法人破産に注力し経営者の再出発をサポート〜丁寧な対話を重ねて信頼関係を築き、最善の解決を導く
法律の力で社会をよりよくしたい
ーー弁護士を志したきっかけを教えてください。
私は大阪府豊中市の生まれなのですが、豊中市というのは、人権意識が高い土地柄のようで、たとえば、「豊中人権まちづくりセンター」という市の施設がありますが、今でこそそうした名称になっているものの、私の幼少期は「部落解放会館」という名称でして、いわゆる同和問題にとても敏感な街だったように感じておりました。 そのような街に生まれ育ったこともあって、子どもの頃から、小学校の授業でいわゆる同和問題が取り上げられるなど、人権に関する問題に触れる機会が多くあり、「なぜ、世の中はこんなに不公平なのだろう」と納得できない思いを抱えていました。
どのような社会であれば、不当な差別を受けたり、人権を侵害されたりすることなく、誰もが幸せに生きられるのだろうーー。社会のあり方について考えをめぐらす中で、法律に関心を持つようになりました。
法律は社会の秩序を維持するルールであり、人の権利を守るために制定されたものです。法律を学び、法律の力によって、社会をよりよくすることに貢献できたらと思い、法律家を目指しました。
弁護士になり、最初に勤めたのは法テラス滋賀法律事務所です。法テラスには、経済的に余裕がない、身近に法律事務所がないなどの事情で、トラブルを抱えていても弁護士に相談できずに苦しんでいる方が多く訪れます。司法サービスを利用できずにいた方々の相談・依頼に応じトラブルを解決することは、社会を変える一助になると思い、入所しました。6年間勤務し、債務整理や離婚など幅広い分野の案件を手がけて経験を積みました。
「破産を過度に恐れる必要はない」
ーー注力している分野を教えてください。
現在は法人の破産案件に力を入れています。コロナ融資の返済が本格的に始まったことと時期を同じくして相談が増えてきました。原材料の高騰や、業界によっては業績が回復していないなどの事情により、「返済が厳しい」と相談に来る経営者が多くいます。
法人が破産をする場合、事業を停止し、従業員を全員解雇することになります。一緒に働いてきた社員や、取引先、債権者など多くの関係者に影響が及ぶことから、「迷惑をかけたくない」「信頼を裏切りたくない」と考えて、破産を躊躇する経営者は少なくありません。
ただ、金融機関もビジネスである以上、貸し倒れや未払いのリスクは織り込み済みです。そのため、経営者が過度に破産を恐れて、自身を追い詰める必要はないと考えています。企業経営において「攻め」の姿勢は不可欠です。挑戦して失敗したことに対し、非難する社会では、経済的発展は望めません。破産によって再出発をする選択をした経営者を応援したいと思い、力を入れて取り組んでいます。
ーー仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
丁寧にわかりやすく説明をすることと、依頼者の話を細部までよく聞くことです。弁護士は、ともすると、事件解決や法律に関係のない話を重視しなかったり、自分の経験に基づいて勝手に解釈し、「要するにこういうことですよね?」と結論づけたりする場合があります。しかし、一見したところ事件とは関係のない話や、依頼者が何気なく口にしたエピソードの中に、事件解決のヒントが隠れていることは少なくありません。依頼者が持っている情報をできる限り引き出すために、じっくり時間をかけて話を聞くことを大切にしています。
丁寧な対話は、信頼関係を築く上でも重要です。以前手がけた案件で、相談中に本当のことを話してもらえず、裁判の最中に思わぬ事実が明らかになって驚いたことがありました。迅速に方針を変更して事なきを得たのですが、腹を割って話してもらえる関係を作れていなかったことを反省し、依頼者との向き合い方にはいっそう気を配るようになりました。
言いにくいことでも打ち明けられて、わからないことがあれば何でも質問できる。そのような深い信頼関係を結べるよう、依頼者1人ひとりと真摯に向き合っています。
ーー印象に残っている事件を教えてください。
ある民事事件の一審で行った証人尋問が印象に残っています。実は、証人尋問で決定的な証言を引き出せることは少なく、事前に聞いていた内容の繰り返しになることが大半です。しかしこの案件では、相手方証人から貴重な証言を引き出すことができ、それをきっかけに潮目が変わりました。
難しい案件で、形勢不利な状況が続いていたのですが、証人尋問でこちらに有利な証言を引き出せたことで、最終的には依頼者が納得できる解決を導くことができました。弁護士として、確かな手応えと達成感を得られた事件です。
ーープライベートについても伺います。休日の過ごし方や趣味を教えてください。
体を動かすことが好きで、休日はゴルフやジムに行っています。趣味は筋トレと料理です。どちらも無心になれるところが自分に合っているのだと思います。得意料理は天ぷらで、家族の評価も上々です。天ぷら粉にビールを入れるとサクッと仕上がるんですよ。お店の天ぷらを目指し、衣の花を咲かせるように揚げてみたりして、試行錯誤しています。
付加価値の高い仕事を提供していくために
ーー今後の展望をお聞かせください。
今関心を持っているのが、AI技術の発展に伴い、弁護士業界がどう変わっていくのかということです。たとえば、弁護士でなくても訴状が書けるようになったり、調停の申立てが簡単にできるようになったりする世の中が来るかもしれません。
時代が移り変わり、弁護士の存在意義も変わっていく中で、私のように地域に根ざして活動する、いわゆる「町弁」はどのような存在であるべきかーー。これは、常々考えているテーマです。
業界における生き残り競争では、どうしても、大きな事務所が有利です。自分たち町弁は、自身の仕事に、より高い付加価値をつけられるよう研鑽を積まなければならないと考えています。地域密着の弁護士として、親しみやすさと頼りやすさに加えて、専門性も磨き続け、依頼者に満足してもらえる質の高い仕事を提供したいです。
ーー法律トラブルを抱えて、弁護士への相談を検討している方にメッセージをお願いいたします。
依頼者から、「敷居が高く、なかなか相談する決心がつかなかった」と後から言われることがあるのですが、どうか気軽に相談にお越しください。相談が遅れると対応策が限られてしまい、あなたが納得できる結果につなげることができないかもしれません。
初めて弁護士と接する方でもリラックスしてお話できるよう、十分に配慮しています。悩みを人に話すだけでも随分心が軽くなると思いますよ。ぜひ気負わずに、相談に来ていただければと思います。