50年以上のキャリアをもとに岡山で企業法務に注力「企業サポートを通じて地域を盛り上げたい」
多くの人に喜ばれることがやりがい
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
大学で法律を勉強して、法律の面白さを知ったのがきっかけです。はじめは検察官を目指していたのですが、尊敬している先生から「君の性格は尖っているから、検察官になってこれ以上尖るよりも、弁護士になって柔らかくなりなさい」と言われたんです(笑)。
本格的に司法試験の勉強に取り組んだのは大学3年からで、毎日10時間以上勉強していました。午後6時に勉強をはじめて、ふと空腹を感じて時計を見たら午前1時になっていたなんてこともありました。
勉強漬けの日々を過ごした甲斐あって、大学卒業の年に司法試験に合格することができました。当時としてはかなり早い方だったと思います。
ーー弁護士になられてから50年以上経ちますが、どんなところにやりがいを感じますか?
成功したときの喜びが大きいことですかね。
これまで会社更生や民事再生の案件を数多く扱ってきましたが、更生管財人になったことが過去に2度あります。更生管財人は、簡単にいえば、企業の経営を再建するために経営や財産を管理したり、再建のための計画を実行したりする役割があります。担当したどちらの企業もどん底の状態から回復して業績を伸ばし、大きく成長しました。経営者や従業員はもちろんのこと、その企業の取引先にも喜ばれるほどの成果を出せたことがうれしかったです。
「誠実であり、正直であること」が大切
ーー注力している分野を教えてください。
企業案件に注力しています。もともと企業法務をやりたいとは思っていたのですが、青年会議所やロータリークラブなどを通じて異業種の方や会社経営者と知り合いになる機会が多く、自然と企業案件が増えていきました。
先ほどお話しした更生管財人を務めた事件であったり、これまで多くの企業案件に携わってきたことで、岡山県の企業からは一定の信頼を得られていると思っています。
私は岡山の出身ではありませんが、長いこと岡山で弁護士をやらせてもらい、4人の子どもたちは温かみのある岡山の土地と人々に育てられました。その恩返しをしたいという気持ちは常にあります。
企業が元気であれば、地域は活性化します。企業をサポートすることで、一緒に地域を盛り上げていきたいと思っています。
ーー仕事をするうえで心がけていることは何ですか?
弁護士に限らず、何かを成すときに大事なのは「誠実であり正直であること」だと思います。これは顧問先の企業や事務所の若い弁護士にも伝えていることです。
また、法律は変わっていくものなので、学ぶことを怠らず、新しい知識を身につけてクライアントに提供していくという考えは何年経っても変えずにいることです。
ーー事務所の所長として心がけていることはありますか?
後進育成は意識していますね。弁護士11年目に最初の勤務弁護士を雇ってから今日まで32人の弁護士を採用してきました。多くの者は力をつけて独立し、現在は5人の若手が所属しています。
新しい人を採用するときは私一人で決めるのではなく、そのとき所属している弁護士全員で面接をしています。どんなに成績がよくても性格が悪いのではよい弁護士になれませんから、弁護士としての資質を全員で測るようにしています。ですから、うちの事務所で働いている弁護士たちは厳しい審査を通過してきてるので、優秀な人材が揃っていると思います。
若い弁護士には自分磨きをしてほしい
ーー休日の過ごし方や趣味を教えてください。
趣味は社交ダンスです。かれこれ25年続けています。妻と結婚記念の祝いでアメリカやイタリアへ旅行することになり、海外へ行ったら社交ダンスをする機会があるんじゃないかと思って始めたところ病みつきになりました。
毎年豪華客船の旅をして、船のダンスパーティーで踊ることが喜びです。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
私自身が最前線で働くということはほとんどないので、今いる若い人たちに知識や経験を伝えて、事務所を任せられる存在になってほしいと思っています。
事務所は財産です。多くの企業と顧問契約を結び、一定の評価を得ています。この先もクライアントのニーズに応えるサービスが続けられるように若い人たちの育成に努め、経営者としてさらに発展させられるよう尽力していくつもりです。
ーー若い弁護士にはどのようなことを望まれますか?
「常に法律の条文を根拠に」というのが私の教えです。法律の条文にも裁判判例にもない権利を主張しても、それは独自の論でしかありません。文書を書くときは必ず法令上の根拠か判例の根拠を元として、類似の事案についての裁判例を引用するように教えています。
世の中は変わり続け、法律も変わっていきますから、弁護士も学び続けなければなりません。勉強し続ける弁護士と勉強をやめてしまった弁護士の差は歴然です。
若い人たちを見ると、みなさんいい顔をしている。磨けばきっと光るはずだから、自分磨きをしてほしいです。大いに期待していますよ。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
「生兵法は大怪我のもと」ということわざがあるように、法律問題を自分で解決しようとしたり、法律家でない人の意見を聞くのは危険ですので、まずは専門家に相談することです。
弁護士は敷居が高いとよく言われますが、それは弁護士をあまり知らないからだと思います。弁護士のことを知らないから、問題が起きたときにどこへ相談したらいいのかわからないのです。
今の時代はインターネットで検索すれば弁護士を見つけることも簡単です。弁護士会へ電話すれば、無料相談会の場所や日時を知ることもできます。
弁護士に相談することが問題解決の第一歩です。自分で判断をしないで、まずは弁護士に相談してください。