酬金 22万円(税込)からとし、原則として、下記の基準により算定される金額といたしますが、事案の難易度や事情等により柔軟に対応させていただきます。

<経済的利益の額>
330万円(税込)以下の場合:16%(最低額22万円)
330万円(税込)を超え3300万円(税込)以下の場合:10%+19.8万円(税込)
3300万円(税込)を超え3億円以下の場合:6%+198万円(税込)
3.3億円(税込)を超える場合:4%+811.8万円(税込)
実費 交通費、必要書類の取得費用、印紙代、切手代、送料などの実費をご負担いただきます。
備考 弁護士報酬につきましては、齟齬のないように、皆様にご説明の上、見積書及び委任契約書にて具体的な金額や計算方法を明確に記載いたします。疑問点など、お気軽にお問い合わせください。
個別料金に関しましては、直接弁護士にご確認をいただくことをお勧めします。

不動産・建築の解決事例(12件)

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不動産・建築の解決事例 1

建物賃貸借立退き事案(賃借人側)

  • 建物明け渡し・立ち退き

相談前

相談者である会社は、都内中心部3区に所在するビルに貸室(事務所使用)として10数年賃借していましたが、賃貸人からビルを取り壊してマンションを建築するので立ち退いてほしい、立退料として1000万円程度提供するといわれました。しかし、相談者としては、長年同じ場所で営業していたので、他に転居するとなると客離れとか相当経営に影響が出ると見込まれるので、どのように対応すればよいか相談がありました。

相談後

まずは、相談者に貸室を出ていくとは言わず、「ずっとこの貸室に居させてください。」という対応を賃貸人側にするように指示しました。そうしますと想定通り、賃貸人は、簡易裁判所に調停を申し立てましたので、私が代理人として付くことになりました。当方としては、賃貸人の立退き請求には借地借家法上の「正当事由」がないことを強く主張しまして、調停の途中で賃貸人側がビルを第三者に売却した事情もあり、結局、新賃貸人との間で立退料2億円で調停が成立し、解決しました。

神田 元弁護士からのコメント

神田 元弁護士

建物の普通賃貸借においては、契約期間が満了となったとしても単純に賃借人が建物を明け渡すことはありません。借地借家法28条においては、「・・・建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件としてまたは建物の明渡しと引き換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申し出をした場合におけるその申し出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなけければ、することができない。」と規定されています。ちなみに、「財産上の給付」のことを、通常「立退料」と呼んでいます。
そこで、建物の賃借人としては、賃貸人側に正当事由がないことを主張し、正当事由が足りないことを保管するための「立退料」については、賃借人として立ち退くことによる不利益について金銭化して主張することとなります。「立退料」は、本案件のような商業テナントの場合、①転居先賃料との差額の補償、②未償却資産の補償、③引越しに係る費用、④営業補償の合計額となります。
今回の案件については、④の営業補償の算定が問題となりましたが、当方の主張する営業補償額について、調停委員が賛同してくれ、①-②の総額2億円という金額で調停が成立したものです。商業テナントの立退き交渉においては、「営業補償」が一番問題となりますので、賃借人側とするといかに立退きにより営業上の損失を被るかを主張・立証していくかがカギとなります。

不動産・建築の解決事例 2

建物賃貸借立退き事案(賃貸人側)

  • 建物明け渡し・立ち退き

相談前

相談者である会社は、都内中心区に所在する木造平屋建ての建物・敷地を購入しました。同建物には、30年ほど前から飲食店が賃借していましたが、相談者は、賃借人を立ち退かせ、木造建物を取り壊して事務所ビルを建築するという計画でした。そこで、相談者から、賃借人に対し、ある程度の補償をするので、当該建物から立ち退いてほしいと申し入れをしました。しかし、賃借人からは1億円の立退料を支払ってもらえるのならば立ち退いてもいいという回答があり、相談者としてはどのように対応すればよいか相談がありました。

相談後

相談を受け、まずは適正な立退料を試算しました。試算根拠は、下述しますが、約1500万円とはじき出しました。その上で、賃借人側(すでに代理人がついておりました。)に対し、交渉を申し入れしました。賃借人側も、不動産鑑定士に立ち退き料を6000万円と鑑定させて来たのですが、当方の立退料提示額1500万円とあまりにギャップが大きく、任意の交渉では合意に至りませんでした。そこで、東京地裁に立退き訴訟を提起しました。両者の主張・立証の末、立退料2700万円で立退きを認める和解が成立しました。

神田 元弁護士からのコメント

神田 元弁護士

建物の普通賃貸借においては、契約期間が満了となったとしても単純に賃借人が建物を明け渡すことはありません。借地借家法28条においては、「・・・建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件としてまたは建物の明渡しと引き換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申し出をした場合におけるその申し出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなけければ、することができない。」と規定されています。ちなみに、「財産上の給付」のことを、通常「立退料」と呼んでいます。
そこで、建物の賃貸人としては、賃貸人側に正当事由がある(充足している)ことを主張し、正当事由が足りないことを保管するための「立退料」については、賃借人として立ち退くことによる不利益について金銭化して主張することとなります。「立退料」は、本案件のような商業テナントの場合、①転居先賃料との差額の補償、②未償却資産の補償、③引越しに係る費用、④営業補償の合計額となります。
今回の案件については、まず「正当事由」における”建物の現況”については、建築後相当年数経っており、耐震診断をしたところ、大地震が来た場合倒壊の恐れがあるという診断結果によって建て替えの必要性があることを立証しました。また、建て替えた場合、10階程度の中層階ビルを立てることができ、現状の平屋建てと比較して有効利用が図れることから、”建物の利用状況”においても建て替えの必要性を立証しました。
「正当事由」の充足についてはある程度裁判所にも理解いただきましたが、やはり立退料が問題となりました。一番の争点となったのは、いわゆる借家権価格を立退料に含めるかどうかという点でしたが、当方としては借家権価格はあくまで相続税などの税務目的で必要となるにすぎず、抽象的な机上の数値にすぎないという主張をして、裁判所も当方の主張を認めてくれて、借家権価格を含めない数字である2700万円ということで和解が成立したものです。
賃貸人側の立退き交渉としては、立退料額をできる限り精緻に試算して、賃借人側に理解してもらうということになるかと思います。

不動産・建築の解決事例 3

賃貸人による賃料増額事案

  • 賃料・家賃交渉

相談前

相談者は、東京都心部商業地域において商業ビルを所有しており、1階を小売店舗に普通賃貸借で長年賃貸していました。しかしながら、十数年以上賃料を改定していなかったので、周辺の路面店の賃料相場からは相当低くなっていましたので、賃料増額を賃借人に申し入れました。しかしながら、賃借人からは、景気が悪いとか、決して賃料が低くないとかの理由を持ち出され、賃料増額に応じようとしないので、どうすればいいか相談に来られました。

相談後

まず、相談者のどの程度まで賃料増額したいかという具体的な希望賃料額を参考とした上で、懇意にしている不動産鑑定士に、相談者の物件についての適正賃料を鑑定してもらいました。鑑定してもらった適正賃料額は、現行賃料額よりも相当高額に弾かれていました。
そして、私が代理人となり、賃借人が鑑定した適正賃料額を軸に任意に交渉をしたのですが、全く1円たりとも増額に応じませんでした。そこで、東京簡裁に賃料増額請求調停を申し立てましたが、調停が不成立となったので、東京地裁に賃料増額確認請求訴訟を提起しました。
訴訟において、裁判所が選任した鑑定人が適正賃料額を鑑定しましたところ、現行賃料額から40パーセントも増額されるという結果でした。裁判所からは、和解の勧めがありましたが、結局和解は成立せず、現行賃料額から40パーセントアップの新賃料額で判決がなされ、両者とも控訴しなかったので、判決が確定して解決することとなりました。

神田 元弁護士からのコメント

神田 元弁護士

建物賃貸借において現行賃料を増額しようとする場合、賃貸人・賃借人の増額についての合意が成立すればいいのですが、成立しない場合、借地借家法32条1項の手続に基づいて増額が認められることとなります。両者の合意ができない場合、増額を希望する賃貸人は、まず簡易裁判所に賃料増額請求調停を申し立てなければなりません(これを「調停前置主義」と言います。)。簡裁で調停が不成立となって初めて地方裁判所に賃料増額請求訴訟を提起することができます。
訴訟手続において、賃貸人が請求する新賃料額が適正であることを証明するために、不動産鑑定士に賃料額を鑑定してもらうことになります(これを「私鑑定」と言います。)。借地借家法32条1項において、賃料増額請求をなすための前提条件として、現行賃料の最終合意時点から、新賃料請求の意思表示をなした時点までの期間において、①建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増加、②土地若しくは建物の価格の上昇、③その他の経済事情の変動、④近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときを充足する必要がありますので、私的鑑定においては、適正賃料額の鑑定に加え、これら①-④の項目についても上昇・増加傾向(右肩上がり)であることを鑑定してもらう必要があります。賃貸人としてし鑑定を証拠として提出し、裁判所鑑定人がそれを参考にして、裁判所鑑定人としての適正賃料額を鑑定することとなります。多くのケースでは、裁判所鑑定人の鑑定額で、新賃料額が和解で決定されることとなりますが、和解が成立しない場合、この相談者のように判決をもらうということになります。
賃料増額請求において重要なのは、新賃料が裁判所で決定した場合、賃料増額の意思表示をした時点から現在に至るまでの差額を賃借人に請求できるということになりますので(加えて年1割の利息も請求することができます。)、賃料増額の意思表示は明確に行っておくことが肝要です。また、和解手続となった場合に、裁判所は、この新賃料との差額の支払額を調整することで和解を成立させようとしますので、その点も要注意です。

不動産・建築の解決事例 4

賃借人による賃料減額事案

  • 賃料・家賃交渉

相談前

相談者は、某県某市において建物を借りてパチンコ店を経営していました。しかしながら、パチンコ業界の構造的な不況により売り上げが徐々に減少し、契約したときの賃料ではとても経営が成り立たないレベルまで来たということで、賃貸人に対して賃料減額を申し入れました。ところが、賃貸人からは、「今の賃料が払えないのなら、パチンコ屋を畳んで出て行ってくれ。」と言われ、頑として減額を認めてくれず、どうすればいいのか相談に来られました。

相談後

まずは、現行賃料が周辺相場よりも高い状態となっているのかを相談者に調べてもらったところ、やはり、周辺の商業施設の賃料相場よりも高い状態とのことでした。ならば、当該店舗の適正賃料は幾らかを算定するために、相談者了承の下、懇意の不動産鑑定士に適正賃料を鑑定してもらったところ、店舗については現行賃料から50パーセント以上低い鑑定の数字が出てきました。その鑑定の数字を基に、賃貸人と任意の交渉をしたのですが、相談者に対する対応通り取り付く島もなかったので、鑑定の適正賃料の数字を根拠に、簡裁に賃料減額請求調停を申し立てました。しかしながら、調停では両者の主張の隔たりが大きく不成立となったので、直ちに地裁に賃料減額確認請求訴訟を提起しました。訴訟手続において、裁判所選定の鑑定人により、裁判所鑑定がなされ、現行賃料の約20パーセント減という鑑定結果が出て、裁判所の勧めにより、和解成立で解決しました。
なお、本建物については、賃料減額の和解成立後3年経過したところでもう一度同様の賃料減額手続を行いましたが、賃貸人からの出ていってほしいという強い要求があり、相談者としても当該店舗を閉鎖したいという事情がありましたので、原状回復など相当有利な条件で和解を成立させ、当該建物から立ち退き、事件として終了しました。

神田 元弁護士からのコメント

神田 元弁護士

建物賃貸借において現行賃料を減額しようとする場合、賃貸人・賃借人の減額についての合意が成立すればいいのですが、成立しない場合、借地借家法32条1項の手続に基づいて減額が認められることとなります。両者の合意ができない場合、減額を希望する賃借人は、まず簡易裁判所に賃料減額請求調停を申し立てなければなりません(これを「調停前置主義」と言います。)。簡裁で調停が不成立となって初めて地方裁判所に賃料減額請求訴訟を提起することができます。
訴訟手続において、賃借人が請求する新賃料額が適正であることを証明するために、不動産鑑定士に賃料額を鑑定してもらうことになります(これを「私鑑定」と言います。)。借地借家法32条1項において、賃料減額請求をなすための前提条件として、現行賃料の最終合意時点から、新賃料請求の意思表示をなした時点までの期間において、①建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の減少、②土地若しくは建物の価格の低下、③その他の経済事情の変動、④近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときを充足する必要がありますので、私的鑑定においては、適正賃料額の鑑定に加え、これら①-④の項目についても低下・減少傾向(右肩下がり)であることを鑑定してもらう必要があります。賃借人として私鑑定を証拠として提出し、裁判所鑑定人がそれを参考にして、裁判所鑑定人としての適正賃料額を鑑定することとなります。多くのケースでは、裁判所鑑定人の鑑定額で、新賃料額が和解で決定されることとなりますが、和解が成立しない場合、判決をもらうということになります。
賃料増額請求において重要なのは、新賃料が裁判所で決定した場合、賃料減額の意思表示をした時点から現在に至るまでの賃料差額を賃貸人に請求できるということになりますので(加えて年1割の利息も請求することができます。)、賃料減額の意思表示は明確に行っておくことが肝要です。また、和解手続となった場合に、裁判所は、この新賃料との差額の支払額を調整することで和解を成立させようとしますので、その点も要注意です。
本建物の第2回賃料減額請求手続においては、新賃料の決定という結果ではなく、相談者である賃借人の建物退去という形での解決となりましたが、賃料増額の場合においても、減額の場合においても、賃貸借契約の合意解約という形で終結することはありうることですので、解決の方法として考えておくべきだと思われます。

不動産・建築の解決事例 5

債務不履行解除と建物明渡強制執行事案

  • 建物明け渡し・立ち退き

相談前

相談者は、中央線沿線に賃貸マンションを所有して全室賃貸していましたが、そのうち1室の賃借人が既に5か月以上賃料を支払ってこず、なかなか連絡も取れず困っているということで、何とか明渡してもらえないかという相談がありました。

相談後

まず、賃借人に対して、滞納している賃料を遅延損害金を合わせて直ちに支払うよう催告し、催告期限までに支払わないのであれば、賃貸借契約を解除するという内容証明を送りました。内容証明郵便は賃借人に受領されたようですが、催告期限を過ぎても一向に支払いも連絡もありません。そこで、東京地裁に債務不履行に基づく建物明渡請求事件を訴訟提起しました。第1回の口頭弁論期日を迎えても、被告である賃借人が出頭しませんでしたので、欠席判決となり、原告である当方の請求はすべて認容されました。仮執行宣言がついていますので、早速東京地裁の執行官室に強制執行を申し立てました。
強制執行の断行日には。執行業者に4トントラック1台を用意してもらい、執行官と当該部屋に臨みましたら、今度は元賃借人も在室しており、観念して強制執行を受けることになり、短時間の間に部屋内の動産類を全て運び出して、直ちに部屋のカギを新しく付け替えて、断行は終了しました。

神田 元弁護士からのコメント

神田 元弁護士

建物賃貸借において、よく契約書には「賃料の支払いを1回でも遅延したときには、契約は解除され、直ちに部屋を明け渡すものとする。」というような条項を見受けますが、1回程度の賃料不払いでは裁判所は、明渡認容判決を出しません。最高裁は、建物賃貸借は、賃貸人・賃借人間の高度な信頼関係に基づくものであるから、両者の信頼関係が破壊されたと認めるに足りる程度までの債務不履行がなければ、賃貸借契約の解除を認めないという法理を示しました。これを信頼関係破壊の法理と言います。では、どの程度の債務不履行があれば信頼関係があると認められるかについては、賃料不払いについてはやはり3か月以上の不払いが認められなければ信頼関係破壊とまで言えないかと思われます(もちろん、絶対3か月以上必要というものではなく、何度も1回、2回程度の不払いを繰り返していたというような事情があれば、裁判所も信頼関係破壊を認めたケースもありました。)。
本件で言えば、相談を受けた時点で、既に5か月以上の賃料不払いが継続しており、大家たる相談者から何度も督促しても無視をしてきたというような事情なども加味すれば、十分両者間の信頼関係は破壊されたものと言えましょう。今回は欠席判決でしたので、裁判所も実質的な判断はしませんでしたが、審理したとしても多分同様の判断をしたものと思われます。
さて、元賃借人に対して明渡認容の判決が出て仮執行宣言がついていましたら(もちろん、判決が確定してからでも)、直ちに、東京地裁の執行官室に建物明渡しの強制執行を申し立て、1回目の執行日が決まりました。1回目の執行日は、いわゆる催告執行日と言われるもので、元賃借人に対して執行官から任意での退去を促すものですが、当日、元賃借人はおらず、執行官が次は実際に強制的に建物明け渡しの強制執行を行うといういわゆる断行日を書面で室内に掲示して催告執行は終わりました。ケースによっては、断行までに至らず、元賃借人が任意に荷物を運び出して終了するということもありますので、催告執行日に元賃借人と話し合いができればベターです。
強制執行が断行となっても執行官が自らが建物から動産類を運び出してくれるわけではありませんので、申立側で執行業者を手配する必要があります。執行業者は、動産類の運び出しを行ってくれるほか、処分すべき動産類についての手配もしてくれるのですが、短時間で強制執行を終わらせる必要もあり、通常の引っ越し業者よりも費用が高くなることには注意が必要です。

不動産・建築の解決事例 6

和解条項違反解除と強制執行事案

  • 建物明け渡し・立ち退き

相談前

相談者は、中央線沿線に商業ビルを所有しており、その1階を飲食店に賃貸していました。ところが、何度も賃料不払いを起こして、困っていました。賃借人の滞納が3か月を超えたところで、相談者も我慢の限界を超えたので、何とか退去させてほしいと相談に来られました。

相談後

まずは、相談者の代理人として、滞納している分の賃料全額を遅延損害金とともに支払うよう内容証明郵便で督促をしましたが、不況で売り上げが落ちたからとか、体調を悪くしていたので稼働できなかったとか言い訳をしに来たのですが、滞納賃料の支払いについては、具体的に弁済計画を示さなかったので、東京地裁に、債務不履行に基づく建物明渡請求訴訟を提起しました。さすがに、賃借人も賃貸人の真剣さがようやくわかったのか、裁判において何とか現在の貸室の使用を継続させてほしいと懇願したので、裁判所も今回は和解で解決してはと勧めてきました。和解の内容は、①滞納している賃料については、月額賃料に上乗せして分割で弁済する、②今後2回分以上継続して賃料不払いを起こした場合は、契約は解除され、賃借人は本貸室を明け渡す。という条件でした。相談者としては、しぶしぶでしたが裁判所の提示条件に同意し、和解が成立しました。
その後、1年ほどは、賃借人も延滞分も支払い、月額賃料も約定通り支払っていたのですが、営業が芳しくなかったのか、また賃料延滞が始まり、ついに2回分以上延滞することとなったので、相談者から和解条項の②に基づいて、契約を解除して、強制執行をしてほしいと要請されたので、賃借人に延滞分の全額支払いを求め、それがなされない場合、和解条項の②に基づき、建物を明け渡せとの督促をかけましたが、結局支払えないということで、東京地裁の執行官室に強制執行の申立てをして、明渡を断行してもらいました。

神田 元弁護士からのコメント

神田 元弁護士

解決事例「債務不履行解除と明渡強制執行事案」において、建物賃貸借契約は、賃貸人と賃借人との間の信頼関係が破壊されたと認めるに足りる程度までの債務不履行が認定されないと契約が解除されないという信頼関係破壊法理を説明しましたが、滞納の回数的には、経験則的に3か月分以上が必要と申し上げました。しかしながら、この経験則はあくまで明渡請求訴訟の審理において、他の事情をも勘案して裁判所が信頼関係破壊の程度を判断するときの一種の目安になるものですから、一度、賃料不払いを起こして和解において今後は2回分以上の延滞が生じた場合、催告の上直ちに建物を明け渡すという和解条項が成立した以上、その和解条項は強制執行が可能となる「債務名義」となってしまったのであり、「債務名義」により強制執行を断行するにあたっては、もはやその時点での「信頼関係の破壊」という要素を考慮することは必要ないということになります。
今回のケースでも、和解条項の②で決められた内容については「債務名義」として、その違反により直ちに強制執行が可能となったわけで、結局は元賃借人は本貸室を強制執行により明け渡さざるを得ないという結果になったわけです。和解長というのは、火曜に強制執行を可能とする「債務名義」であるということに、十分注意が必要です。

不動産・建築の解決事例 7

債務不履行解除と仮処分先行事案

  • 建物明け渡し・立ち退き

相談前

都内にある賃貸マンションについては、高齢の女性が所有していました。しかし、オーナーが死亡してしまい、相続人が当該賃貸マンションを相続したのですが、調べてみますと賃借人は既に6か月以上も賃料を支払っておらず、何よりも契約相手の賃借人は当該マンションに既に住んでおらず、代わりに怪しげな人が住んでいるらしいということで、どうすればいいかとの相談がありました。

相談後

まずは、滞納している賃料について督促状を賃借人あてに送付したのですが、賃借人が既に当該マンションに居なければ「宛名見当たらず」で戻ってくるものかと思っていましたら、ちゃんと受領されましたので、これは契約上の賃借人のほかに誰かいるということが推定されましたので、これは単純に契約上の賃借人を被告として建物明渡訴訟をしても効力がないと判断しました。そこで、現在の当該マンションの占有者を確定するために、東京地裁の保全部に「占有移転禁止仮処分」を申し立てました。申立て後、執行官に同行して当該マンションに行ってみますと、合鍵でドアが開き、中で、背中に倶利伽羅紋々の刺青が入っている人が寝ていました。執行官がその刺青男を起こすと、「俺はこの部屋の賃借人の●●氏から部屋を借りているのだ。俺以外にも中国人の李さん、金さんが同居している。」と証言したので、執行官ともども驚きましたが、執行官は執行調書に「占有者:△△(刺青男)、李何某、金何某」と記載しました。
占有移転仮処分の執行後、早速、東京地裁に”●●、△△(刺青男)、李何某、金何某”を相手に建物明渡訴訟を提起しましたところ、刺青男から電話があり、李と金については俺が話をつけてやるのでいくらか出せ」という要求があり、仕方なく、刺青男、李、金との3人との間で建物明渡の和解を成立させました。そうしますと、建物占有者は契約上の賃借人●●だけですので、欠席判決で明渡認容判決をもらい、直ちに強制執行して、当該マンションの専有を回復しました。

神田 元弁護士からのコメント

神田 元弁護士

本事案のように、契約上の賃借人が賃貸建物におらず、代わりに怪しげな人物(本事案では、”いわゆる占有屋”)が建物を占有している場合、明渡訴訟を行う前に、明渡の対象となる人を確定しなければなりませんので、「占有移転禁止仮処分」という保全手続を採る必要があります。地方裁判所の保全部に仮処分の申立てをして、決定が出れば、執行官に仮処分執行を申し立てます。実際に、執行官が現地に出向き、執行状況を調査し、本事案のように、契約上の賃借人以外に、当該物件に占有者がいれば、それら占有者を全て執行調書に記載してもらいます。このように仮処分執行をしてもらい、占有者を確定することにより、それら占有者からさらに第三者に当該物件の占有を移転することは禁止されることとなります。そして、”ロック”した占有者を相手に、建物明渡請求訴訟を提起することとなります。多くの場合、それら占有者との間では、強制執行におけるトラブルなどを回避するためもあって、多少の明渡協力金を支払って、任意で退去してもらうこととなります。
いずれにしましても、賃料不払いによる建物明渡請求訴訟を提起する前には、必ず現地を調査し、契約上の賃借人以外に占有者がいる場合には、「占有移転禁止仮処分」手続を経ておくことが重要となります。

不動産・建築の解決事例 8

共有物分割に関する競売事案

相談前

相談者は、都心3区に所在するアパート(建物・敷地)を親族と共有していましたが、親族間で他に紛争も起きたことから、共有アパートを売却して代金を共有持分で分割したいという提案を親族にしたのですが、同意してくれず、どうすればいいのか相談に来られました。

相談後

相手方と交渉してもらちが明かないので、東京地裁に、「共有物分割の訴え」を提起し、裁判所から、競売による分割を命ずる判決がなされましたので、競売により、共有アパートを売却し、競落代金を持分に応じて取得することにより、相談者に配当がなされました。

神田 元弁護士からのコメント

神田 元弁護士

共有物の分割については、民法256条1項において、「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。共有物の分割について共有者間に協議が整わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。」、同2項で、「前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、または分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。」と規定しています。
本事案については、アパートですので建物自体”現物分割”は困難であり、敷地についても分割によってその価格を著しく減少させる恐れがあると判断できましたので、また、相談者としては早く共有アパートを処分して金銭で受け取りたいという意向が強かったので、東京地裁に、競売による共有物分割訴訟を提起しました。
裁判所は、上述した理由により、“現物分割”は困難であると判示するに加え、“全面的価格賠償”についても、相談者、親族いずれにおいても、相手方の持分を買い取ってまで賃貸アパート全体を自分のものにしたいという意思が認められないとして、“競売による分割”を命ずる判決を下しました。早速、競売手続に付されましたが、競売ということで経絡価格が心配でしたが、都心の一等地という土地柄、想像以上の価格で競落されて、持ち分に応じた分配を受けた相談者としては満足に解決しました。

不動産・建築の解決事例 9

共有物分割に関する代償分割事案

相談前

相談者は、都内城西地区に賃貸マンションを親族と共有しておりました(ただし、敷地は相談者が単独所有)。しかしながら、相共有者である親族は海外に長期居住しており、なかなか日本に帰国することもなく、また固定資産税などのマンションの維持費用なども全然負担しようとしませんでした。そこで、相談者としては、相共有者に対して、共有持分に対応する金銭を支払って、共有持分を譲渡してほしいという相談がありました。

相談後

共有物の分割については、民法256条1項において、「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。共有物の分割について共有者間に協議が整わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。」、同2項で、「前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、または分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。」と規定しています。
本事案については、マンションですので建物自体”現物分割”は困難であり、相談者としては、親族である相共有者とは共有関係を解消して、相談者の単独所有としたいという強い希望があったため、東京地裁に、代償分割による共有物分割訴訟を提起しました。
相共有者の海外の居留先に連絡を入れても連絡もないので、東京地裁に、「共有物分割の訴え」を提起しました。裁判所から、相共有者である被告に訴状を外交官ルートで送達手配を進めていたところ、被告が死亡したという連絡が海外居留先かありました。被告の相続人たちは、当該マンションの建物共有持分については所有権放棄するという書面をもらうこととなり、本件訴訟については取り下げをするということで終了しました。

神田 元弁護士からのコメント

神田 元弁護士

本事案については、マンションですので建物自体”現物分割”は困難であり、相談者としては、親族である相共有者とは共有関係を解消して、相談者の単独所有としたいという強い希望があったため、東京地裁に、代償分割による共有物分割訴訟を提起しました。
代償分割というのは、“全面的価格賠償”とも言い、共有物を現実に分割したり、競売にて売得金を分割するというものではなく、相手方共有者の持分を金銭的評価をして、持分の移転の代償として、金銭を支払うというものです。代償分割も本例にて認められるものですが、裁判所としては、分割の必要性、共有者間の公平性、価格の妥当性などを総合的に判断して認められるものであることに注意が必要です。

不動産・建築の解決事例 10

境界確定(和解ケース事案)

  • 土地の境界線

相談前

相談者は、建売住宅販売などのデベロッパーですが、東京都下の住宅地で造成を行うために土地を購入したところ、西側斜面下の隣地所有者から境界を侵害しているというクレームを受けたので、相談に来られたものです。

相談後

隣地所有者との任意での話し合いでは両土地の境界が確定できなかったので、東京地裁立川支部に「境界確定訴訟」と「所有権確認訴訟」を提起しました。第1審では、隣地所有者に有利な判決がなされたので、相談者側から東京高裁に控訴し、控訴審の手続中に、隣地所有者が相談者所有地を買い取るという形で和解が成立し、解決しました。

神田 元弁護士からのコメント

神田 元弁護士

境界(けいかい)確定訴訟というのは、法務局に備え付けられている公図における両土地の境界線、すなわち登記されている土地の筆毎の境界(筆界)を確定させるための訴訟です。本来、筆界は、公法上の境界であり、私人間の訴訟で決定するはずのものではないのですが、戦前の裁判所構成法において境界確定訴訟の類型を認めていたのを、戦後も引き継ぎ判例・実務慣行上認められている訴訟類型です。しかしながら、公法上の境界を決めるのですから、原告・被告で和解をすることもできないのです。
ですから、多くの境界確定訴訟というのは、実質的には「所有権確認訴訟」であり、本件においても、「境界確定訴訟」と「所有権確認訴訟」を併せて訴え提起しました。本事案においては、裁判官も現地に出向いて豪雨の中実地調査をして、地裁・高裁で審理が続行されましたが、結局、控訴審で和解が成立して終了したものです。境界確定訴訟・所有権確認訴訟においては、本事案のように、相手方の所有土地そのものを買い取るという形で終了するパターン、係争となっている土地部分をどちらかの当事者が買い取るというパターンなど、必ずしも境界・所有権界を確定させることなく終了するパターンがありますので、紛争解決のため色々と工夫することが重要です。

不動産・建築の解決事例 11

境界確定(判決による取得事案)

  • 土地の境界線

相談前

相談者は、建売住宅販売をしているデベロッパーですが、都内23区城西地域でミニ開発をした際、後日所有者から境界を侵害しているというクレームを受けました。隣地とは高低差があり、境界線は明確であるにもかかわらず、戦前の土地図面を持ち出してきて、隣地の境界は相談者の所有地まで食い込んでいると主張してきました。話し合いではらちが明かず、隣地所有者は、東京地裁に境界確定訴訟を提起しました。

相談後

第1審の東京地裁においては、相談者の所有権の範囲及び隣地との境界についていずれも当方の主張が認められる判決を得ました。隣地所有者が控訴し、東京高裁においては、相談者の所有権の範囲を全面的に認める判断がなされたものの、公法上の境界については、隣地所有者の主張に沿った協会が確定しました。隣地相談者から上告受理の申立てをしましたが、棄却で終了しました。

神田 元弁護士からのコメント

神田 元弁護士

境界確定訴訟というのは、法務局に備え付けられている公図における両土地の境界線、すなわち登記されている土地の筆毎の境界(筆界)を確定させるための訴訟です。本来、筆界は、公法上の境界であり、私人間の訴訟で決定するはずのものではないのですが、戦前の裁判所構成法において境界確定訴訟の類型を認めていたのを、戦後も引き継ぎ判例・実務慣行上認められている訴訟類型です。しかしながら、公法上の境界を決めるのですから、原告・被告が和解をすることもできないのです。
ですから、多くの境界確定訴訟というのは、実質的には「所有権確認訴訟」であり、弁護士でも境界確定訴訟と所有権確認訴訟の区別が分かっていない人もおり、私が境界確定訴訟を提起する場合には、あわせ所有権確認の訴えも提起することとしています。本来ならば、所有権の範囲(所有権界)と公境界は一致するはずですが、歴史的経緯など種々の理由により、本事案のように、東京高裁が所有権界と、公境界を別々に判断するということも起きることとなります。いずれにしても、本事案では、所有権界が自分の主張通り認められたので、一安心ということになりました。

不動産・建築の解決事例 12

自社ビルの建築瑕疵の事案

  • 欠陥住宅

相談前

相談者は、都内城北地区で自社ビルを保有するメーカーですが、業績好調のため、本社近くに土地を購入し、別館を建築するということになりました。そこで、建築業者にビル建築を発注し、工事が行われ、建物は完成したのですが、建物使用開始から、内階段の踊り場などにひび割れ、外壁にもひび割れ、屋上の排水のつまりなど、多数の不具合が生じるようになりました。建築業者に修理を要請したのですが、誠意ある対応をしてくれないので困って、相談に来られました。

相談後

まず、懇意にしている一級建築士に、当該建物に生じている不具合を全て列挙してもらい、「瑕疵一覧表」を作成しました。その上で、相談者側で修繕をした場合にかかる費用を「損害額」として集計し、先方建築業者と損害額の支払につき交渉をしましたが、合意に達しませんでしたので、建築業者を被告として、東京地裁建築部(民事22部)に、建築瑕疵訴訟を提起しました。訴訟手続において、裁判所選定の専門委員(通常、一級建築士)が付き、両者の主張・立証を整理した後、裁判官・専門委員立ち合いで現地調査を行い、裁判所から和解案が提示され、最終的に和解が成立し、解決しました。

神田 元弁護士からのコメント

神田 元弁護士

建築瑕疵訴訟については、東京地裁では専門部である民事第22部が訴訟・調停を担当する専門訴訟です。従い、建築瑕疵に基づく損害賠償を訴えていく建築の注文者側としては、まず存在する建築瑕疵を建築の専門家である一級建築士に整理してもらい、「瑕疵一覧表」にまとめることが重要です。「瑕疵一覧表」は、民事22部では必ず提出しなければならない書類であり、裁判もこの「瑕疵一覧表」に基づいて進行していくこととなります。「瑕疵一覧表」記載のポイントとしては、①瑕疵の現状、②瑕疵が生じたと思われる原因、③工事内容として本来あるべき姿、③修理すべき工事の内容、④修理工事にかかる費用を、個別の瑕疵ごとに記載していくこととなります。
建築瑕疵で問題となるのは、建築業者の技量不足による完成度の低さですが、「工事内容の本来あるべき姿」でなかなか定量的・定性的に評価が難しく、技量の劣る業者を頼んだのが悪いということになりがちです。また、令和2年4月の民法改正までは、建築瑕疵訴訟の法律根拠は「瑕疵担保責任」であったので、損害賠償額も理屈上契約金額を上回るということはできなかったのですが、この点は、民法改正後は「契約不適合責任」と法律根拠がなったので、今後、裁判上の扱いが変わっていくのかもしれません。
本事案においては、裁判所の専門委員が厳しい査定をして、相談者としては全面的に納得できなかったのですが、判決となった場合も専門委員の査定金額から大きく動くことはないであろうという判断から、最終的に裁判所和解案を受諾して、和解で解決ということなりました。

所属事務所情報

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所属事務所
神田元経営法律事務所
所在地
〒107-0062
東京都 港区南青山5-11-14 H&M南青山EAST301
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  • 土日祝08:00 - 22:00
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頂いたメールには当日又は翌営業日を目安にできるだけ迅速に対応させていただきます。
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