- 遺産分割
【使途不明金】【不法行為】【不当利得】被相続人の生前に、相続人が被相続人の不動産を処分したものの、売却代金を引き渡さなかったとして、被相続人の死後、相続人間で争いになった事案
相談前の状況
被相続人の生前、相続人の一人であるAが、被相続人を代理して、不動産を売却しましたが、その売却代金を被相続人に引き渡していませんでした。
被相続人は、Aに対し、売却代金の使途について報告を求める内容の裁判を起こしていましたが、裁判中に亡くなってしまいました。
そこで、相続人の一人であるBが、Aに対し、売却代金(預り金)の返還を求め、裁判を起こすことになりました。
解決への流れ
裁判手続きの中で、Aは、売却代金を、被相続人に全額渡しているとの主張をしていましたが、どこの銀行口座に入金されたかは分からないという態度で、極めて信用性に乏しい状態でしたが、不法行為に基づく損害賠償ないし不当利得に基づく返還請求を認めてもらうためには、Aが、被相続人の売却代金を勝手に使ったことを立証しなければなりませんでした。
そして、その立証のために、Bの相続人であるとの立場から、銀行等の金融機関20社超に対し、口座の有無の照会をしたところ、被相続人から聞いていなかった口座が一つ判明しました。
その口座の履歴を確認したところ、売却代金が送金されてから、連日、50万円ずつが引き落とされていることが分かりました。
この不可解なお金の動きから、当時、被相続人の近隣に居住していたAが、自らの利益のために引き落としていたという事実を、裁判所が認めてくれ、無事に勝訴判決を得ることができました。
佐藤 嘉寅 弁護士からのコメント
被相続人と同居していたり、近隣に住んでいる相続人は、他の相続人に知られないうちに、勝手に被相続人の財産を取得していることがあります。
これは、被相続人が認知症になっている場合に特に多く見られますが、認知症でない場合にも巧妙に行われています。
そして、事実上、上手に財産を取得されてしまうと、被相続人の死後、財産の移動を立証したり、仮に、財産の移動を立証できたとしても、それが、特別受益にあたる贈与といえるのか、また、勝手に費消したものとして損害賠償請求の対象になるのかを判断するのは、とても難しいと言えます。
本件も、被相続人の死後であったため、大変に難しい裁判ではありましたが、Bの知らなかった被相続人の口座が判明し、また、不可解なお金の引出があったことで、Aが勝手に費消しているということを認定してもらうことができ、大変、満足いく結果を得ることができました。
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